【横山光輝「三国志」講座171「謀略結婚」】

横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座171「謀略結婚」01】 第171話です。舞台は変わりまして呉の柴桑（さいそう）です。ここでは、周瑜が療養していました。興奮するとよくないということで、ここでしばらく安静にするようで。魯粛は周瑜の見舞いを兼ねて、荊州の一件を報告。

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【横山光輝「三国志」講座171「謀略結婚」02】 周瑜は、玄徳が素直に荊州を返すと言ったのかと尋ねると、魯粛はかくかくしかじかで…、と事情を説明。ここは有名な誤植があった箇所ですが、大判・三国志ではちゃんと「かくかくしかじか」となっています。

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【横山光輝「三国志」講座171「謀略結婚」03】 このような証書を取ってきたと言って、魯粛は証文を周瑜に見せます。一目見るなり、お主、またも孔明にしてやられたな、と周瑜。たしかに土地を借りたという証書だが、蜀を取ったら返すとあっても、それがいつのことだとは書いていません。

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【横山光輝「三国志」講座171「謀略結婚」04】 十年先でも、百年先でも構わないような内容。これに魯粛まで保証人になっています。これで、玄徳が城を返さない時は、魯粛も巻き添えで責任を取らねばならぬ、と周瑜がいうと、魯粛は自分の甘さを悟り、ヘナヘナとへたりこんでしまいます。

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【横山光輝「三国志」講座171「謀略結婚」05】 まったく魯粛は正直すぎると、いって愚痴をこぼしても始まりません。なんとか手を打たねば、と一考する周瑜。そうだ、と指を鳴らします。ここで、周瑜は魯粛に、呉候、すなわち孫権の妹君を知っているか、と尋ねます。

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【横山光輝「三国志」講座171「謀略結婚」06】 魯粛は、一度お目にかかったことがあると答えます。武芸が好きで、腰にはいつも小弓を佩き、弓腰姫というあだ名があるほどだと。周瑜は、その弓腰姫を玄徳に嫁がせてはどうか、と言い出します。

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【横山光輝「三国志」講座171「謀略結婚」07】 なんですと、と驚く魯粛。玄徳はすでに50歳なのに対し、弓腰姫はまだ17歳と言います。孫堅が亡くなったのは初平2年（191年）の11月。この話の時点は建安14年（209年）です。孫堅が死んだときには、弓腰姫は赤ん坊か、もしくは母親のお腹の中にいたか…。

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【横山光輝「三国志」講座171「謀略結婚」08】 いずれにせよ、ものすごい年の差婚です。しかし、周瑜は、この結婚は謀略よ、とあくまで作戦上のことだと言います。結婚式を呉であげさせ、玄徳を呼び出し、終わった途端に殺せばよいと。玄徳が死ねば荊州もすぐに取り返せると周瑜は言います。

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【横山光輝「三国志」講座171「謀略結婚」09】 魯粛は、タオルで汗をふきつつ、孫権がそんなことを認めるだろうか、という疑問を投げかけます。周瑜は、自分がこの結婚が謀略であることをしたためよう、と言います。こうして、玄徳の結婚騒動が始まるのです。

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【横山光輝「三国志」講座171「謀略結婚」10】 さて、魯粛は孫権のもとへ復命します。まずは玄徳と交わした証文を見た孫権は、こんな証文もらってのめのめ引き下がってきたのか、と魯粛を叱責します。これでは子どもの使いだと。

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【横山光輝「三国志」講座171「謀略結婚」11】 魯粛は謝りつつ、周瑜がこれを逆手にとって荊州を取り戻す計がある、と周瑜からの手紙を孫権に渡します。それお一読した孫権。ふむう、と一考。結婚式を呉であげるなら、玄徳も出向いてこなくてはならぬ、とこの計はうまくいくかもしれぬと思い始めます。

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【横山光輝「三国志」講座171「謀略結婚」12】 乗り気になった孫権は重臣を集め、協議することにします。

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【横山光輝「三国志」講座171「謀略結婚」13】 周瑜の案は孫権らのミーティングで決議されたようで、荊州城に孫権のし者が向かいました。ここでは名前出されていませんが、使者は呂範です。 玄徳とサシで話す呂範。孫権の妹との結婚話に驚く玄徳です。

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【横山光輝「三国志」講座171「謀略結婚」14】 玄徳は独り身、そろそろ妻を娶られ、一家の繁栄を考えてもいいでしょう、と呂範。一夫多妻制の三国志の世界ですが、横山三国志では、妻は一人というルールで物語が進んでいます。長坂坡の戦い前後で前妻は亡くなっています。

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【横山光輝「三国志」講座171「謀略結婚」15】 吉川英治「三国志」でも、二人の妻がいたのですが、もうひとりの夫人も、劉琦が亡くなった後すぐに亡くなったという記述があります。なぜか周瑜がその情報を掴んでいましたが。ということで、玄徳はこの時点で独り身なのは間違いありません。

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【横山光輝「三国志」講座171「謀略結婚」16】 呂範は、この結婚が成立すれば、両国の平和、といっても、この時点では呉と荊州を支配する玄徳という意味でしょうが、平和は約束されたようなものとして、呉で反対する者はいないと言います。

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【横山光輝「三国志」講座171「謀略結婚」17】 玄徳は、まだ若い呉君の妹と、自分との年の差を気にしています。年の差は問題ないという呂範。すでに妹君も承知していると言います。武芸好きな妹君、精神的にふけこんだ若者よりも、年を取っていても気持ちは若く、自分の行動を貫く人物の方が好きだと。

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【横山光輝「三国志」講座171「謀略結婚」18】 玄徳は、この話は呂範の考えなのか、それとも周瑜の考えなのか、と尋ねます。実際には周瑜の策ではありますが、呂範、こんな話、孫権の命令がなくてなんでできましょう、と答えます。ふむう、と玄徳。返事はゆっくり考えて答えると言います。

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【横山光輝「三国志」講座171「謀略結婚」19】 玄徳は、この話を孔明らにはかります。孔明は、賛成と言います。呉に何か策があるかわからないものの、易を立てたところ大吉と出たと、ここでまさかの占い結果を披露。

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【横山光輝「三国志」講座171「謀略結婚」20】 易はさておき、ここは、策に乗ったふりをして、かえって我が策となすところ、と本音をさらっと言ってのけ、孔明はすみやかに引き受けて、玄徳は呉の国へ行き、結婚をするべきだと言います。

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【横山光輝「三国志」講座171「謀略結婚」21】 孔明が乗り気ですが、部下たちは万が一の危険を心配しています。孔明は、危険に備えた手は考えていると言います。この結婚がまとまれば、両国の衝突は避けられるという孔明の言葉に、そういうことであれば受けねばなるまいと答えます。

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【横山光輝「三国志」講座171「謀略結婚」22】 玄徳の腹は決まりました。孫乾に、答礼の使者として呉に行くように命じる玄徳。直ちに呉に向かった孫乾は、月日を経て玄徳に復命。この縁談は両国の平和のために大切な縁談であるから一日も早く呉にくるようにといの呉側の希望を伝えます。

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【横山光輝「三国志」講座171「謀略結婚」23】 孔明は、何も心配なさいますなと言って、趙雲に玄徳のボディーガードを命じます。そして、趙雲に３つの袋を渡します。呉に行って危険が迫った時にこの袋を開けよと言います。三ヶ条の謀が秘めてあるから、その通りに行動するがよいと。

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【横山光輝「三国志」講座171「謀略結婚」24】 こうして、玄徳は趙雲以下500の部下を連れ、結婚のために呉に南下します。 建安14年、冬の初めのことです。 以後、しばらく玄徳は呉に滞在することになりますが、果たしてこの縁談、うまくまとまりますやら…。続きはまた次回です。 今回はここまで。