編集部イチオシ

『流星のロックマン』の世界観を改めて考察してみました。

※セルフまとめになります。 オコワ再販、サウンドBOX発売と最近話題が多かったので、夏コミ用のまとめがてら私見をメモしています。皆様の考察の一助になれましたらば幸いです……! のっけから10周年と間違えていますが、正しくは12周年です……!すいません……!
46

ついつい連投してしまったので、Hi-GO!さんに倣ってまとめてみました! 流星の考察が好きな方にどうぞー!

らいおねサン @WRaione

本日サウンドBOXが発売の『流星のロックマン』。10周年という節目に際して、今一度その想像力の功績を考えてみるべきだと思います。。。 ネットワーク社会より進化した電波社会における、原始的な『絆(ブラザーバンド)』の拡張をめぐる物語の在り方ってのはかなり鋭いテーマ性を帯びてたよねって。

2018-07-04 08:25:19
らいおねサン @WRaione

発売前も、発売後もとにかく「話が重い」「話が暗い」「話が遅い」と言われて敬遠されていたのを思い出します。 ギャグも交えながら、バラエティ豊かで裏表の(ほとんど)ない登場人物が盛り上げてきた前シリーズとは打って変わり、凡そすべての登場人物が内面に暗いものを抱える世界観に驚きましたよね

2018-07-04 08:45:59
らいおねサン @WRaione

それは主人公周辺の家族や友人にも言えることで、第1話なんてその1人であるゴン太が「委員長(ルナ)に見捨てられる」と強迫観念に追い込まれた結果、その心の隙間をFM星人オックスに付け込まれました。 得てして序盤の展開とは、その物語の骨子となるもので、随分これには驚かされました。

2018-07-04 08:46:00
らいおねサン @WRaione

『絆』をテーマにした物語で敵役として立ちはだかるのは、純粋な悪ではなく、ただ絆の輪から弾き出された『孤独』でしかなかったわけです。 彼らはみな、みずから自分を追いやった周囲に復讐を企てていたわけではなく、FM星人との邂逅がなければじっと孤独に耐えていただろう人物たちです。

2018-07-04 08:46:01
らいおねサン @WRaione

最初から攻撃的だったヒカルや、それ程孤独でもなく周囲と折り合えていた十郎や千代吉など、一部例外もありますが、物語のボスとして登場する人物たちは、もしかするとFM星人に会わなければ孤独に耐えながら磨り減って、誰にも引き留められぬまま姿を消していた人たちばかりでした。

2018-07-04 08:46:01
らいおねサン @WRaione

スバルだけがFM星人(AM星人)に出会いながら、そのために孤独の裏返しを強調することはありませんでした。 (というのもウォーロックが他のFM星人と違い、変身者の意思を尊重していたり、むしろ「やりたくないこと」をさせていたところもあったので大したことではないですけど)

2018-07-06 08:47:42
らいおねサン @WRaione

物語は基本的に、何らかの原因で周囲からの隔絶を脅迫された人たちがFM星人に付け入られるかたちで進行します。スバルは最初から殆ど孤独でしたが、章のボスたちは逆に「孤独に落とされる直前」で踏みとどまっている人たちです。 ここに主人公と悪役の対比が強調されるのでないでしょうか。

2018-07-06 08:47:43
らいおねサン @WRaione

「孤独に落とされる前に」と、FM星人の力を借り電波変換したボスたちは、特定の電脳空間(ダンジョン)に篭り、決定的な断絶を試みようとします。主にストレスの対象となる人物を傷つけたり、拉致したりするかたちです。 そこに電波変換したスバルが乗り込み、対峙するという流れです。

2018-07-06 08:47:44
らいおねサン @WRaione

奇妙なことに、スバルもまた、或いはもしかすればボスよりも孤独な状況にありながらも彼らの凶行を止めようとしているところが面白いですよね。 『流星2』からは友人に恵まれた彼ですが、初期では終盤に至るまで長い期間を1人で過ごすことになります。

2018-07-06 08:47:44
らいおねサン @WRaione

中盤以降はルナ委員長たちとは友人関係になりますが、彼らの輪の中に「組み入れてもらっている」ようなていであり、けして能動的に親交があるようには描かれていないのがポイントです。 彼がロックマンの正体であることを隠している期間がこれに相当するんじゃないかと。。。

2018-07-06 08:47:44
らいおねサン @WRaione

いざFM星人との戦いとなると、誰にも正体を明かさず、つまり助けを得ずに強力な敵と対峙することになります。 ルナたちがいくら"友だち"であっても、彼の支えにならないのであれば、やはり彼にとっては本質的に孤独だったのではないでしょうか。

2018-07-06 08:47:45
らいおねサン @WRaione

それでもスバル自身は、友だちと上手く関係を築くことはできなくとも、彼らを守ろうという意思を強めていきます。 結果としての親交ではなく、ルナたちの行動や動機を重んじて彼女らを信頼できるスバルの凄まじさたるや。。。

2018-07-06 08:47:45
らいおねサン @WRaione

というのも、スバルはもともと父親を事故で亡くす以前まで、周囲に大して強い信頼を寄せているような少年だったからではないでしょうか。 事故以来、信頼が裏返って心の傷になることを恐れて、その本質を抑えていた節があるように感じられます。

2018-07-06 08:47:46
らいおねサン @WRaione

ことそれが、自分に直接関わることでないのならば、スバルはきっと本質的な他人への信頼を信じることができるのでしょう。 対峙するボスたちには、「きみはきっと孤独じゃない」と諭せるのです。 典型的な “I'm not O.K. You are O.K.” なメンタルといいますか。。。

2018-07-06 08:47:46
らいおねサン @WRaione

個人的に『流星1』が好きな理由が、このスバル : 章ボスの対比が浮き上がらせる“一人” VS “独り” の構造で、同じくFM(AM)星人に関わっていながらも、ましてや相手よりもずっと孤独な状況にありながらも、腐らず恐れず相手に向き合うスバルの姿が胸を打つからでありまして。

2018-07-06 08:47:47
らいおねサン @WRaione

だからといって『2』以降がダメなのかって言うと、そうでもありませんけど。『2』も『3』も、スバルは孤独ではなくなった代わり、物質的な別離への恐怖が付きまとうようになります。世界中に友だちが散らばったり、一度は友だちの命を奪われかけたことも。 これに耐える姿はまた別の魅力を感じさせます

2018-07-06 08:47:47
らいおねサン @WRaione

再び『流星1』の話に戻りますが、そんなスバルが順調に社会復帰していく中で、終盤に「本当の本当に天涯孤独であり、一応は周囲と折り合えているように振舞っているが、本質的なところで他人を信じられないように育ってしまった」人物と出会います。

2018-07-06 08:47:48
らいおねサン @WRaione

双葉ツカサ、最後の刺客として現れた彼はしかし、スバルを真っ向から打ち崩し、再び閉心状態へと叩き落としてしまいます。 彼は二重人格者であり、本当にスバルと友だちになろうとした人格と、キズナを全否定し叩き壊そうとした人格の両方でスバルと対峙し、最後の戦いを後味悪いものにしました。

2018-07-08 05:45:22
らいおねサン @WRaione

なんのかんのとあって、ブラザーたちとのキズナを再び信じたスバルはFM王との決戦のため、宇宙ステーションへと向かいます。 ここで面白いのが、結局彼は“単身”敵地に乗り込まざるを得なかった、というところです。 というか全篇通して言えることなのですが、彼の戦いは凡そ土壇場で“一人”なんですね。

2018-07-08 05:45:22
らいおねサン @WRaione

『流星1』でさえ、天地さんやブラザーたちの応援を受けて戦っていましたが、最終的に『ロックマン』は数人にしか知られることなく、宇宙ステーションにて決戦に臨むことになります。『2』では中継されていたり、『3』でもサテラポリスなど多くの人に見送られていましたが。

2018-07-08 05:45:23
らいおねサン @WRaione

最終決戦におけるFM王ケフェウスとスバルの対比は、ケフェウスが「多くの臣民に囲まれていながらも絶対的に孤立している」のに対し、スバルは「最終的にただ一人で戦っているうえ、その理解者も数えるほどしかいないのに、目に見えないキズナに繋がっている」というもので、これもまた面白いですよね。

2018-07-08 05:45:23
らいおねサン @WRaione

『流星1』で強調されていたのはこういうもので、手前味噌ながら「“独り”VS“一人”のぶつかり合い」という表現がしっくりきてます。 戦いを通じて電波人間どうしがむき出しの心で対話する、という構図はとってもエモーショナルで大好きです。哀愁と緊迫の混じったボス戦BGMも相まって何故か泣きます……

2018-07-08 05:45:24
らいおねサン @WRaione

結局のところ、大幅に巻き直しになったシステムやうま味の薄い3バージョン展開のために発売から数週間も経たずワゴン行きになった『流星1』でしたが、それでも個人的には没入感と物語の強さで見事な滑り出しを迎えていたと思ってます。 (リアルブラザーが見つからず裏面攻略に苦労しましたけど……)

2018-07-08 05:45:24
らいおねサン @WRaione

それから1年が経ち、『流星2』が3バージョンのうち2つが同梱された実質2バージョンで発売になりました。 終始陰鬱な印象が強かった『流星1』とは打って変わり、スバルの表情も上向きなものとなりましたが、物語の方向性はかなり変わってきます。

2018-07-08 05:45:25