「これに対し野党は」式の政局報道が社会に及ぼす影響について

山崎 雅弘 @mas__yamazaki

総理大臣の思考や態度が小学生化して、国会で論理的な議論ができなくなっているのに、相変わらず「野党は反発」などのテンプレ流用のような報道しかしない状況を見ると、テレビ局にも成熟した大人がいなくなっているのかと思う。これの何が問題なのかを判断できないのか。国の中がどんどん壊れていく。 pic.twitter.com/wEHMR50AfW

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総理大臣のウソや憲法違反の行動を「これに対し野党は」という与党対野党の政局問題にすり替えて矮小化すれば、国民は「また与党対野党の対立か」「だが与党の方が議席数で多いのだから今回も与党の勝ちだろう」という結論に誘導される。在京大手メディアは、そんな欺瞞に荷担して首相に奉仕している。 pic.twitter.com/9nLH3h0j5p

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総理大臣のウソや憲法違反は、ウソや憲法違反であるがゆえに問題なのであって、野党の反応など関係なく、メディアは固有の倫理観や道徳観、職業人としての責任感で対処する義務を負う。安倍政権の暴走が止まらず、ルール破りとモラル崩壊が社会に広がる原因の一端は、メディアの卑怯な責任回避にある。 pic.twitter.com/OAHWcHzbc6

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政権与党が、国会議事録の書き換えや「ありもしないやりとりの追記」など、本来民主主義国ではあり得ない歴史改竄を堂々とやっていても、「これに対し野党は反発」と、批判の役割と責任を全部「野党」に押しつけて、自分たちは部外者か局外者のような安全地帯に逃げ、政治の腐敗と堕落を傍観している。 pic.twitter.com/KS4IWCuzfz

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憲法は「権力者の横暴から国民（メディア企業の社員とその家族も含む）を守るための檻」だという事実をすっかり忘れ、明らかな憲法違反の行為でも「憲法違反」と指摘せずに「これに対し野党は」と論点をすり替えるよう調教されたメディア企業の社員は、家族をも裏切っている。 twitter.com/Beriozka1917/s…

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森友・加計問題は、もうとっくの昔に「安倍晋三衆議院議員が内閣総理大臣で居続ける資格があるか否か」というレベルに入っているのに、大手メディアは相変わらず「安倍首相は何々と説明」「これに対し野党は」と、与党対野党の政局レベルに矮小化した報道から一歩も出ていない。どうかしていると思う。 pic.twitter.com/XFo73nncjn

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総理大臣が国会で繰り返しウソをつく。総理大臣の身内に次々と「公的資金配分の優遇」という不正疑惑が露見しても、公的記録で不正の不存在を証明する義務を果たさない。本来なら「首相失格」を言い渡されて当然なのに、大手メディアは「これに対し野党は反発」と、政局の問題にすり替えて矮小化する。 pic.twitter.com/66cOHf2xk0

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今の総理大臣に、総理大臣としての資格が欠けているなら、無免許の人間に旅客機を操縦させるのと同じリスクが発生する。国民の生活に直接関わる重大事であり、与党は、野党はという次元の話ではない。与党対野党の政局目線でしか問題を認識できないニュース番組は、受け手の問題認識も歪ませてしまう。 pic.twitter.com/GId9TKrs0f

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山崎 雅弘 @mas__yamazaki

何度も指摘しているが、大手メディアの「これに対し野党は反発」式の、あらゆる政治問題を「与党対野党」の政局目線に矮小化する、政治部主導の政治報道は本当に罪深いと思う。一見もっともらしいので問題視する人は少ない様子だが、国民の思考を安倍政権に有利な方向へ誘導する効果をもたらしている。

山崎 雅弘 @mas__yamazaki

安倍政権が政治的横暴を重ねるたびに、大手メディアは条件反射のように「これに対し野党は反発」式の政局報道で伝え、まるで問題に対抗する責任を負うのが「野党だけ」であるかのような、言い換えれば一般国民には直接関係がないかのように印象づける。国民が当事者として怒りを感じる回路を迂回する。

山崎 雅弘 @mas__yamazaki

しかし国会での議席で野党は劣勢なのだから、横暴に抵抗する力など最初から期待できない。その結果、当事者意識のない国民の間では「やはり野党は不甲斐ない」「安倍さん以外いない」という安易な錯覚が蔓延する。首相がいくら横暴な態度で国民を愚弄しても、国民は自分が愚弄されていると自覚しない。

山崎 雅弘 @mas__yamazaki

戦後の日本で不完全ながらも維持されてきた民主主義の諸制度が、特定の政権によって次々と破壊されている時、それに抵抗する責任を負うのは野党だけではない。矜持を持ったジャーナリズムが抵抗の前線に立つのが、本物の民主主義国だが、日本では東京の大手紙や大手テレビ局がその役割を放棄している。

山崎 雅弘 @mas__yamazaki

安倍政権の政治的横暴に対し、大手メディアが他人ごとのように「これに対し野党は反発」式の政局報道で伝えれば伝えるほど、国会議席数の劣勢から有効な対応を打てない野党への国民の失望だけが増し、結果として安倍政権がますます有利になり、支持率も回復する。大手メディアが安倍政権を助けている。

山崎 雅弘 @mas__yamazaki

本当なら、大手メディアも非民主的な政権の横暴に毅然とした態度で立ち向かう責任を負う。政権が何党であってもそうした態度を取るのが本物の「政治的中立」で、横暴な政権と非力な野党・国民の両方から距離を置いて傍観するのが「政治的中立」ではない。今の大手メディアは、後者の詭弁に逃げている。

山崎 雅弘 @mas__yamazaki

学校の教科書で教えられる「三権分立」の政治制度が、今の日本では特定政権によって事実上骨抜きにされ、行政府トップである総理大臣夫妻の不正関与疑惑を、司法・立法府という他の権力が追及できなくなっている。腐敗国家特有の「三権癒着」が生じている。その明白な事実を国民が全然共有していない。

山崎 雅弘 @mas__yamazaki

第四の権力とされるメディアも、現状の「三権癒着」を批判しないどころか、そんな異常事態が生じている事実を国民に伝えていない。「これに対し野党は」式のパターン化した政局報道を日々重ねることで、現状の「三権癒着」も「野党」の不甲斐なさが原因であるかのような印象を、国民に植え付けている。

山崎 雅弘 @mas__yamazaki

つまり今の日本は実質的に「四権癒着」という、共産党独裁国や反共親米右派独裁国のような権威主義国で特徴的な事態が生じている。見かけは以前の日本と何も変わらないが、政治腐敗がさらに悪化することはあっても改善すると考える要素が見当たらない。政治の腐敗も、少しずつ進めば、国民は順応する。

山崎 雅弘 @mas__yamazaki

米国滞在中は、ＣＮＮなどニュース番組を主に見ていたが、トランプ大統領の移民親子引き離し政策に激しい批判を浴びせていた。「これに対し野党は」ではない。各番組の司会者や出演者が、責任ある個人として問題を判断し、意見を主張する。複数の州知事や航空会社等も反対を表明し、政策は撤回された。

山崎 雅弘 @mas__yamazaki

一見もっともらしい「与党は何々と決定」「これに対し野党は反発」というパターン化した政局報道は、実際にはメディアの国民に対する責任放棄だと、国民の側は認識する必要がある。国会での審議や記者会見の形骸化も、政権による司法や警察、主要官庁の私物化も、与党対野党の単なる政局問題ではない。

山崎 雅弘 @mas__yamazaki

本来なら、国会審議の前提となる公文書が時の政権に都合のいいように国家公務員が改竄したり、多額の税金が首相夫妻と懇意な業者に配分される過程で首相夫妻が影響力を行使した疑惑を隠蔽したりする行為を、メディアは「国民に対する現政府の重大な裏切り」と報じないとおかしい。「野党は」じゃない。

山崎 雅弘 @mas__yamazaki

大手メディア各社が「与党は何々と決定」「これに対し野党は反発」というパターン化した政局報道を続ける限り、国民はますます社会問題での当事者意識から遠ざかる。与党に野党がどう対抗するかスポーツ観戦的に見物し、議席数の少なさで負けるたびに「やっぱり野党はダメだ」と他人事として論評する。

山崎 雅弘 @mas__yamazaki

ウソや詭弁、はぐらかしで議論そのものを無力化してしまえば、あとは議席数、つまり議決の際の頭数だけで決まる。それでは民主主義の制度が成立しないから、民主主義国では議論や意見表明（市民デモ含む）が重視される。議論を徹底的に無力化する安倍政権は、文字通りの意味で民主主義を破壊している。

山崎 雅弘 @mas__yamazaki

安倍政権への批判を「反安倍」にすり替え、野党の戦術に問題があるから勝てない等の論点ずらしを書く人が増えてきたと感じるが、自国の民主主義が危機に瀕していると自覚していないか、壊れてもいいと思っているかのどちらかだろう。全部野党のせいにすれば楽だが、その高いツケは自分が払わさられる。

山崎 雅弘 @mas__yamazaki

実際には、国民一人一人の生活や将来に大きな影響を及ぼす法案や状況変化でも、大手メディア各社が「与党は何々と決定」「これに対し野党は反発」というパターン化した政局報道に矮小化すれば、国民は自分に関わる重大事だと認識しない。政権にとって、これほど有り難い国民の思考誘導術はないだろう。