【横山光輝「三国志」講座172「甘露寺」】

横山光輝「三国志」を一話ずつ解説してみようというコーナー。第172話「甘露寺」の巻。 ※解説はbotさんの個人的見解です。 ※今回の話は、大判・横山光輝「三国志」第10巻に収録されています。
0
横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座172「甘露寺」01】 第172話です。 建安14年(209年)の冬のはじめのこと。玄徳は結婚のために呉に船で向かいます。この船は無事に呉に到着します。護衛隊長である趙雲は、軍師・孔明がどのような指示を出しているのか、早速小袋を開けて、中の手紙を読みます。

2018-07-11 12:38:13
横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座172「甘露寺」02】 この順番に開けろ、とか細かい指示が入っていたかは不明ですが、物語の進行上、孔明の思惑通りの順番で手紙が読まれるものとします。まずは、「呉の元老、喬国老を訪問せよ」と書いてありました。

2018-07-11 12:40:13
横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座172「甘露寺」03】 喬の字からも見て取れますが、大喬・小喬の美人姉妹の父親とされる人物。周瑜、孫策から見たら義理のお父さんとなります。孫権から見たら、お兄ちゃんのお嫁さんのお父さんという位置づけ。呉にとっては重要人物ということになりますでしょうか。

2018-07-11 12:44:57
横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座172「甘露寺」04】 孔明の喬国老を訪問するという指示に素直に従う劉備玄徳。土産物を馬に積んで出発します。大名行列みたいな形になりまして、道行く人びとがしきりに噂をしあいます。

2018-07-11 12:46:48
横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座172「甘露寺」05】 さて、喬国老の屋敷。荊州の劉備玄徳が到着したと聞いて、何事かと訳がわからない喬国老ですが、ともかく失礼がないようにと、出迎えの準備をします。これはこれは、私が喬国老でございます、と挨拶。

2018-07-11 12:48:37
横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座172「甘露寺」06】 喬という字はわかるのですが、国老というのが本名かどうかというと審議が必要です。喬公とも言われているようですが、孫策、周瑜という人物の義理の父にあたるために、国をあげて尊敬すべき元老、ということであれば、自分で橋国老と名乗るのは不自然です。

2018-07-11 12:52:09
横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座172「甘露寺」07】 とはいえ、このあとも国老と呼ばれているので、ここでは橋国老で話を進めます。出迎えた橋国老に対し、玄徳も挨拶。突然の来訪、何事かと尋ねる橋国老に、婚礼のあいさつに来たと言います。何も知らない喬国老は、婚礼の挨拶?とおうむ返し。

2018-07-11 12:55:21
横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座172「甘露寺」08】 この度、自分と孫権の妹との婚儀がまとまり、挨拶に参ったという玄徳の言葉に驚愕する喬国老。どうやら、孫権らの謀は、ごく内々で決めたと見え、喬国老の耳には入っていなかったようです。どうしてそんな大切なことを知らせぬのか、と訝しがる喬国老。

2018-07-11 12:57:17
横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座172「甘露寺」09】 孫権の妹ならば、皇叔が妻となされても決して悔いはなさいますまい、と喬国老。皇叔とは、皇帝の叔父という意味。対外的にも玄徳が皇叔であるという認識がなされています。それゆえ、喬国老は、それはめでたいと祝福の言葉を述べるのです。

2018-07-11 13:02:51
横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座172「甘露寺」10】 ところで、と船が着いたという連絡を(孫権らのいる城に)届けたのかと尋ねる喬国老。まずは呉国の元老であるあなたに挨拶をと思って、まだ届けていないと言う玄徳。それはいかん、と喬国老は、すぐに城に行くと言い出かけます。

2018-07-11 13:05:58
横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座172「甘露寺」11】 喬国老は、まず、孫権の母のところを訪れます。おお、国老、とこの母も国老と呼びます。あわてふためいてどうしたのじゃ、と聞きます。喬国老は、知らぬこととはいえ、お喜び申し上げるのを遅れ申し訳ないと言います。

2018-07-11 13:07:37
横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座172「甘露寺」12】 劉備玄徳と姫君の御婚儀が決まったそうで、と聞いた母は、寝耳に水の話。玄徳はもう50だといういうのに、娘はまだ17歳。なんと厚かましい、と玄徳をロリコン助平親父扱いする母君ですが、喬国老が、この婚儀、孫権の方から望んだと聞いて、さらに驚愕。

2018-07-11 13:09:49
横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座172「甘露寺」13】 そんなことは信じられないという母親に対し、ならば、街の様子をうかがってみなさいと、嘘ではないと言う喬国老。母親はすぐに街の様子を調べさせます。街では、人びとが、めでたい、これで戦がなくなるとしきりに噂しあってます。

2018-07-11 13:11:42
横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座172「甘露寺」14】 街中がその話でもちきりと聞いて、よよ…と泣き出す母親。母も知らぬうちに娘が50男に盗られると思うと涙が止まりませんが、悲しんではおられぬ、とこの結婚を阻止せねばと立ち上がります。

2018-07-11 13:13:17
横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座172「甘露寺」15】 「権!」と母は、早速孫権のところに。孫権のことを権と呼ぶのはこの人だけでしょう。さて、孫権。どうなさいましたか、と呑気に出迎えます。あ、母ちゃんが来た、くらいな感覚でしょう。

2018-07-12 15:22:12
横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座172「甘露寺」16】 いかに老いても、私は御身の母ですぞ、という母親の言葉に、何を今さらそんなことを。と返す孫権。親と思うなら、なぜわらわに無断で娘の大事な結婚を決めたのか、と母は詰め寄ります。わかりません、なんのことです?とすっとぼける孫権。

2018-07-12 15:24:07
横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座172「甘露寺」17】 まだ隠そうとするのか。お前の妹にせよ、あの娘もわらわの子、玄徳に嫁がすなどいつ許しましたか!と聞いて、ようやく孫権は自分の計画がバレたと顔色を変えます。誰にそのようなことを聞いたのか、と逆に尋ねる始末。

2018-07-12 15:25:41
横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座172「甘露寺」18】 国老から聞かされました!と母親。ここで、喬国老がとりなすために場に入ってきます。母子で争うこともあるまい、もう国中の人びとが知っていることだ、とすでに結婚は既成事実化しています。自分もそのためにお喜び申し上げに来たと喬国老。

2018-07-12 15:27:43
横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座172「甘露寺」19】 このとき、余計なことを…、という目で見ていました孫権でしたが、これ以上隠してもしょうがないと思ったか、実はあの事は、すべて周瑜の謀略なのです、と種明かしをします。

2018-07-12 15:29:04
横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座172「甘露寺」20】 いま荊州を取ろうとすれば、またおびただしい軍費と兵力を使わねばならず、偽りの婚礼をもって玄徳を呼び入れ、殺せば、荊州は簡単に呉のものとなる…、と説明する孫権。しかし、母親は、なんという愚かな、とその計画をバッサリ否定します。

2018-07-12 15:31:04
横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座172「甘露寺」21】 周瑜は総大将でありながら、荊州を切り取るほどの知恵もないのか、自分の手柄のために主家の娘を囮にするというのか、と。さらに、玄徳を殺せば娘の一生はどうなるのか。嫁に行く前に若後家となり、それでどこに嫁にやるというのか。

2018-07-12 15:32:40
横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座172「甘露寺」22】 娘の一生は台無しになるだけではないのですか、と孫権らの娘に対する扱いの酷さを指摘する母親。年齢的に、弓腰姫は、この母にとっても末娘となりますが、かわいい娘の幸せを願う親心が言わせた言葉でしょう。

2018-07-12 15:36:05
横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座172「甘露寺」23】 孫権にしてみれば、この母に相談したところで反対されるに決まっている計画。結婚の話そのものも秘密にして、玄徳暗殺を遂行したいと思っていたかもしれませんが、孔明はそれを見越して、まず喬国老を尋ねるようにと指示したのかもしれません。

2018-07-12 15:38:26
横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座172「甘露寺」24】 喬国老も、この計画に反対だと言い始めます。婚礼にことよせ玄徳を殺したと聞こえては、天下を取っても民心は服さず、呉の歴史にも泥を塗るだけだと言います。国中にも知られてしまったこと、こうなれば婚礼をまとめるのがいいと言います。

2018-07-12 15:39:52
横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座172「甘露寺」25】 最初から、結婚をまとめる気はなかった孫権は、年が釣り合わぬとか言い始めますが、喬国老はすっかり玄徳の味方。劉皇叔は当世の英雄、かような婿を取っても、妹君の恥とはならぬと言います。

2018-07-12 15:41:27