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Vo収録時の適正レベルの話

「とーくばっく」ではマスタの収録レベルの話をたくさんしましたが、トラッキング時(パート収録時)の適正レベルは?を尋ねられましたので返答をまとめました
音楽 楽器
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David Shimamoto @gyokimae
まず、『一般的には「大きな音で録音したほうがいい」と考えられてる』点。日本ではこの考えが根強いものの、事実に反すると理解しています。ほぼ同じご質問がSOSの質問コーナーで回答されているのを見つけましたので、お返事に代え要約をご紹介します #peing #質問箱 peing.net/ja/qs/61469989
David Shimamoto @gyokimae
Q. How much headroom should I leave with 24-bit recording? 24ビットで録音するとき、ヘッドルームはどの程度確保すればいいの? soundonsound.com/sound-advice/q… 以下、概要が続きます。
David Shimamoto @gyokimae
録音時のレベルは、-18dBFS程度を0VUとして扱うのが基本となります。 つまり、DAW内にVUメータを立ち上げ、-18dBFSを基準値に設定したときにおおよそ0VU辺りを指すようなレベルを目指します。これが適正レベルとされる理由はいくつかあります。
David Shimamoto @gyokimae
まず最大の理由は100年近く前から業務用音響機器の多くがそうであるように、ADC/DACもまた+4dBuの信号を入出力する前提で設計されているため。コンバータのモデルにより若干差異はありますが、いずれも対向するアナログ機器の規定レベルである+4dBuを送受する際-18dBFS平均程度を指します
David Shimamoto @gyokimae
そうなると、ご質問の「①大きな音で録音したほうがSN比が高い」に反して損することにならないか?と疑問に思われるかもしれません。これも同ページで説明されています。
David Shimamoto @gyokimae
いわく、ソフトシンセなどはともかく、アナログ機器(ご質問の文脈におけるマイクプリやVo用Chストリップなど含む)から信号を録音する場合、対向する機器のフロアノイズがどれだけ低くても、コンバータのフロアノイズよりは圧倒的に高いので-18dBFS平均程度より上を狙ってもフロアノイズは変わりません
David Shimamoto @gyokimae
このメソッドに従うと録音中にピークメータを血眼になって監視する必要から解放されますので、Vo録音時にディレクターも兼ねるような作業をするときは、大幅な負担軽減となり演奏の評価に集中できるというメリットもあります
David Shimamoto @gyokimae
「とーくばっく」でK-Systemなどをの説明を通じて、ピークメータを見なくて済む編集環境のつくりかたを紹介しました。実はミックスに限らず録音時も同様のことが推奨されている、といえます。
David Shimamoto @gyokimae
というか、テープ時代には伝統的にはそうされてきたのが、デジタル録音機の登場とともに流布した「フルビットを狙わなければならない」という誤解が、近年ようやく解消されてきているのが実情かと思います。ピークは無視してき機器間接続の標準である+4dBuに従う、というスタンスへの先祖返り…ですね
David Shimamoto @gyokimae
さて、ここまでの説明ではまだ不安が残るかもしれませんのでもういくつか事例をご紹介します。申し訳ないことにソースは失念してしまいましたが、そもそも業務用コンバータの多くは+4dBuメソッド以外の使われ方を想定した設計になっておらず、Max付近ほど歪みが増すという話を聞いたことがあります
David Shimamoto @gyokimae
マスタリング用とされるADCの中には、リミッタなどを内蔵し積極的にドライブすることによる色付けを推奨するものもありますが(Apogee, DangerousMusicなど)、これはトラッキング(パート単位の収録)に使用するコンバータや作法とは分けて考える必要があります。
David Shimamoto @gyokimae
もしそれなりのクラスのコンバータをお使いでしたら、設計上の適正レベルをメーカに尋ねるのも有効かもしれません。業務クラスの機器を扱うメーカでしたらきちんと返答してくださるでしょうし、大抵は先のような説明が返ってくるのではないかと想像します。
David Shimamoto @gyokimae
もうひとつ、このメソッドが信用に足る根拠として、Rec/Mixに関する教則ビデオの定額見放題サイトpuremixにおいても、この考え方が(ここでは割愛したもういくつかの理由とともに)基本として紹介されていることを挙げておきます。
David Shimamoto @gyokimae
puremixの公式見解ということは、このサイトのビデオに登場するそうそうたるエンジニアやアーティストの界隈においても、お墨付きを得たメソッドであると言えるでしょう。(未見でしたらトップページだけでもご覧ください) 野良Tipsよりは十二分に信用に足るものと個人的には考えます。
David Shimamoto @gyokimae
最後に、私自身はどうしているかというともう長らくVU/RMSメータはVoxengo SPANしか使っておりませんので、ボーカル録音の際もやはりこれのK-20設定で0~+4程度を中心に振るようにして録音しています。 長くなりましたが、以上です。 あ、あと「へ」ッドルームです。

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