編集部イチオシ

見守り、驚くだけ

子育ても、部下の育成法も、原則は「見守り、驚く」だけ。それだけで人間は自発的に動きだし、学び出す。
66
shinshinohara @ShinShinohara

本を2冊書いてみると、「あれも書いておきたかった、これも書いておくべきだった」。特に2冊目の子育て本は、教育にもともと関心が強いため、そうした感が強い。でもだからこそ、編集者の方のアドバイスに従って方針を明確にしないと、本としてまとめられなかった。 amazon.co.jp/%E5%AD%90%E3%8…

2018-07-22 05:33:11
shinshinohara @ShinShinohara

子育てにおいて非常に大きな誤解がある。子どもはほっといたら学ぼうとしない、どこまでもサボろうとする、という認識。これは明らかに間違い。子どもは、というより人間は学ぶのが大好きで、学べるのなら飽かず学ぼうとする生き物。それを邪魔しさえしなければ。

2018-07-22 05:35:39
shinshinohara @ShinShinohara

学習意欲を奪う最大の理由は「先回り」。 「宿題やったの?」「やろうと思っていたのに!今のでやる気なくした!」「ウソばっかり!ほっといたら何もしなくせに!」 世の中で溢れ返っているであろうこの親子でのやりとり。しかしこの構造(先回り構造)こそが、学習意欲を奪う最大の要因でもある。

2018-07-22 05:39:07
shinshinohara @ShinShinohara

子ども(人間)は本来、学習意欲のカタマリ。ほっといたって学ぼうとする生き物。それは赤ん坊をみればすぐわかる。寝転んでいるだけだった赤ん坊がいつしか寝返りをうち、ハイハイするようになり、つかまり立ちし、立ち上がり、歩くようになる。誰も歩けと言わないのに。

2018-07-22 05:42:33
shinshinohara @ShinShinohara

子どもは、「できない」を「できる」に変えることが、単純に楽しい。しかもその様子を、親が横で驚いてくれたらとても張り切る。「あ、いま、寝返りうったよ!」「立った!立った!」「うわー!歩いた!」自分がなにかひとつできるようになると、親は手放しで喜ぶ。これが学習意欲をドライブする。

2018-07-22 05:45:48
shinshinohara @ShinShinohara

しかし子どもが、言葉が通じるようになり、学校に通うようになると、親の向き合い方が一変する。先回りし始めるのだ。「それはこうした方がいいよ」「もうあれはやったの?」親からしたら、親切心。親心。しかしそれこそが子どもの学習意欲を奪ってしまう。「自分でやりたかったのに!」

2018-07-22 05:48:44
shinshinohara @ShinShinohara

親が「教える」と、子どもは学習意欲を大きく損なってしまう。なぜか。推理小説で、犯人とトリックを読む前から種明かしされるようなものだから。映画を観る前にクライマックスを教えられてしまうようなものだから。そんなことをしたら、普通、怒るだろう。これを多くの親がやってしまう。親切心で。

2018-07-22 05:51:30
shinshinohara @ShinShinohara

もう一度、思い出そう。あなたは赤ん坊に寝返りの打ち方を教えたろうか?這い方を教えたろうか?立ち方を教えたろうか?歩き方を教えたろうか?教えなくても子どもはそれらを達成したはずだ。なぜか?言葉が通じなかったから、あなたは教えられなかったのだ。ただ、驚くだけ。

2018-07-22 05:53:56
shinshinohara @ShinShinohara

子どもは体をモゾモゾ動かし、その結果がどうなるかを体感し、観察することで、「あ、こうすればこうなるのか」ということを発見していく。試行錯誤し、発見することが楽しいようにできている。その横で親が「わ!できた!」と驚くと、もっと驚かせてやろうとハッスルする。

2018-07-22 05:57:24
shinshinohara @ShinShinohara

赤ん坊の頃の接し方を、そのままずっと続ければよいのだと思う。子どもはほっといたって学ぶ。親は変に教えようとせず、子どもが試行錯誤し、発見し、「できない」を「できる」に変えていく様を、ただ驚き、喜んでいればいい。そうすれば、赤ん坊の頃からの学習意欲を損なわずに済む。

2018-07-22 05:59:32
shinshinohara @ShinShinohara

私は上司本も書いているが、実は同じことを述べている。親が赤ん坊に対し、何も教えず、ただ見守り、できたことがあったら驚く、その姿勢を上司が部下に対して持つことができれば、部下は自発的に考え、動くようになる、ということを書いた。 amazon.co.jp/%E8%87%AA%E5%8…

2018-07-22 06:02:34
shinshinohara @ShinShinohara

多くの母親が赤ん坊に接する姿勢、つまり、特に教えようともせず、ただひたすら見守り、できたことがあったら驚く。それだけで、人間は自主的自発的に動きだし、勝手に学ぼうとする。それを2冊の本で、訴えたかった。だって、これができただけで、人生、結構楽しいから。

2018-07-22 06:04:37
shinshinohara @ShinShinohara

テレビで、知らなかったことを知ったら、人に教えたくなるだろう。そのくらい、人間は知識に飢えている。DIYで、下手くそなりに椅子や棚を作ると、「次は何を作ろう」と考える。「できない」を「できる」に、「知らない」を「知る」に変えることは、それだけ楽しいこと。

2018-07-22 06:07:07
shinshinohara @ShinShinohara

「学ぶ」ということ、「できない」を「できる」に変えるということ。人生の最大の楽しみのひとつを、先回りすることで奪ってはならない。この楽しみは、人生をどんどん楽しいものにする力でもある。だから、変に手を出さずに、じっと見守り、できたことがあったら、驚いてあげてほしい。

2018-07-22 06:09:16
shinshinohara @ShinShinohara

それだけと言えば、それだけのこと。ただ、人間は教えたがる生き物でもある。それは、大人になっても「私、それ知ってるよ。すごいでしょ!」という、子どもっぽい心理を、いつまでも失わないから。しかしそれを我が子にやってしまうと、子どもの学習意欲を奪ってしまう。

2018-07-22 06:10:56
shinshinohara @ShinShinohara

親になったら、指導者になったら、上司になったら、「ボクそれできるよ!スゴいでしょ!」という、人に驚いてほしいという心理をグッと抑え、それは子供に譲る、という気構えをもってほしい。その心理こそが、先回りして教えてしまう大きな原因だからだ。

2018-07-22 06:13:02
shinshinohara @ShinShinohara

そう、大人になっても「驚いてほしい」のだ。いつしかそれを知るようになったことを。それができるようになったことを。そしてついつい、我が子に対しても「ボク、それ、できるよ!スゴいでしょ!」という幼児めいた示威行為をやってしまう。それが「先回り」してしまう原因。

2018-07-22 06:15:34
shinshinohara @ShinShinohara

見守り、驚くだけ、というのは、簡単なようで実に難しい。人間はそのくらい、教えたがり。でも、教えたがるという心理も、実は「ボクもうできるよ!スゴいでしょ!」と、誰かに驚いてほしいという、人間がどうしても失えない衝動が原因。ならば、子どもにもあるその衝動を生かすべき。

2018-07-22 06:17:32
shinshinohara @ShinShinohara

自分は親となり、指導者となり、上司となたのなら、見守り、驚くだけの役回りになったのだと腹を据える。それを、子育て本でも、上司本でも書いただけ。そして意外と簡単なようで、自分の中の衝動を抑えるのが厄介なので、その衝動の押さえ方に重点をおいて書いた。

2018-07-22 06:19:29
shinshinohara @ShinShinohara

子どもがほっといても学ぼうとするのを、邪魔しないようにすること。邪魔する存在にはならないようにすること。それにさえ気がつけば、子どもは学ぶ意欲を失わない。だって、楽しいから。死ぬまで続けられるこの楽しみを、損なわずに済むから。だから、大切にしてほしい。

2018-07-22 06:21:08
shinshinohara @ShinShinohara

そのためにも、自分を強い人間だと思わないこと。自分の弱さを認めて、弱い自分でもできる方法を模索すること。試行錯誤を繰り返し、「これなら自分でもできるかも」という方法を見つけていく。自分の弱さを知る人は、子どもにどう接すればよいか、見当がつくから。

2018-07-22 06:37:11