個人的な黒田総裁一期目の金融政策評価
- yasudayasu_t
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mof.go.jp/jgbs/topics/bo… mof.go.jp/jgbs/topics/bo… BEI(旧系列)は算出開始以来長らく1%で頭打ちし、安倍の首相就任による金融緩和予想の前には0.75%程度で半年以上横這っていた。それが2%目前まで上昇し、グラフで新系列のBEIに切り替わる時点でも1.5%を超えている。
2018-07-22 19:24:12新系列に切り替わった後も、消費税後に増税インフレ分が剥げて急落することなく上昇を続け、半年程度で1%ポイント弱上がった。アベノミクス開始から2014年6月頃までに1.5%ポイントほど上がったと言える。
2018-07-22 19:24:32期待ではなく実現したインフレ率も、反応の早い円安も手伝ってアベノミクス開始前後のマイナスから、2014年6月には3.6%となっている(そのうち消費税による押し上げは2%)。まずこの一年半の経緯だけからして、インタゲ設定下での量的緩和で期待インフレを上げるとの政策は明白な効果があったと言える。
2018-07-22 19:25:02この頃までは期待と実現が噛み合った上昇を見せていたが、この後の原油価格の急落で、今度は期待と実現が噛み合って下落となった。
2018-07-22 19:25:19しかも悪いことに消費増税の影響が効いてきて、駆け込みの反動減や(家計消費には含まれない)移転支出の増加ではとても説明できない消費の落ち込み・増加トレンドの低下という消費の軟調化が起き、これも実現インフレを下げて期待も抑制した。
2018-07-22 19:25:42これらに対して日銀は追加緩和を行い、一時的にBEIや円安を通じた実現インフレの下支えにはなったものの、期待に働きかける政策の弱点とでもいうか、少なくとも政府日銀が一体となって景気刺激に邁進するという予想は増税実行により失われてしまった。
2018-07-22 19:25:57特に、中銀の管轄外であるはずの税についての質疑に対し、うまくはぐらかした回答をせずに増税に乗り気な姿勢を見せてしまったのは黒田総裁のミスであろう。
2018-07-22 19:26:16増税の影響は雇用にも表れ、就業者の増加は12/12~14/03の月平均+72kから14/03~14/12で+27k、14/03~15/12は+24kへと鈍化した。マイナスにならなかったからといって、雇用が弱くならなかったわけではなく、今現在も就業者数の水準はもし鈍化していなかった場合よりも少ない状態が続いている。
2018-07-22 19:26:35異次元緩和というある種の社会実験中に、消費税増税をやるという拙速な財政改善策をとった結果、消費の停滞その他の悪影響が表れ、計画されていた2回目の増税は延期が続くようなグダグダな事態になっていった。
2018-07-22 19:27:12金融政策も、先述の期待形成の不安定化から期待を通じた経路が弱まったこともあり、直接的に金利を下げる方向のマイナス金利やYYCが導入されていったが、かえって金融緩和の限界という予想を強めてしまうなど、こちらもグダグダになってしまっている。
2018-07-22 19:27:28とはいえ消費税増税の影響も一巡し雇用や所得が堅調になってきている中で、次の増税までの時間も迫っている今、日銀は行動を取るべきだろう。そしてそれは期待経路を再度強くする対応をすべきだ。
2018-07-22 19:27:44一つ考えられるのは、現在だと曖昧な扱いになっているオーバーシュート型コミットを明確すること、にかこつけた物価水準目標の導入。個人的には(毎月勤労統計をもう少し精度を高めてもらった上で)名目総雇用者所得(1人当たり現金給与総額×雇用者数)の水準目標がいいが。
2018-07-22 19:28:00