依存症は「居場所欠乏症」

「居場所」を確保できていると依存症になりにくいと言われる。しかし現代の日本は、居場所欠乏症になりやすい社会となっている。
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shinshinohara @ShinShinohara

近頃思うこと。依存症とは、居場所欠乏症ではないか。何かに依存している間は、居場所がないことを忘れられる。居場所がないつらさを直視しないようにするために、必死になって何かの行為に耽溺するのが依存症ではないか。

2018-07-26 06:49:21
shinshinohara @ShinShinohara

ベトナム帰還兵は、戦場で覚えてしまったドラッグ中毒に苦しむケースが多かった。しかし、家族と良好な関係、社会的なつながりを形成できている人は、戦場で覚えたはずのドラッグをあっさり止めることができていたという。

2018-07-26 06:52:34
shinshinohara @ShinShinohara

マウスにドラッグを与える実験。檻に一匹ずつマウスを隔離し、ただの水とドラッグ入りの水を用意すると、食事もろくに取らずにドラッグ入りの水を飲み続けるようになったという。しかし、家族単位で檻に入れると、ドラッグ入りの水を忌避し、ただの水を好んだ。

2018-07-26 06:56:28
shinshinohara @ShinShinohara

依存症は、ドラッグだけではない。パチンコなどのギャンブル、ゲーム、ネット、様々なものにのめり込み、依存症となる可能性がある。そして、依存症はほぼ確実に「居場所欠乏症」でもある。

2018-07-26 06:59:15
shinshinohara @ShinShinohara

居場所はあるにはあっても居心地が悪い、いたたまれない気持ちがある時、依存症になりやすい。ここじゃないどこかに逃避したいとき、何かに依存して、当面をやり過ごそうとする。周辺とうまく馴染めていないと感じるとき、人は依存症を発症しやすい。

2018-07-26 07:02:06
shinshinohara @ShinShinohara

居場所とは、家族であったり、仕事であったり。自分が必要とされている、役に立っている、感謝されていると感じるとき、居場所があると感じられる。居場所があると思えると、心はかなり安定する。しかし居心地が悪くなると、精神的に不安定になる。

2018-07-26 07:05:32
shinshinohara @ShinShinohara

居場所というのは、なかなか難しい面がある。例えば思春期になると、いずれは家を出て独り立ちしなければならないと、子どもも自覚するようになる。そんなときは、家族の中に居場所が確保されていても不安定になりやすい。「私は外の世界に居場所をもてないのか?」と自責するからだ。

2018-07-26 07:08:54
shinshinohara @ShinShinohara

昔は家業を手伝うのが当たり前だとされていたから、家族の中に居場所があれば十分安心できた。しかしサラリーマン家庭が大半になった今、「外の世界につながりをもち、居場所を自ら創る」必要があると、子ども達も知っている。外に居場所を創る自信が持てないと、不安になる。

2018-07-26 07:13:00
shinshinohara @ShinShinohara

学校は、現代の子ども達にとって唯一の「外の世界」。ここで居場所形成に失敗すると、「自分はどこに行っても居場所を作れないのではないか」と、強烈な不安に襲われる。すっかり恐くなり、家から出られなくなる。これが引きこもりの大きな原因。

2018-07-26 07:17:03
shinshinohara @ShinShinohara

子ども達に、学校以外の空間を提供してやってほしい。昔は商店街があり、「学校行きたくないんやったらうちの仕事手伝いぃ」と言ってくれるおっちゃんおばちゃんがいた。居場所を提供してくれる外の世界が、いくつもあった。今は絶滅状態。

2018-07-26 07:20:15
shinshinohara @ShinShinohara

子育て本を書き上げたのに、なぜかフラストレーションが強かったのだが、それは「居場所」問題に一切言及できなかったことが原因だと気がついた。紙面が限られていたから仕方がないのだが、家族ができることに内容を限定するしかなかった。しかし。

2018-07-26 07:25:56
shinshinohara @ShinShinohara

「居場所欠乏症」問題は家族だけでは解決しようがない。子育て本では、学習意欲に関してはだいぶまとめられたが、居場所形成という、学習とは別物のテーマを扱えなかった。Q&A方式を提案したのは私だったが、これにより、話題を家庭教育に限定せざるを得なかった。今思えばちと残念。

2018-07-26 07:42:20
shinshinohara @ShinShinohara

結果論だが、「居場所欠乏症」への処方箋としては上司本の方が成功したかもしれない。部下の意欲を高め、貢献感を引き出す上司が増えれば、居場所はここだと思える人が増えるからだ。社会の懐が広く深くなり、居場所を確保できる人が増えることを切に願う。

2018-07-26 07:45:45