現代を村社会に生きる鉄道趣味界隈

高山直人(💉×4)(魔法天使、軍事好き、車バイク鉄道&オタク&サブカル&左翼が死ぬ程超好き) @naobotaka_magi

周知のように最近の国民は趣味離れしている。 満員電車の乗車率が200％を越えていた20世紀の時代と比べなくても、たった10年昔の2000年代の資料と比べても、鉄道の文化的な輝きなど無くなっているように思える。

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今の日本人のほとんどが他人事だろう路面電車だって当時は古きよき遺産だった。昭和から平成前半にかけては車社会の発達時期だったが、当時の若者は今ほど車社会への迎合はしなかった。

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今とは違い10代は完全に子ども扱いされていた時代だったため、そもそも大人の領域と若者文化の領域は別世界だったのだ。

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そして鉄道趣味の斜陽化が起きだしたのが2010年代頃のこと。くしくも不景気の余韻の時代だったが、この頃から「鉄道が嫌い」「鉄道に金を落とす人が減った」「車、バイク、ゲーム好きが体感的に多くなった」と言われるようになった。

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かつてのオタク娯楽の王者だったJRを筆頭に各鉄道の娯楽的印象が芳しくなくなった。利益率も転落していった。つまり、その時鉄道で流行している話題がオタク世論のモノサシにならなくなってしまった。 中高年すらも鉄道以外のオタクが当たり前になった。長い不況や社会成熟の影響も大きい。

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客の数が減った鉄道は、人を選ばない列車の運行をやらなくなり、料金の高い列車が増えた。今、私鉄などのホームライナーだってもともとは速達通勤列車だった。

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今の日本は新自由主義で金持ちのいる社会が当たり前でこだわる人が多くなって変わってしまった。こうした日本の窮状としての利益第一路線に、日本の大衆が忖度するんだから、これほどおいしい話はない。

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また、鉄道業界は本業外収入の拡充にもシフトしている。なんだかんだで今もなお最も大きな都市企業であることの既存の地位を利用し、ある意味の財閥化が進んでいる。

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たとえば都市駅をビル化し、さらに駅中施設を作り、あちらこちらに似非デパートや高速バスという具合で、あらゆるターミナルを合体させる。そうすると、鉄道ユーザーが高速バスを使ったり、高速バスの客が駅中に足を運んだりするようになる。

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鉄道が鉄道で単体で成り立たないことが、鉄道を中心とした商業圏というものを形成し、ムラ社会的論理で伝播し、共鳴し合い、一つの文化圏が発生する。

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もちろん駅中も高速バスも1990年代と比べると成熟途上だが、だからこそ異なる業種同士が鉄道という大樹のもとに結集させられるのである。

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金が喉から手が出るほど欲しい自治体や国にとっては、このどうでもよさそうなインフラの財閥化こそが重要なのである。ハッキリ言って新自由主義について恩恵を実感している人が徐々に減少している時点で効果は最終的にはゼロだが、

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アメリカの人間がインドの田舎に行って、その集落で代々受け継がれている民俗行事について「こんなことに何の価値があるのか」と言っていても、

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村民にとってはそれがムラ社会の日々の暮らしの中に当たり前にあり価値の高いことであるのと同じで、鉄道共同体の市民は日本国規模でバーチャルなムラ社会を形成しているのである。

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ムラ社会とは、そのムラの中にいる村民で、外を知らず、一生ほぼ買い出しやたまの遊び以外にはムラの生活圏から出ない人出ないと成り立たないものだが、そのムラ社会当事者からすれば、それが自分の常識であり、世界の常識と信じてやまないものである。

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2018年にもなって高級列車やサブカル列車を「寝台特急や長距離列車が面白かった1980～1990年代の日本人」のごとく楽しみ、最大の娯楽で、生活のひな型にさえなっている人たちは、それ以外の娯楽源がない。

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つまり社会運動やデジタル娯楽が起き、全世界的傾向としてリベラル世論やサブカル文化の高まりがあるということを知らない。 運転免許やパスポートを持っていない。テレビ番組を観れないし任天堂やXboxやPS4を遊べないしそもそも何のことだかわからない。

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田舎の若者なのに20世紀の都会の鉄道の輝きを知っていて、都会の働き盛りの中高年なのに地方の新幹線やローカル線のマナーを知っているが、多メディア環境のなさやとりわけデジタル文化に関する無関心があまりにもひどい。

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漫画やラノベといえば20世紀製の作品か外国産のそれしか知らない。こういう人たちは、外国人でも一定数入るが、日本では多数派なのである。

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こうしたものを破壊する動きとして私は意識高い系と二輪・自転車趣味の現象に私は注目している。 彼らは欧米先進国のような外国におけるエリート・一般大衆世代のメディアとリアルを連動した文化運動の仕組みをそのまま日本に持ち込んで再現した。

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二輪・自転車趣味の日本の古典的固定概念(不良や貧乏人の娯楽という概念など)に縛られないスタイルやクイズ系意識高い系文化(旧帝国大学系列の例のサークルとか)も洗練されている。国柄にしばられないグローバルネイティブ世代らしい。

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そして何より日本の鉄道趣味村の論理回路や感覚とは根本的に異なり、大幅に乖離している。これが日本人に受けている。体制迎合を伴い流行が出来るカルチャーとは違い、草の根からのボトムアップであり、徐々に世間に浸透され、最終的にSNSやテレビでの市民権を勝ち取った。

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その間日本の大衆は彼らの存在について語ることはほとんどなかったが、それが日本のサブカル社会が示す「日本的共同体に推奨される今のオタク文化」の虚偽性をより印象付けることにもつながった。