【英霊剣豪201x番勝負】 第十二節

こいつらを忘れちゃいけねえ。 11:https://togetter.com/li/1250914 エピローグ:https://togetter.com/li/1253845
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劉度 @arther456

CD2 15 鏖殺を斬る ~英霊剣豪七番勝負~ Fate/Grand Order OST 2 youtu.be/Olv5lgqiKlQ @YouTubeさんから

2018-07-29 20:59:00
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劉度 @arther456

(これからSSを投下します。TLに長文が投下されますので、気になる方はリムーブ・ミュートなどお気軽にどうぞ。感想・実況などは #ryudo_ss をお使いいただけると助かります。忙しい方は後ほど投稿されるtogetterまとめ版をどうぞ。それでは暫くの間、お付き合い下さい)

2018-07-29 21:01:00
劉度 @arther456

第十二節『英霊剣豪201x番勝負』

2018-07-29 21:02:00
劉度 @arther456

【FGO】『 ぐだぐだ帝都聖杯奇譚 - Grand Battle - 』【BGM】 youtu.be/zodSJ23fg3s @YouTubeさんから

2018-07-29 21:03:00
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劉度 @arther456

甲板上の空気が張り詰めている。相対するのは2人の剣士。上泉信綱とフツヌシ。人理に剣を刻む生きた伝説と、剣という概念を作り出した神話。余人に、いや、剣聖にすら入り込める余地はない。固唾を呑んで見守るばかりだ。そして、信綱が動いた。流水のように静かに、素早く間合いに踏み込む。1

2018-07-29 21:04:00
劉度 @arther456

信綱が袈裟懸けに振り下ろした刀を、フツヌシは両手の刀で受け止めた。その衝撃がフツヌシの腕に伝わる前に、信綱は横に回り込み、胴を狙う。巨大刀が斬撃を防ぐ。更に回り込み、背中へ。それを追ったフツヌシは、振り返りながら回し蹴りを放つ!信綱は連撃を止め、後ろに跳んだ。2

2018-07-29 21:06:00
劉度 @arther456

次はフツヌシが信綱に迫った。上と右からの巨大刀。更にフツヌシ自身も足払いと突きを繰り出す。斬撃に囲まれた信綱は、後ろへ跳ぶしかない。そこへフツヌシが飛び込んだ!跳躍中であれば、それ以上の回避は不可能!「――ッ!?」だがフツヌシは、床を蹴って強引に軌道を変え、信綱から離れた。3

2018-07-29 21:09:00
劉度 @arther456

フツヌシは肩を浅く斬られていた。フツヌシの踏み込みに合わせ、信綱は反撃の一閃を放っていた。立ち上がったフツヌシは、刀を構えて慎重に間合いをはかる。信綱は刀を下段に構えている。その姿が、忽然と掻き消えた。首。直感に任せ、フツヌシは刀で首を守った。直後、斬撃がそこを襲った。4

2018-07-29 23:03:22
劉度 @arther456

背後に気配。振り返る。目の前に信綱。立て続けに振るわれた刀を、フツヌシは両手の刀で受け流す。苦し紛れに巨大刀を振り下ろすが、信綱は僅かに横に動いただけで避ける。ならば、と剣を横に振るえば、信綱はそれを飛び越え、巨大刀の峰の上に降り立った。「何ィッ!?」5

2018-07-29 21:12:00
劉度 @arther456

人が立つには細すぎるはずの峰の上で、信綱はバランスを取り、フツヌシの頭に刀を振り下ろす。「ッ、オオオッ!」辛うじてこれを防いだフツヌシは、巨大刀を振って信綱を上空に打ち上げた。戦艦の機銃が動き、信綱へ銃撃を見舞う。信綱は襲いかかる銃弾を、ことごとく切り払う。6

2018-07-29 21:15:02
劉度 @arther456

フツヌシは驚かない。彼女とて、この程度で信綱を倒せるとは思っていない。これはあくまでも牽制、本命はフツヌシ自身が放つ砲弾だ。背負った巨獣の肩が展開し、戦艦砲が姿を現す。例え砲弾を切り払えたとしても、爆風が信綱を焼く。避ける術はないはずだ。7

2018-07-29 21:18:00
劉度 @arther456

「沈めっ!」砲弾が放たれた。それに対し、空中の信綱は刀を振り下ろす。そして、砲弾が炸裂、大爆発を起こした。燃え尽きたか、フツヌシがそう思った直後、衝撃が彼女の体を襲った。「――ッ!?」着物の袖が切り裂かれる。斬撃。彼女の肌を切り裂くほどではないが、一体どこから?8

2018-07-29 21:21:00
劉度 @arther456

空中の爆炎を見上げる。円形に広がるはずの炎は中心で分断され、2つの半円になっていた。そこから甲板に着地したのは、スーツを煤けさせた信綱だ。身体は全くの無傷である。フツヌシは不意に悟った。先程、彼女を襲った斬撃。あれは、信綱が放った"飛ぶ斬撃"、真空波だ。9

2018-07-29 21:21:01
劉度 @arther456

まず、真空波で砲弾を切り裂き、爆発させる。返す刀で、今度は空気ごと爆炎を切り裂く。それならば、信綱が無傷であることには説明がつく。だが、別の疑問が浮かぶ。「貴様、今まで一体、何と戦ってきた?」この戦国武将は、戦国時代に存在しない、炸裂弾の仕組みと威力を知っている。10

2018-07-29 21:24:00
劉度 @arther456

「――異世界の、あらゆる者と」信綱は、今まで出会った相手を思い出す。武芸者、山賊、陰陽師、忍者、妖怪、超人、魔王、内閣総理大臣、宇宙人、プレデター、三国武将、特産物、OMIKATA。その中には当然、戦艦も含まれている。異世界を漂流した経験は、今も信綱の中で息づいている。11

2018-07-29 21:27:00
劉度 @arther456

「異世界……そうか、なるほど」フツヌシは一瞬だけ、カルデアの武蔵に目を向けた。「信じるのか?」「聞いたことがあるからな。むしろ――」フツヌシは刀を構え直した。「放浪者の剣、ぜひとも見たい」「ならば、心ゆくまでご覧に入れよう」信綱が刀を振り下ろした。真空波がフツヌシを襲う!12

2018-07-29 21:30:03
劉度 @arther456

「ふんっ!」フツヌシは刀で真空波を防ぐ。その間に信綱は接近し、フツヌシの喉へ突きを繰り出す!フツヌシは身を捩らせ回避!だが信綱は刀を返し、フツヌシの首に刃を押し当てた。「ッ!」頸動脈を引き切るはずだった動きは、しかし、フツヌシが刀を押し上げて引き剥がした。13

2018-07-29 21:33:00
劉度 @arther456

「オオオッ!」そのまま刀を振りかぶり、振り下ろそうとする。しかし、信綱は左手で掌底を繰り出し、フツヌシの手首を弾き返した。右手には刀。脇腹を守る。だが、一瞬遅い!「うぐっ!」左脇腹が斬られた。遅れて、両手の刀を振るうが、既に信綱は間合いの外に逃れている。14

2018-07-29 21:36:00
劉度 @arther456

フツヌシは信綱に飛びかかる。自身の刀はあまり使わず、背中の巨獣の刀を中心にして攻め立てる。信綱は着実に避けていくが、間合いが遠く、反撃ができない。信綱は牽制の真空波を放ったが、フツヌシは油断なくこれを防いだ。そう簡単に踏み込めはしない。15

2018-07-29 21:39:00
劉度 @arther456

避け続ければ、やがて信綱の体力は尽きる。当然、その前に信綱が仕掛けてくるだろう。その瞬間に決着をつける。信綱はまだ避け続ける。その額には汗が浮かんでいる。まだか。まだ動かないのか。僅かな動作も見逃すまいと、フツヌシは信綱に注目する。そして、切っ先が動いた。16

2018-07-29 21:42:01
劉度 @arther456

次の瞬間、フツヌシの刀が信綱の刀を弾いた。「そこだぁっ!」僅かに開いた信綱の構えに、突きをねじ込む!避けさせはしない、繰り出せる限り最速の突きを、喉へ――。「何ィッ!?」届く寸前、刀がフツヌシの手を離れ、宙に舞った。17

2018-07-29 21:45:01
劉度 @arther456

信綱は弾かれた剣を戻しながら、フツヌシの刀の周りを滑らせた。巻き上げ。梃子の原理で相手の刀を弾き飛ばす技だ。剣の神であるフツヌシだが、握った剣を弾き飛ばされるという剣術は、想像したこともなかった。信綱は、流れるような動きで、剣を袈裟懸けに振り下ろした。18

2018-07-29 21:48:01
劉度 @arther456

「ぬうっ……!?」今度は、信綱が驚愕する番だった。振り下ろした刃に、フツヌシは空いた左手を掲げた。当然、腕は肘まで切り裂かれる。「――ガアッ!」そこでフツヌシは、腕を強引に曲げた。斬られた腕で刃を挟み込み、信綱の手から強引に刀を取り上げる!19

2018-07-29 21:51:00
劉度 @arther456

無手となった信綱に、フツヌシの剣と巨大刀、三刀による同時斬撃が襲いかかる!「とったぞ!」獣の口が閉じるように、3つの斬撃が信綱を襲う!信綱は、前に踏み込んだ。そこは、巨大刀の間合いの内側だ。しかし、フツヌシ自身が持つ刀が待ち構えている。20

2018-07-29 21:54:00