【とんだとばっちりである】友人の葬式の後、赤ん坊の魂が抜かれてしまった話　#夏だしフォロワーさんの怖い話教えてください

木俣真弥 @real_marnya

#夏だしフォロワーさんの怖い話教えてください 私の母は写真好きだった。 ３枚に１枚の割合で心霊写真になっていたが、当時はカメラも古かった事だしフィルムの不具合とかなんだろう、と思いながら定期的に整理していた時の事。 「あら、この人」

木俣真弥 @real_marnya

ひょいと母が取り上げた写真には、今よりも若い母と数名の女性が写っていた。 一人は白いベッドに座った姿勢で、病院のお見舞いに行って撮ったのだろうというのがわかった。 「その人が何？」 「懐かしいわねぇ、このしばらく後に亡くなったのよ」 「そういえば、この人のお葬式の後に」

木俣真弥 @real_marnya

母のこの手の話は話し半分に聞いていたが、このときはちょっと違った。 「あんた、魂抜かれたのよね」 多分だけどね、と笑う母に混乱しつつもどういうことなのか聞いた。

木俣真弥 @real_marnya

なんでもお葬式の後家に着くと、玄関の前にお地蔵さんがいたそうだ。 お辞儀をするように揺れるそれを気味悪く思いながらも、母は乳児の私を背負ったままその横をすり抜け、家に入ろうとした。 ところが、お地蔵さんの横を通り抜けた瞬間、スッと背中が軽くなったという。

木俣真弥 @real_marnya

「子ども(私)を落とした！？」と、母は慌てて振り返るがそんなことはなく、おんぶ紐でしっかりと括られていることにほっとしつつ家に入ったものの。 その日から私は「泣かなくなった」という。 「お腹が空いたりおむつが濡れれば声は出したのよ。でも、『ふーあ、ふーあ』って言うだけでねえ」

木俣真弥 @real_marnya

様子がおかしいと小児科にも行ったそうだが、診察の結果は問題なし。 ただ、反応が妙に緩慢だとは言われ、大きい病院で脳を調べたりもしたそうだ。 結果、異常なしと言われたものの検査中も泣きも笑いもしない赤ん坊に医師達も首を傾げたらしい。

木俣真弥 @real_marnya

そんなもやもやとしたまま過ごしていた母の元に、一通の手紙が届く。 亡くなった人と共通の知り合いからだった。 手紙には、 「亡くなった彼女から預かっていたものがあるんだけど、渡せずに逝ってしまった。お墓に供えられるものじゃないから、彼女のご家族に届けてくれないか」とあった。

木俣真弥 @real_marnya

なぜ私に頼むのだろう。 自分で行けば良いのに。 母はそう思ったものの、とりあえず承諾すると連絡を入れると相手はあからさまにほっとしたようだった。 預りものの受け渡しの日を決め、ではその日に、と電話を切った時。 ふわりと母の周囲に白い煙が立ち上った(らしい)。

木俣真弥 @real_marnya

線香のけむりのようなそれはしばらく母の周囲を漂うと、すうっと二階へ流れていった。 と思った瞬間二階から、 「ふんぎゃああぁあ！！」 と、けたたましく泣き叫ぶ私の声が聞こえてきた。 何事かと階段を駆け上がれば、おむつをびっしょり濡らした私が怒りの形相で泣き叫んでいたらしい。

木俣真弥 @real_marnya

慌てておむつを変えながらも、母は安堵したという。 それまでとろとろと微睡んでは「うー、うー」と細く声を上げるだけだった私が元気よく泣いたのが嬉しかったそうだ。 「帰ってきた！って思ったわー」 と呑気に言う母だったが、月日が経って自分も子育てを経験してみて。

木俣真弥 @real_marnya

６ヶ月にも満たない赤ん坊が「泣かない」というのは異常なのではないかと改めて思った。 ただ、病院の診察で出なかったその異常が何なのかはわからないが。 母曰く、 「届け物が心残りだったんかねぇ。なんとか訴えたかったんだろえねぇ」

木俣真弥 @real_marnya

しみじみとしているが、それで本当に魂とやらを抜かれていたのだとしたら、とんだとばっちりである。 母も巻き込まれな上、文句を言うべきであろう人は既に亡くなっているのでどうしようもないが。 おわり。

木俣真弥 @real_marnya

母の心霊写真は ・顔や手が写り込む ・写ってるはずの身体の部位が消える ・オーブ ・撮った覚えのない写真がある(どこやねん？ってのがネガに混ざってる。前後は同日の山の写真なのにいきなり海、的な) 古いカメラやフィルムでは起こりうること…とはいえ最後の一つはおかしくね？と今でも思う🤔

木俣真弥 @real_marnya

そんなんなのに撮るのも撮られるのも大好きだった変な人です。 「たくさん撮るからそう事もあるわよね！」 ねぇよ( ・-・)