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伊藤耕介 @itokosk
琉球大学・名古屋大学・気象庁気象研究所・海洋研究開発機構による共同プレスリリース「2017 年台風第 21 号の航空機観測を用いた強度解析と予測実験」の結果について ⇒ プレスリリース文 itonwp.sci.u-ryukyu.ac.jp/tmp/20180728_p…
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【論文】航空機観測を用いた台風強度解析と予測に関する論文がSOLAから出版されました ⇒ jstage.jst.go.jp/article/sola/1…
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台風の気圧を直接観測 予測精度向上に期待 | 2018/7/28 - 共同通信 this.kiji.is/39559196775450…
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【日経新聞】【昨年の21号の航空機観測】台風、飛行機で直接観測 予測精度16%向上 nikkei.com/article/DGXMZO…
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【日刊工業新聞】【昨年の21号の航空機観測】琉球大など、航空機で台風観測 強度・進路予測向上nikkan.co.jp/articles/view/…
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NHKのニュースで流していただきました。 台風の「目」に入って観測 “効果確かめられた” | NHKニュース www3.nhk.or.jp/news/html/2018… プレスリリース全文→u-ryukyu.ac.jp/univ_info/anno… 基礎となる論文→jstage.jst.go.jp/article/sola/1…
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1.もろもろひと段落したので、今回の航空機観測論文について簡単に解説します。まず、大前提として、気象庁が発表している中心気圧や最大風速は、通常、「観測値」ではなく「衛星画像等に基づいた推定値」です。
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2.1987年までに米軍が行っていた航空機観測で強さがxxのときに、衛星画像がxxなパターンだったというのが大まかに分かっています。1987年以降、北西太平洋では航空機直接観測が無いので、現在は逆に「衛星画像がこうなっているから、台風の強さはこうだよね?」と推定しているわけです。
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3.これをドボラック法といいます。とはいえ、ドボラックにも限界があって、気象庁が根拠としている元論文(Kobaら1990)に当たると、衛星画像からカテゴリー分けをきっちりできたとしても、航空機による直接観測との差は平均で13hPaあるということが読み取れます。
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4.また、赤外画像を用いて行うスタンダードなドボラック法の場合、巻雲が上層にかかってしまう場合には、台風構造を上手く読み取れない可能性があります。陸に近くなると、別の台風強度推定手法も使えますが、洋上の台風に不確実性があると、その後の予報にも悪影響を及ぼします。
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5.今回は、ドロップゾンデを用いて中心に近い地点のデータを取ることができました。21日は3個のドロップゾンデが925hPa(気象庁確定値935hPa)に近い値を出しています。22日は10kmほど中心から離れていましたが930hPa(気象庁915hPa)といずれも差がありました。
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6.ドロップゾンデ(航空機から投下して飛行機に電波で情報を送る)の写真:実は、今回のプロジェクトは、日本初の航空機観測ということで、測器の開発から始まっています。予算や条件が限られる中、明星電気さんが日本初のドロップゾンデを見事に作ってくださいました。 pic.twitter.com/aWbrJuUH0O
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(今回の航空機観測には、明星電気の方も乗っておられました。ビビりな僕は単純に台風に航空機で突っ込むということにビビっていたのですが、明星電気さんは「これで本当に測れるのか?」という強いプレッシャーの中で搭乗されていたと思います)
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7.要は気象庁確定値では、21日から22日にかけて20hPa中心気圧が低下し、強まったとしていたのに対し、我々の観測はそれと逆のこと、すなわち、台風はむしろ若干弱まっていたか、ほとんど強さが変わらない状態だった、ということを表していました。
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8.気象庁を批判する意図はありません。台風の強度推定というのは非常に難しい問題であって、衛星を使って、最大限の努力をしても、不確実性を免れ得ない、ということだと考えています。
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9.さて、台風予報をはじめとする天気予報は、観測データを基に大気の状態推定を行い(データ同化という)、その結果をスーパーコンピュータに突っ込んで、将来のシミュレーションを行うということで、基本的には実施されます。
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10.今回のケースでは、航空機観測により、台風中心付近の大気の状態推定が、より正確になったわけですから、予報も正確になると期待できるわけです。
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11.その前に、航空機観測により得られたデータの分布を示しておきます。壁雲、眼の中、外側で多くのデータが取れていることが分かると思います。 pic.twitter.com/6KaYxnydcQ
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12.観測値と第一推定値(要は観測データが入る前の推定値)との差を示します。ドロップゾンデの軌跡上で、赤や青が濃いところは南北風が、観測値と第一推定値で大きくずれていることを表します。10m/sを超えるずれもかなりの地点で見受けられます。(協力:サイバネットシステム株式会社) pic.twitter.com/YEkqzrJcJB
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13.今回は、データ同化サイクルを回して、2017/10/21 15:00(日本時間)から10/23 00:00までの大気の状態推定を3時間おきに12回実施しました。そして、そこから再予測実験を少し古いバージョンの気象庁システムを基に行いました。
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14.ちなみに実験の比較としては、本プロジェクトT-PARCIIのデータのインパクトに焦点を当てるため、このデータがある場合とない場合で比較を行いました。ちなみに21日の夜には台湾のDOTSTARという台風周辺を飛ぶ航空機観測も実施されていますが、これは両方の実験に同化しました。 pic.twitter.com/5qZgK90NbU
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15.再予測実験の平均として、進路予測の誤差は最大で16%減少しました。つまり、進路予測がより正確に出せることが明らかとなりました。予測誤差がゼロになるわけではないですが、この結果は30時間先の予測に関して統計的に有意です。ただ、まだサンプル数が少ないので結果はばらつきます。 pic.twitter.com/W1WNsbmzIG
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16.続いて降水予測のスレットスコアについてです。スレットスコアとは、的中(予測でも実際にも降った)、見逃し(実際の降水を予測できなかった)、空振り(予測した雨が実際には降らなかった)のうち、的中が占める割合を表すものです。
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17.スレットスコアを3時間で30mm以上となる降水について調べた結果、T-PARCIIデータの追加によって、スレットスコアが上昇、すなわち、強い降水の予測精度が高くなるということが分かりました。 pic.twitter.com/2GgqBcAVhk
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18.このように、台風の航空機観測によって、台風の強さがより正確に分かるようになり、また、進路や降水の予測も正確に出せるようになりそうだということが分かったというのが、今回の論文・プレスリリースのポイントです。
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コメント

なえぴゃん @naepyan 2018年8月3日
伊藤先生@itokosk ありがとうございますドロップゾンデに興味があったのでとても勉強になります
Ling-mu @Ling_mu 2018年8月3日
言われてみれば洋上にある時の中心付近の気圧なんて測れてないもんなぁ。 実測値なのか推測値なのかは明示して欲しい気もするけど。
F414-GE-400 @F414_GE_400 2018年8月3日
「第4エンジンに愛着はないな?」(真面目なまとめにネタ書いてすまん)
伊藤耕介 @itokosk 2018年8月3日
ちなみに21日のフライトパスはこちらにおいてあります。 ⇒ https://twitter.com/itokosk/status/1025159095760764928
sillysalf @sillysalf 2018年8月3日
ヤバい地味に面白い 時間あるときに読み直そう
宝条みちる @hojyo_michiru 2018年8月4日
ストームライダーの世界が近づいているんだな……
FFR31 @FFR31 2018年8月6日
地震の元を踏みつぶせ 台風の目に体当たり
みま⛰🏕 @mimarisu 2018年8月8日
昔映画館でみたツイスターみたいな事やってるんだなぁ
Leclerc @3adam15 2018年8月11日
「新宿!新宿御苑!」
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