2018年8月3日

茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第2096回「学力テストは地頭の結果であって、目的とではない」

まとめました。
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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート第2096回をお届けします。文章はその場で即興で書いています。本日は、「学力テスト」について。

2018-08-03 05:32:39
茂木健一郎 @kenichiromogi

学力テストはあっても良いものと思うが、その運用や解釈はうまくやらなくてはならない。特に、そのスコアを地域や学校で比較して、スコアの向上を目指すという政策をとると、テスト対策に特化した授業が増えるなど、弊害があることが、各国の事例でよく知られている。M. Gladwellの本にもあった。

2018-08-03 05:34:12
茂木健一郎 @kenichiromogi

学力テストのスコアに対するアプローチを整理するには、「学力」を「地頭」と「テスト学力」の二段階に分けるのが有効である。「地頭」が良くなれば、結果としてテスト学力も向上する。一方、自頭を十分に鍛えなくても、表面的なテスト対策をすれば、テスト学力は見かけ上向上する。

2018-08-03 05:35:35
茂木健一郎 @kenichiromogi

いわゆる有名大学に多くの合格者を出している進学校では、意外なほど技術的な受験対策をしていないということは良く知られた事実である。これらの学校では、「地頭」の錬成に時間を費やしている。その結果として、「テスト学力」も向上する。テスト学力向上は結果であって目標ではない。

2018-08-03 05:37:18
茂木健一郎 @kenichiromogi

一方、大学進学実績を上げるために、一貫して受験対策のような授業をしたり、テストを常に課すというような教育方針をとっている学校では、生徒たちが疲弊して、地頭が伸びず、結果として大学進学実績が上がらないという「パラドックス」もしばしば観察されている。

2018-08-03 05:38:37
茂木健一郎 @kenichiromogi

アメリカでのデータでは、ホームスクーリングや、アクティヴ・ラーニングなどの先端的な学習をした子どもたちが、結果として標準的なテストの成績も良くなる傾向があることが示唆されている。ここでも、テスト学力の向上は、地頭の良さの結果であって、直接それが目指されているのではない。

2018-08-03 05:39:52
茂木健一郎 @kenichiromogi

批判的思考力や、システム思考、イノベーションに向けたプロジェクト型学習が必要とされる時代においては、標準的なテストのスコアの持つ意味は相対的に低下している。むしろ、自分で学び、調べ、構築するという意味での「地頭」の良さが求められる時代である。

2018-08-03 05:41:25
茂木健一郎 @kenichiromogi

本来、このような意味での「地頭」の良さは、個別、プロジェクト依存、オープンエンドであるため、標準的なテストで計測することになじまない。だから、「地頭」の良さは、本来、個々の事例において、総合的に判断、評価されるしかない。

2018-08-03 05:42:36
茂木健一郎 @kenichiromogi

大学入試などで、標準的なテストのスコアが参照されることが全くなくなるかと言えば、それも現実的ではないだろう。従って、過渡期的な方針として、テスト学力自体の向上を目的とせず、アクティヴラーニングなどを通して地頭を良くし、結果としてテスト学力も向上するというプロセスが最適である。

2018-08-03 05:44:05
茂木健一郎 @kenichiromogi

本をたくさん読んで、教養を身に着け、結果として漢字テストのスコアも向上するというケースが、「地頭」から「テスト学力」への波及効果の事例である。一方、本を読むことなく漢字テストの対策ばかりするのが、地頭の向上なしでテスト学力だけを表面的に改善するアプローチである。

2018-08-03 05:45:41
茂木健一郎 @kenichiromogi

学力テストのスコアだけを参照して教育プロセスを改善しようとすると、結果として時間と手間のかかる地頭の向上なしで、表面的なテスト対策をするということになりかねない。それでは、これからの時代に適応できる子どもたちは育たない。学力テストのスコアはあくまで結果であり、目的ではない。

2018-08-03 05:47:26
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート第2096回「学力テストは地頭の結果であって、目的とではない」をテーマに、10のツイートをお届けしました。

2018-08-03 05:49:05

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