常日頃から「女性の医師は歓迎で働きやすくする」と宣言していた小児科医がなぜ「男性医師の比率維持は必要悪」と言い出したのか?――背後にある一貫性
@kyslog @KayokoShioda @KeikoUTorii WHOやUNの文書を読んでいると,昔は区分が曖昧な場合も多かったのですが,最近は明確にequalityでなくequityが重要と書かれているものがほとんどです。日本語には悪平等という言葉はありますが悪公平という言葉がないことを考えても,文化的に建前として重視されているのは平等性と思います。
2018-08-04 12:50:49@kyslog @MinatoNakazawa @KeikoUTorii ご指摘頂きありがとうございます!日本語訳が間違っていました。申し訳ございません。日本人は下の図の左側には厳しくこだわるけど、右側には関心があまりない、と言いたかったです。(culturalorganizing.org/the-problem-wi…) 混乱を招いてしまい大変申し訳ございませんでした。 pic.twitter.com/4szA5SAWBk
2018-08-04 12:51:37@MinatoNakazawa @kyslog @KeikoUTorii おっしゃる通りだと思います。アメリカの公衆衛生大学院ではequalityとequityの違いについてしっかり指導され、equityを達成することの重要さを教わりました。文化の差を強く感じます。
2018-08-04 12:57:25中澤先生とshioda先生と話していてequityの在り方についてちょっと考えるところがあったので、少しメモっていく。まず、次RTは半年前に津川友介先生から回ってきたもので、これは医師の男女間equityについて真心から考えたものだともう。
2018-08-04 17:41:05当科の女医が妊娠して産休育休を取っても、辞めてとか迷惑とか思わない。それは我々中堅以上の男性医師は常に意思統一してる。育休明けの日勤中は重症の子の主治医してもらうし我々と同じ労働を求める。定時過ぎたら申送してスパッと帰る。この体制のお陰で全国から女医の応募が断ってるくらい多い
2018-01-14 10:41:43ただ、私はこのツイートが回ってきたときに背後に何か不穏なものを感じて、まずその時はこのような言葉で返させてもらった。ただ今は、equityの概念を使ってより明瞭に説明できる。 twitter.com/kyslog/status/…
2018-08-04 17:43:28男の医師も積極的に育休取ろうという職場ならご立派。女性医師の分を男性がカバーしてその分男性医師の妻が家事を分担すると言うなら、間接的に男性医師の妻がキャリア形成するのを妨げる迂遠なジェンダー分業という批判はありえるかな…… twitter.com/doctor_nw/stat…
2018-01-16 20:51:18子供を守る、母親を守る。女性を守る。日本の家族を守る。日本の周産期医療者達の「仕事」という垣根を超えての使命感の強さを感じる事ができた学会だった。自分も休みつつ、次の臨床研究に着手しよう
2018-07-10 09:52:072連RTのように、ふらいと13先生は「全てを守る」という考えを持っており、その中に患者も女性医師のequityも入っている。ある種の騎士道精神にのっとった考え方である。それを知っていたから、今回の件での次のツイートは少々の驚きがあった。
2018-08-04 17:48:51自分も女医とは共存したいし一緒に働きたいが、中堅の男性医師として正直怖いのは本音。同時に複数の女医が夜勤不可になると我々中堅男性の当直回数や時間外業務は著増し、家族の時間が著減。綺麗事では済まされずリスク分散として彼女らと働くには一定の男性医師数が必要。お互いにその方がいいと思う
2018-08-02 22:45:49私の疑問、当初ツイへの違和感はこのequityの図解で氷解した。患者を守れるラインは越えなければならない。医師の男女間equityの確保も必要だ。だが彼のおかれた状況では男性医師が当直・夜勤を代わるということでしかequity確保ができない。下の図のように。 pic.twitter.com/M2SITvWA0e
2018-08-04 17:55:42この図を見れば彼の主張は一貫している。男女間equityは確保したいが、equityの確保が男性医師の献身によってしか成り立たないので、男女比2:1にしないとequityが確保できない。逆説的だが、equity確保のために「男性を優先的に医師にするのはやむを得ない」という発想が出てくるわけだ。
2018-08-04 17:59:39この構造の本質的問題は、「強い側の人数比が一定以上になるよう調整する」という差別なしにequity確保ができないという構造的欠陥です。
※男女比2:1という数字はふらいと13先生の発言からではなく、最近のニュースで多い以下のような数字から引っ張っています。
「男7割女3割の入学比率は、割とスタンダードだった。二次試験の面接で加点や減点があると聞いていた。」
「強い側」が「弱い側」に対して「献身」することでequityを確保しようという行動は、「献身」してくれる「強い側」を必要とするがゆえに「弱い側」の自主自立よりも依存を促してしまうというパラドックスがあり得る。界隈で「ネオマッチョイズム」として批判されてきたものの正体はこれだ。
2018-08-04 18:03:35「ネオマッチョイズム批判者」界隈は「女性を守る」一辺倒では歪む、どこかで「男性抜きで女性のみで問題を解決する覚悟が必要」と主張した。私も「ネオマッチョイズムは真の自立、公平、平等から遠ざけ女性の権利を後退させる」と言ってきた。今回の「献身によるequity確保」ではそれが明瞭になった。
2018-08-04 18:09:04というわけで最後に。equityは大事だと認識していても、equity確保が「強い側の献身」によってしか成り立っていないのなら、今回と同じような構造が再現するのではないかと思う。健全なequity確保には何か条件があるはず。中澤先生とShioda先生にはこのことを考えるヒントを与えていただき感謝します。
2018-08-04 18:15:09――この問題単独でいえば、救急外来の縮小や病院の集約を受け入れていく、シフト制の改変、医師の負担の分散の模索など、例えの絵でいえば「柵を下げる(リスクは上がるのは甘受する)」「金網に取り換える」ことが必要になるのでしょう。今回のような激務医療問題に絞った解決策の模索はこちらをご覧ください。
今回の問題は、Equityの議論を男女問題に適用するとパターナリズムになりがちであることや、女性の肉体的不利(妊娠など)を補填しようとしたときにイスラム保守派のような「男女平等(equality)は不要、男女対等(equivalence)であればよい」という意見に転化しやすいという危惧を持っています。
調べてみたんだけど、トルコの大都市では医師はだいたい半数が女性。ムスリムは異性に肌を見せたくないから当然といえば当然。 イスラム社会は女性抑圧と決めつけないで、こういうところも見たら?
2018-08-04 23:17:42内藤正典氏がトルコの女医事情を持ち上げててやはり気になってしまったのはコレ。 > トルコのエルドアン大統領……「妊婦に男性と同じ条件を課すことはできない」と例示した上で、「女性に必要なのは、平等であるより対等であることだ」との持論を展開した。 huffingtonpost.jp/2014/11/26/tur…
2018-08-05 10:13:21「平等(Equality)よりも公平(Equity)」という議論、片足を踏み外すだけでエルドアンの「男女平等は自然の法則に反する」「平等であるより対等であることだ」という論にあっという間に取り込まれるということが分かった。 pic.twitter.com/SHg5O8Cjyv
2018-08-05 10:18:11