ベリアル・アンダーカバー ＃５

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

【ベリアル・アンダーカバー】#5

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ドーモ。カレイドスコープです」ランダムにうつりかわるテキスタイル装束のニンジャがアイサツするが、ガーランドは応じない。かわりにカレイドスコープの横を凝視している。……そこに、もう一人のニンジャが出現した。「油断ならぬ男。……ドーモ。スモークドラゴンです」　1

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「いいだろう」ガーランドはオジギした。「ドーモ。ガーランドです」オジギ終了からコンマ1秒、3者は地を蹴った！「イヤーッ！」「イヤーッ！」「イヤーッ！」カレイドスコープは空中で分裂！否！ミラーイメージを周囲の空間に投射し、己の姿をくらませたのである！　2

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それまで冷たく澄んでいた夜の墓地の空気は奇妙に霞んでいた。それがカレイドスコープの奇妙なジツにフーリンカザンを生んでいた。「イヤーッ！」「イヤーッ！」死角を狙って跳んでくるカラテを防御しながらガーランドは分析する。この霞自体もジツであろう。スモークドラゴンの助けか！　3

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「イヤーッ！」クナイウィップがガーランドの身体の周囲で渦巻く。再びムチ・ドーの攻防一体カラテ、ホーミングウインド！鞭とクナイの刃が組み合わさった極めて危険かつ扱いづらい武器が多方向からの打撃をさばき、同時に反撃ともなる！「イヤーッ！」「イヤーッ！」「イヤーッ！」　4

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スモークドラゴンのスモークソード・ジツがガーランドの首切断を狙う！霞を瞬時に高密度化し金属にも勝る切れ味を作る恐るべきジツだ。「欲しがりだな」ガーランドはしかし殆ど悠然と呟き、消失した。否、瞬きよりも速く身を沈めたのだ。トラヒトアシ！そして、「イヤーッ！」繰り出されるムチ！　5

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「グワーッ！」攻撃の一瞬の隙をつき、スモークドラゴンの足首にクナイウィップが絡みつく！ガーランドはそのままムチを引き戻し、軸足を破壊しながら、スモークドラゴンの身体を強制的に空中キリモミ回転させた。1対1のイクサであればこのままトルネイド・ツキでカイシャクだ。だが！「イヤーッ！」6

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「チイッ！」ガーランドはニンジャ第六感に従い、後ろ手で振り回していたムチと共に1回転した。KBAM！KBAMKBAMKBAM！様々な色彩の光が周囲の霞の中からガーランドに襲い掛かる！謎めいたカレイド・ヒカリ・スリケンの全方位攻撃！ナムサン！ガーランドは風車めいたムチの回転でそれらを弾き飛ばす！　7

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「ヌウーッ手練れ！だが、さすがだカレイドスコープ＝サン」スモークドラゴンは片手付き側転から着地。破壊された右足首に霞を流し込んで癒着させ、かりそめに傷を塞いだ。少なくともこの数分の継戦は可能！「イヤーッ！」スモークソード二刀流となり、躍りかかる！　8

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バチチ……バチバチバチ！ガーランドの360度ワン・インチ距離にカレイドスコープの輝く影が現れては消える。攻めあぐねるガーランドに、スモークドラゴンが斬りつける！「イヤッ！イヤーッ！イヤーッ！」「グワーッ！」一撃は浅く、もう一撃は無視できぬ傷！ナムサン！　9

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「イヤーッ！」スモークソードは一回転から水平二刀斬撃を見舞う！左手は首を、右手は腿を切断にかかる致命斬撃！「イヤーッ！」ガーランドは跳び、身をひねって、地面と水平になる！空中の彼は二刀を潜り抜けた！ゴウランガ！なんたるニンジャの精密かつ大胆な身体制動か！　10

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「おのれ！」スモークドラゴンはスモークソード二刀で舞いながら向き直った。そこへ大上段からのクナイウィップが振り下ろされた。空中水平キリモミ回転の中からガーランドが繰り出した攻撃だ！「イヤーッ！」スモークドラゴンのニンジャ第六感は弾き返せぬ事を察知！横に躱す！　11

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横に避けたスモークドラゴンの顔面すれすれを刃が通過した。スモークドラゴンは反撃に出た。「……グワーッ！」そのとき、ガーランドの後方で悲鳴！カレイドスコープ！スモークドラゴンのニンジャアドレナリンが過剰分泌、泥めいて鈍った時間のなかで、この一瞬で起こった事を理解！　12

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読者諸氏よ、今こそスモークドラゴンの至った結論と同様の理解をせよ。空中回転からクナイウィップを振り下ろしたガーランドを中心に考えられたい。時計の針は上から下へ降りたのち、下から上へあがる。跳ね上がったムチの刃が後ろのカレイドスコープを捉えたのである！　13

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「グワーッ！」メンポを下から上へ抉り裂かれ、カレイドスコープは目を剥いた。スモークドラゴンはガーランドを斬り殺そうとしたが、スモークソードに対して用意されていたのは回転踵落としであった。スモークドラゴンは踵落としと打ち合い、反動でノックバック。ガーランドに隙無し！　14

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さらにはクナイウィップが老木の枝を捉え、巻き付き、ガーランドの身体を上にはね上げる。樹上に着地、彼が腕組みして見下ろした瞬間、カレイドスコープは正中線から血飛沫を噴出させながら落下した。「グワーッ！」ナムサン……ここまでの一連の出来事が一度の回避に付随して行われたというのか！　15

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「バ、バカな、俺のミラーイメージが……破られ……」痙攣するカレイドスコープをガーランドは冷たく見下ろす。そして言った。「貴様のソウルを辿ればどうという事はない。どちらかと言えば、執拗な攻撃の合間を縫って貴様に攻撃する事のほうが骨だった」「アッパレ……サヨナラ！」爆発四散！　16

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「カレイドスコープ＝サン」スモークドラゴンはわななき、樹上のガーランドを睨んだ。「この代償は高くつくぞ」「代償？知らんな。イクサは命のやり取りだ。その手のウエットな感傷に興味はない」ガーランドは言った。「ヤクザ戦士、即ちオヤブンの子。テッポダマであり駒だ。恨み言などくだらんぞ」17

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「ならば死ね！誰にも顧みられることなしに！」スモークドラゴンは圧縮霞を背から放出！瞬時にガーランドの高さまで跳躍し、位置エネルギー優位を相殺！「イヤーッ！」スモークソード！「イヤーッ！」クナイウィップ！木と木を蹴り跳びながら三度切り結び、二者は大地に着地する！　18

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「二対一で俺を仕留められなかった貴様が、今は一対一だ。到底勝てはすまい」ガーランドは執拗な言葉で士気を挫きながら、後ろ手にクナイウィップを構え、ヒュンヒュンと振り回し始めた。そして呟く。「オボロゲ」スモークドラゴンは眉根を寄せる。「ヌウッ……！」　19

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通常、防御を兼ねるべき武器が身体の後ろに隠されている。致命傷を受ける危険に自らを晒しながら、自らの攻撃を変幻自在のものとする構え！一方のスモークドラゴンはスモークソードを十字に構える！怒りに煮えた彼は己がカラテを倍増させている！「「イヤーッ！」」　20

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クナイウィップが躍る！スモークドラゴンは怪訝さに目を見開いた。なぜ自分のスモークソードの一方が、もう一方の斬撃を防いでいる？そしてガーランドの姿が、もう、ない。「……グワーッ！」次の瞬間、スモークドラゴンはガーランドに後ろから組み付かれ、首をロックされていた。　21

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振り払おうとするが、ガーランドはスモークドラゴンの腰を両足でがっちりと挟み込み、もはや一体化していた。「死ね」ガーランドが呟くと、スモークドラゴンは己の首が折れるボギンという音を聞いた。　22

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ソーマト・リコール。繰り出した二刀斬撃。向かってくるクナイウィップ。ソードの一方をクナイウィップが捉え、奪い、もう一方にぶつかり、勢いを殺したときには、得物を捨てたガーランドが地面を這うほどに低い姿勢で瞬間的に接近、後ろに回り込み、スモークドラゴンの背後を取った……！　23