復興庁「放射線のホント」のウソ、に対するツッコミなど

このまとめは、https://twitter.com/miakiza20100906 作成のまとめhttps://togetter.com/li/1257837 に対する反論をまとめたものです。拙い文章ですが、よろしければご覧ください。
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……とは言うたものの、これまで1回もまとめ作ったことなかったんで(時間かかりすぎ!)、いろいろ不手際が生じると思いますが、ご了承ください。とりあえずは↓の青文字への突っ込みなど…

1.身の回りの放射線
https://pbs.twimg.com/media/DkwG1NIU8AAIwu1.jpg

>~0mSvに近いのでは?

まずはこの資料をご覧ください。(医療被ばくリスクとその防護についての考え方Q&A)
http://www.nirs.qst.go.jp/rd/faq/medical.html

下の表をご覧になればわかるかと思いますが、歯科技師のレントゲンからCTまで、実に線量の幅があることがわかるかと思います。しかもこれだけ被ばくしても、健康には全く影響しません。断言します。(医療過誤で過剰照射した事例もあることにはありますが)被ばく量の閾値に関する説明は、別の機会に。
あと中央値がどうのこうのとおっしゃられているようですが、重粒子線照射のような放射線治療を除けば、上記の通りですので求めることはナンセンスかと思います。

私ごとで恐縮ですが、数年前にがんを患い、手術し、経過観察のため、半年に1回病院を訪れCT検査を受けています。年に2度の健康診断(胸部X線、胃の透視)を含むと、かなり大雑把に見積もって年に10~30mSvくらいは被ばくしているはずなんですけど、前にも言った通り気にしたことはないですね。する必要ないんだし

2.放射線の取り扱い
https://pbs.twimg.com/media/DkwG11EUwAADZbn.jpg

これもなかなか突っ込みどころのある文章ですね。
「放射化を起こすような極めて強い放射線」て何のことかな~?制動X線のことかな~?中性子線吸収による核種の変化のことかな~?ま、それは置いといて…

原子力施設の中で汚染区域に入る前、作業者は事前の綿密な打ち合わせの元、構内防護服の上にさらに防護装備を着ることになります。通常でしたら全面マスクやエアラインを顔面に、防護服の上にタイベックを履きます。水浸があるところはさらにタイベックの上にビニル製のアノラックを。ビニルシートで区切られた作業場に入ると、バリヤを跨ぎながら(30cm程度の土手状の区切りです)汚染区域用の作業靴に履き替えます。作業が終了すればそこから退出するわけですが、その場合、汚染物質を外に出さないよう、防護装備を外すための介助者が付きます。カッターやハサミなどでタイベックを切りながら、ごみ袋に移します。放管がマスクや手足の汚染を確認したら、またバリヤを跨いで靴を履き替え、汚染区域を退出します。このようにして汚染を出さないよう、作業者は注意しながら実務に当たっているわけです。

もし、不幸にもチェルノブイリを超えるような大規模な災害が発生した場合、洋服に高線量の放射性物質が付着することが想定されますが、その場合一時的に開設された除染室の中に連れていかれ、上記のような作業が行われ、除染シャワーを浴びることになります。汚染された物質は速やかに除去!

「汚染された他人のふんを触って」て、この方はどういう状況を想定しているのでしょう。ごくごく一般的な医療施設でも、素手での治療行為は稀ですし、ましてや大量の被ばくが確認された患者を素手で扱うということはありません。あったら教えてください。

それ以外にもね、私たちは日常的に食べ物から放射性物質を摂取しているんですけどねぇ。カリウム40の摂取量の目安で、昔バナナ等価線量というのがありましたけども。ちょっときつい言い方になりますけど、あなたの言い方はまるで「あ、こいつバナナ食った!えんがちょ~」と言っているのとおんなじことです。ま、これであなたの原子力や放射線の知識はドシロウトと同じということで。

まずはこれを読みなされ↓要約だけで充分ですよ。

電離放射線障害防止規則による被曝限度ですが、

1.通常作業:5年間で100ミリシーベルト、1年間で50ミリシーベルト(実効線量管理) (電離放射線障害防止規則4条)
2.緊急作業:100ミリシーベルト(実効線量管理) (電離放射線障害防止規則7条)
これは、原子力関連の施設で働く作業員の健康を守るために作られた規則なんですが、先ほどのリンクの1番目での説明の通り、両親合わせて基準を大きく上回る400mSvの被ばく例もあったにも関わらず、増加は全く認められなかったんですよ。人体って、すごい!

最終結論とは何のことでしょうか?継続調査は重要なことではありますが、「あなたの望む」結果が出るまでつづけろ、ということでしょうか?500年たってようやく数例の変異を見つけたところでそれを放射線の影響だ、と言い張るつもりなのでしょうか?
慎重な表現が望まれる、とか何とか言って、まるで腫れもの扱いしているのはあなたではないでしょうか?

4.最後に

もっともっと書きたいのは山々なんですがグダグダになるのと、キリがないので、あと一つこれだけ

検索していろいろ分かったのですが、被ばく研究に関する論文で原子力に否定的な研究者、肯定的な研究者の間で被ばくの影響について意見が分かれているのをよく見かけます。検索のトップにトンデモ理論のページが表示されるのもしばしば。
しょうがないんですよね。とくに「低線量被ばくにおける人体への影響のメカニズム」はまだ解明されてない部分が多くて、それを突いて誇大解釈をしてしまう方のなんと多いことか。

しかしながら言わせていただければ……現在、日本には原子力関連の従事者だけで3~4万人います。その方々一人ずつ放管手帳を持ち、被ばく量を管理しながら作業しています。その中で、先ほども説明した被ばく限度の基準である電離放射線障害防止規則、もし、仮にもこれによって定められている被ばく量以下で、統計的に明らかに有意な被ばく障害発生の増加が認められれば、すぐさま公表され、基準の見直しが行われるはずです。まともに文章を読める方であれば、言わんとすることがわかるでしょ?

さ、これで話はもうおしまい。どうせね、いくら私が熱弁したところで話を聞かない人は聞かないし、いくら頑張ったところで現状の回復にはほど遠いところでしょう。それでも、何度も指をさされようとも、私にはこの仕事にプライドがある。

作業従事者をなめるなよ。