若手には過酷な論文集の出版事情~日本の学術出版のシステムとその問題~【更新一旦終了】

学術系出版物の編集者でもある、平林緑萌さんのツイートを中心に、博論をもとにした著作、論文集等の学術系書籍の出版事情について、まとめました。 <当まとめの項目一覧>  ・論文集の出版事情と「自費出版」  ・こうした学術出版の事情に対する反応 続きを読む
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日本史史料研究会 @nihonshishiryo1

本会の初期メンバーで去っていった人の中にも「なんで他人の本を学会とかで、学生とか院生とかに頭を下げて売らなきゃならないのか」っていってたけど、学会全体を盛り上げないと、自分たちも研究する場所がなくなると私は思います。

2018-09-02 01:22:02
日本史史料研究会 @nihonshishiryo1

人文科学はお金にならないっていうのも、なんでしょうか。呉座がいるじゃないか。

2018-09-02 01:39:30
日本史史料研究会 @nihonshishiryo1

そういう意味で、呉座のように印税はないですが、金がなくても本会からは選書は出せます。ただし、研究がしっかりしてればの話です。それで博士とった方もいます。ありがたいことです。

2018-09-02 01:46:12

それに対する平林さんの反応

平林緑萌 @moegi_hira

これは正直、生駒さんのところしかされてない気がします。なぜ任意団体にできて、商業出版社にはできないのか、突き詰めて考える必要性があると思っています。 twitter.com/nihonshishiryo…

2018-09-02 09:48:34
日本史史料研究会 @nihonshishiryo1

「日本史学の学術書の多くは助成金なしで本はだせますよ」は、本会刊行の選書で、他の出版社はそうはいかないか。本会は助成金なければ、著者から資金を出してもらってないし、20部著者に献本します。

2018-09-02 00:45:39
平林緑萌 @moegi_hira

真面目な話、助成金や著者の持ち出し、買取で回している会社よりも、日本史史料研究会のほうが格段に立派だし、研究の成果を社会に還元することにも成功していると思います。僕が生駒さんと組む理由は、その辺も大きいです。

2018-09-02 09:50:53
平林緑萌 @moegi_hira

ただ、生駒さんと僕が組んでもまだそれは細い線であるに過ぎず、これを太い複数の線にして、さらには面にしていかないといけない。具体的方法はいま考えていますが、必ず何かやります。いまは、借金してでもやる、とだけ言っておきます。

2018-09-02 09:52:31

現場の方が見た学術出版②:出版社の中の人から('18.9.2、21:35ごろ追加更新)

平林緑萌 @moegi_hira

この論文集出版に際する研究者からの搾取構造について、僕と同様に批判的立場から言及されたのは、いまのところ出版社では英明企画編集(@eimei_kikaku )さん、任意団体の日本史史料研究会(@nihonshishiryo1 )さんだけなんですよねえ……。

2018-09-02 12:33:14
英明企画編集 @eimei_kikaku

@moegi_hira @nihonshishiryo1 出版助成は「初版著者印税なし」を条件とするものが多いので、助成を受ける限り初版印税が得られないことは仕方がない部分もあります。しかし、200部程度しか刷らず、売価は5000円~1万円、さらに著者(訳者)買い取りを求める……という例をチラホラ聞くので、これはさすがに……と思うしだいです。

2018-09-02 12:56:41
英明企画編集 @eimei_kikaku

@moegi_hira @nihonshishiryo1 もちろん、そんな出版社ばかりではないということは、言っておかなければなりません。学術書を作る意義を理解して、よりよいものを作ることに加えて、売る努力、売り続ける努力をしている出版社さんもたくさんあります。

2018-09-02 13:01:31
英明企画編集 @eimei_kikaku

@naka3_3dsuki @moegi_hira @nihonshishiryo1 @togetter_jp ついでにもう一つ、博論がそのまま市場に出回る本になることは難しく、出版に際しては、著者の専門分野(ディシプリン)の「二回り外」、「三回り外」の読者を想定した改稿は必須だと考えます。先行研究の整理と提示の方法や図表の使い方も工夫がいります。

2018-09-02 14:29:55
仲見満月(なかみ みづき)の日常@静養中 @naka3_3dsuki

@eimei_kikaku なるほど…。学位請求の申請時に出した博論について、出版で市場を目指すなら、より広い層に読んでもらえるよう、書き直していける視野やスキル、読者に届けるガッツが研究者である著者、編集者や版元にも要りそうだと思いました。博論を書いていた時を思い出して、ちょっと、耳が痛いです…。

2018-09-02 14:40:52
英明企画編集 @eimei_kikaku

@naka3_3dsuki @moegi_hira @nihonshishiryo1 @togetter_jp 編集側がその努力を怠らず、かつ著者側も改稿の労を厭わないという姿勢も必要だと考えます。助成金を受けて著者印税なし、少部数制作で売価は高く、著者買い取りを求める会社の本には、編集側からなんの改稿提案もなく、図表にもレイアウトにも装幀にも工夫がなく誤植も多いというものもあって……。

2018-09-02 14:35:05
英明企画編集 @eimei_kikaku

@naka3_3dsuki @moegi_hira @nihonshishiryo1 @togetter_jp 「売れないから予算がない」、「手をかけられない」ということかもしれませんが、これでは読者も著者も、さらには出版社だって得しない悪循環に陥ると思いますので、他山の石として努力しなければ……と零細・弱小ながら考えるしだいです。難しいですけど。

2018-09-02 14:38:23
英明企画編集 @eimei_kikaku

@naka3_3dsuki 博論には博論の作法があって、そうして学位を得た論文はアカデミックな価値があると考えます。価値があるものだからこそ、出版という機会にあっては、より広い層に届ける努力をすべきです。改稿や文章に朱入れをされることを嫌がる著者もいるのですが、せっかくの研究だからこそ、という思いです。

2018-09-02 14:48:40
平林緑萌 @moegi_hira

@eimei_kikaku @naka3_3dsuki @nihonshishiryo1 @togetter_jp 信じがたい話ですが、まだ社内にPCがない版元や、著者以外校正しないところもあるそうですからね……。まあ、あまりこういうひどいところの話ばかりしても仕方ないので、我々は建設的にやっていきましょう。

2018-09-02 14:46:01
英明企画編集 @eimei_kikaku

@moegi_hira @naka3_3dsuki @nihonshishiryo1 @togetter_jp そうですね。建設的に、未来に向けて、努力していこうと思います! ありがとうございます!

2018-09-02 14:49:49
仲見満月(なかみ みづき)の日常@静養中 @naka3_3dsuki

@eimei_kikaku @moegi_hira @nihonshishiryo1 @togetter_jp 出版の現場の方々にそう言って頂けると、嬉しいのと心強い限りです。

2018-09-02 14:54:29
早川タダノリ @hayakawa2600

同業なので興味深く読んだ。弊社では、著書と話して博論を売れそうなかたちに押しだすことにかなり時間をかけている。本気でこれは売りたいと確信した研究は、こちらから声をかけている。【随時更新】若手には過酷な論文集の出版事情 Togetter togetter.com/li/1262570

2018-09-02 13:54:10

日本史史料研究会さんの反応

日本史史料研究会 @nihonshishiryo1

@moegi_hira @naka3_3dsuki 私は、出版社にそれほど否定的ではなくて、こんなことを言うのも何ですが、編集も営業も人なので、多分、出版社と仕事をしているわけですが、それは、本会の出したいものと、編集者の考えが話し合いで合致するところとしているだけで・・・

2018-09-02 18:40:29
日本史史料研究会 @nihonshishiryo1

@moegi_hira @naka3_3dsuki 多分、多くの編集者は、自分の手掛けた本が多くの人の手に取られることを望んでいて、それは営業の方も一緒で、ただ、利益をださなければ息づまるので、部数の少ない本は値段が高くなる。値段が高いと売れない。本会は、値段が半分なら倍売ればいいという単純な発想です。

2018-09-02 18:53:01
日本史史料研究会 @nihonshishiryo1

@moegi_hira @naka3_3dsuki そうすると、出版社は営業の方の力量こそ、非常に重要な気がします。私はおそらく、この点のシステムを見直すことが重要かと。

2018-09-02 19:04:24
日本史史料研究会 @nihonshishiryo1

@moegi_hira @naka3_3dsuki 出版社も利益を損なわす、執筆者も資金の負担がないようにするということが理想ですが、私は、学術書とはいえ編集が本文を理解し、執筆者も相手に読ませることを意識してるかということは確認すべきで。

2018-09-02 19:07:51
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