【横山光輝「三国志」講座178「銅雀台」】

横山光輝「三国志」を一話ずつ解説してみようというコーナー。第178話「銅雀台」の巻。 ※解説はbotさんの個人的見解です。 ※今回の話は、大判・横山光輝「三国志」第11巻に収録されています。
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横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座178「銅雀台」01】 第178話です。前回、孔明の読みにまんまとやられてしまった周瑜。敗戦の報告は孫権のもとにも届きます。 周瑜は興奮のため病状が悪化。病床に臥せっています。孫権は一度手をふりあげ拳を握りしめ、玄徳め許せん、と悔しがり、荊州を攻めると言い出します。

2018-09-04 12:33:47
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【横山光輝「三国志」講座178「銅雀台」02】 これに慌てたのが張昭。すぐに孫権を諌めます。玄徳に腹を立てるのはわかるが、曹操が赤壁の恥をそそがんと日夜再軍備にかかっていることを忘れるな、と言います。

2018-09-04 12:35:29
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【横山光輝「三国志」講座178「銅雀台」03】 曹操がすぐに攻めてこないのは、呉と玄徳の連合を怖れているからであり、呉と玄徳が戦争状態になれば、曹操はこれ幸いと全軍あげて攻め寄せてくるのは明らか、と順を追って説明する張昭の言葉に、孫権もむむむ、とうなるばかり。

2018-09-04 12:37:08
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【横山光輝「三国志」講座178「銅雀台」04】 曹操のことだから、呉にも大勢の間者を送り込んでいるはずで、玄徳と孫権の両家が不仲と知ったら、玄徳を抱き込もうとするだろう、と張昭。つまり、玄徳が曹操と結ぶ可能性を考えろというわけです。もしそうなったら、呉の運命は風前の灯です。

2018-09-04 12:38:45
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【横山光輝「三国志」講座178「銅雀台」05】 まだ孔明が考えた天下三分の計が成ったわけではありませんが、曹操、玄徳、孫権の三者の駆け引きはすでに始まっていたと言ってもいいでしょう。どちらかが組めば残った一人が苦境に陥る。そこに好き嫌いは言ってられません。

2018-09-04 12:41:59
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【横山光輝「三国志」講座178「銅雀台」06】 張昭は、都に使者をつかわして、劉備玄徳を荊州の太守に任じられるように朝廷に表文をささげろ、と言うと、そんなことはできぬと孫権。張昭は、すべて外交の計は我慢です、と諭します。玄徳の出世を嫌がるのはわかるが、その効果の大きさを取るべきと。

2018-09-04 12:43:52
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【横山光輝「三国志」講座178「銅雀台」07】 その効果とは、曹操が呉と玄徳の破綻を見いだせないということ。そして、玄徳もそれに感じて呉を恨むまい、ということです。孫権は、むむむ、と右手を顎につけて聞き入ります。張昭は、一応そういう状態にしておいて、徐々に曹操と玄徳を争わせればいいと。

2018-09-04 12:46:25
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【横山光輝「三国志」講座178「銅雀台」08】 玄徳が曹操との戦いに疲れてきた時に、一気に荊州を奪い取るというのが張昭の作戦です。ふむう、と孫権。だが、敵地に行ってそういう遠謀を匠に植え付けるような間者がいるのか、と尋ねると、張昭は華歆(かきん)を推薦します。

2018-09-04 12:48:53
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【横山光輝「三国志」講座178「銅雀台」09】 華歆は曹操が以前より信用している人物で、前に豫章(よしょう)郡の太守であった平原の人。華歆字を子魚(しぎょ)と言います。孫権は、よくわかった、と華歆を呼び寄せます。曹操と玄徳をいかに切り離すべきか打ち合わせたうえ、華歆は都へと向かいます。

2018-09-04 12:51:35
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【横山光輝「三国志」講座178「銅雀台」10】 その頃、曹操は鄴郡(ぎょうぐん)にいました。冀北の強国、袁紹を滅ぼしてから九年、そしてこの地に八年をかけて銅雀台の造営を行い、今、それが落成したのです。孔明が赤壁の戦いの前に周瑜の参戦を促した際にも出てきた銅雀台がついに完成。

2018-09-05 12:42:22
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【横山光輝「三国志」講座178「銅雀台」11】 なにゆえ「銅雀台」と名付けられたのか。九年前に曹操がこの地を占領した時、青銅の雀を地下から掘り出したということに由来します。意外に袁紹のお気に入りグッズだったりして。 建物は後漢文化の精髄と芸術の粋をこらし、その美しさは目もくらむばかり。

2018-09-05 12:44:18
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【横山光輝「三国志」講座178「銅雀台」12】 この銅雀台の完成を祝して、連日大宴会が催されていました。将達は武芸を競い、文官達は銅雀台を讃える詩を読み上げ、曹操の健在ぶりを示していました。原作の吉川英治「三国志」でその時の模様をもう少し詳しく記されていますが、横山版ではまるっと割愛。

2018-09-05 12:47:07
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【横山光輝「三国志」講座178「銅雀台」13】 曹操も、自分も負けずに銅雀台の詩を作るぞ、と筆と硯を持ってくるように言います。武人であると共に詩人としても優秀な曹操。さぞや名文が飛び出してくるか…。さてと、と一呼吸したのち、「われ高台に独歩し、俯して万里の山河を観る」と書き出します。

2018-09-05 12:49:28
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【横山光輝「三国志」講座178「銅雀台」14】 ところがここで注進が入ります。せっかく書き始めたところなのに、と普段なら怒りそうなものですが、気持ちに余裕があったとみえ、なんじゃ?とそのまま報告をすることを許します。

2018-09-05 12:51:11
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【横山光輝「三国志」講座178「銅雀台」15】 呉の孫権が華歆を使者に立て、玄徳を荊州の太守に推薦する表文を天子、すなわち漢皇帝にささげたという情報に、なにっ、と曹操が反応。さらに孫権は劉備に妹をめあわせ、荊州九郡は婚姻の引き出物として玄徳に属するものとしたそうだと言う報告。

2018-09-05 12:54:04
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【横山光輝「三国志」講座178「銅雀台」16】 これを聞いた曹操は、なんと、と言って筆を落としてしまいます。これを見て、どうしたのですか、と声を掛ける男が。程昱、これが驚かずにいられるか、と曹操が答えます。玄徳が荊州を得たとなれば、竜を大海に放ったようなものじゃ、と続けます。

2018-09-05 12:56:19
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【横山光輝「三国志」講座178「銅雀台」17】 劉備と孫権が手を握ったとあらば、天下統一の望みに大きな障害となる、と曹操が言うと、程昱は、ならば玄徳と孫権の仲を裂く策を講じなされと献策します。何か、良い策があるのか、と曹操は興味を惹かれます。

2018-09-05 12:57:49
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【横山光輝「三国志」講座178「銅雀台」18】 程昱は、孫権はもともと劉備を煙たがっていて、兵を出して攻めたいが、曹操がその隙を討つのを恐れ、劉備の心をやわらげ、曹操の手出しを封じようとするのが、呉の使者、華歆の目的だ、と看破します。

2018-09-05 13:00:03
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【横山光輝「三国志」講座178「銅雀台」19】 そこで、呉の大黒柱、周瑜を南郡の太守に任命し、程普を江夏の太守に任じるのですと。南郡も江夏も劉備の土地、当然、周瑜と劉備は前に増して憎しみ合い、戦うようになるだろうと。そこをたたけと言うのだな、と曹操は程昱の狙いを理解します。

2018-09-05 13:02:18
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【横山光輝「三国志」講座178「銅雀台」20】 しかし、呉の使者、華歆はこの申し出を受けはしまい、と華歆の能力を見定めた上で、程昱は続けます。華歆には官職を与えて、しばらく朝廷に留め、別の勅使を下して周瑜と程普に伝えるのです、と言います。曹操は、よしわかったとその案を採用します。

2018-09-05 13:04:42
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【横山光輝「三国志」講座178「銅雀台」21】 すぐに都に帰る、支度をせよ、と程昱に言うと、曹操は銅雀台の宴会も半ばに、急いで都に引き返します。結局、あの詩の続きは詠まれなかったようで…。

2018-09-05 13:29:15
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【横山光輝「三国志」講座178「銅雀台」22】 曹操や程昱による、劉備玄徳の呼び名が、劉備だったり玄徳だったりとしますが、あまりこだわりはないようです。玄徳に孔明があれば、孫権に張昭、曹操には程昱と、英雄に付随する知恵者・策士が、人知れず知恵を絞る、そんな時期の頃のお話。

2018-09-05 13:32:30
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【横山光輝「三国志」講座178「銅雀台」23】 曹操が仕掛ける外交戦に、周瑜がどう応えるのか、この続きは、また次回となります。 今回はここまで。

2018-09-05 13:33:21