【#バッテリー杉尾】よりぬきエピソードまとめ

【金カム】バッテリー杉尾まとめ(‪https://togetter.com/li/1252253)より主なエピソードを時系列順で抜き出したものです 詳細な設定やその他エピソードは前述まとめをご覧ください
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ファーストコンタクト編

ぬこむら @nukomura_c

#バッテリー杉尾 何度も甲子園に出場してる地元の強豪校に入る事を夢見て野球と勉強を頑張っていた中三の夏、二年生にしてエースピッチャーとして甲子園のマウンドに立っていた尾形の事を知る 超高校級の精密なコントロールを武器に並み居る強豪校と渡り合うその姿が妙に目に焼き付いたのだった

2018-08-03 19:38:05
ぬこむら @nukomura_c

高校やきうに関しては更にゆるふわ知識なので大目に見てね

2018-08-03 20:31:47
ぬこむら @nukomura_c

時は流れ、尾形はドラフト会議を経て高卒で球界入りを果たす 1年目を身体作り等に費やした後2年目に初めて1軍で登板した 鮮烈なデビュー戦を皮切りに頭角を現していく 一方杉元は希望の強豪校に入り夏の甲子園にも出場したが、準々決勝で敗れる しかし強肩ぶりを評価され、ドラフトの候補に上がる

2018-08-03 20:25:04
ぬこむら @nukomura_c

高卒1年目から活躍する方がすごいのは確かなんだけど私は下でしっかり身体を作ってから活躍して欲しい派なので

2018-08-03 21:12:02
ぬこむら @nukomura_c

若い子はじっくりしっかり身体作りして3〜4年目くらいに出てきてくれればいいのよ……

2018-08-03 21:23:02
ぬこむら @nukomura_c

ドラフト会議の結果、下位指名で球界入りが決まった 尾形と同じ球団 プロになれたという事よりも、密かに姿を追い続けていた人物とチームメイトになれるという事を何よりも喜んだ しかし、体力面を考慮し登板回数こそ少ないもののエース候補として扱われている尾形との接点はなかなか持てなかった

2018-08-03 20:49:02
ぬこむら @nukomura_c

トレーニングで身体を作りながら2軍の試合に出て経験を積む日々 その中で、とある試合で調整の為に2軍にいる1軍選手相手に一か八かの勝負に出たリードがズバリと当たった事があった 一か八かの勝負は高校球児時代から度々する事があり割と当たった それが2軍とはいえプロで通用した事が嬉しかった

2018-08-03 22:09:42
ぬこむら @nukomura_c

ファームに関してもゆるふわです……

2018-08-03 22:10:30
ぬこむら @nukomura_c

それから数日後、尾形から自分に会いたいと申し出があったと聞かされた 3年目で開幕ローテ入りを果たしそのまま定着していた雲上人が何の用だろうと動揺した 断る訳にもいかず会う事に 初めて間近で対面した尾形は、感情の見えない目に笑みを滲ませた口元という何処か不思議な表情で此方を見つめた

2018-08-03 22:24:28
ぬこむら @nukomura_c

「成程、頭の悪い犬みてえな面してやがる」尾形は開口一番そう言った 緊張から動揺する事しか出来ない杉元をよそに椅子に座り込む「甲子園での試合とファームでの試合を全部見た」「え……」想定外の台詞に目を丸くする「肩は強い 機動力もある だがリードはクソだな、センスがない」「…………」

2018-08-03 22:44:23
ぬこむら @nukomura_c

流石に酷い言い草だと顔を顰める ニヤニヤと笑いながら尾形は前髪に指を通した「ただ、……この間の1軍落ちした奴を討ち取った場面 あれはお前の判断か?」一か八かの勝負のやつだと気付いてそうですと答える「甲子園でも似た様な事をやっていたな?」「はい 何というかピンとくる事があって……」

2018-08-03 22:58:27
ぬこむら @nukomura_c

尾形の口元の笑みが深まった「いいか、周りからしっかりと学べ 知識を積め 足りねえものを補え そんでとっとと1軍に上がってこい 分かったな」そう言って席を立ち去ろうとする「ど、どういう事ですか」突拍子もない台詞に思わず声を上げると振り返った「それが出来たらお前を俺の相棒にしてやる」

2018-08-03 23:12:57
ぬこむら @nukomura_c

踵を返して去っていく尾形 その姿が消える間際ひらひらと手を振られた 嵐が過ぎ去った後の様に静まり返る部屋の中で、杉元はただ立ち尽くしていた

2018-08-03 23:18:59

合鍵渡し編

ぬこむら @nukomura_c

「……何これ」 目の前に投げ置かれたものを手にして、杉元は目を丸くした 「見りゃ分かるだろ、鍵だ」 尾形の声に顔を上げる 「いや、それはもちろん分かってるよ、……え、これって何の」 「ここの鍵以外に何かあんのか」 呆然とした顔で見つめてくる杉元に、尾形は呆れた様にふうと溜息を吐いた

2018-11-02 09:37:29
ぬこむら @nukomura_c

「いちいち下を開けてやらなきゃならねえのが面倒なんだよ それでこの階までは勝手に上がってこい そこの玄関は勝手に入るなよ、不審者と区別が付かんからな」 杉元の視線が鍵に落ちる ぽかんと空いたままの口元に、尾形は眉を顰めた 「……おい、聞いてんのか」 「あ、聞いてる、聞いてるけどさ」

2018-11-02 12:49:19
ぬこむら @nukomura_c

杉元の目が泳ぐ 躊躇う様に口をもごもごとさせた後、横目で尾形を見た 「こういうのってさ、普通家族とか、……恋人とかに渡すものじゃない?……いいの?俺で」 尾形は肩を竦めた 「大丈夫だと思えねえ奴に自分から渡すとか馬鹿のする事だろうが ……それとも何だ、疾しい事にでも使うつもりか」

2018-11-02 13:27:39
ぬこむら @nukomura_c

「そ、そんな事しないよお!」 杉元は慌てて掌を横に振った それにジト目を返して、尾形が鼻を鳴らした 「言っておくが、それを持たせているのはお前だけだからな 事が起きれば……分かるな?」 「俺だけ……」 噛み締める様なしみじみとした声色 何処か浮ついた心地の杉元の耳に、舌打ちが聞こえた

2018-11-02 18:12:58
ぬこむら @nukomura_c

「……不安だ やっぱ返せ、それ」 「ヤダーッ!」 尾形の手が届くより先に鍵を取り上げる 「大事にするから!有難う!」 顰めっ面をしている尾形に背を向けると、それを胸元でぎゅっと握り締めた ──────────

2018-11-02 18:54:47
ぬこむら @nukomura_c

(……本当、どう考えればいいんだろう、これ) 夜、選手寮の自室 ベッドで布団に包まりながら、杉元はもう何度繰り返したか分からない問いを只管に捏ねくり回していた (信頼してもらえてるって事は確かだよね でもそれだけの人間にあんなに簡単に合鍵渡すかなあ) 眉間に皺を寄せ、うんうんと唸る

2018-11-02 19:17:47
ぬこむら @nukomura_c

(もっと、こう、……もっと、俺の事を想ってもらえてたりしないかな……) これまた何度繰り返したか分からない願望を胸の中で唱える すると、またしても鍵を渡された時の遣り取りが脳裏に流れた (尾形、いつも通りな感じだったよなあ ……まあ、普段から何考えてるかよく分からない人だけど)

2018-11-02 19:48:04
ぬこむら @nukomura_c

杉元の一軍昇格後、あの日の約束通り尾形とバッテリーを組んでから暫くの時が経っていた 尾形の家での配球等を学ぶ勉強会も幾度か行なってきたが、未だに杉元は尾形の事を把握しきれないでいた 普段球場等で見せる、尾形の代名詞でもあるあの傲岸不遜な物言いは、二人でいる時は大分影が薄まっていた

2018-11-03 15:02:24
ぬこむら @nukomura_c

二人でいる時の尾形は、ただ只管にストイックに野球と向き合う生真面目な男だった それ以外の趣味を一切持たず、世間の流行には目もくれない ちょっとした間を繋ぐ為に杉元が巷の話題を振っても、そこから会話が発展する事はあまりなかった また、年の割に物知らずな面もあり、度々杉元を驚かせた

2018-11-03 16:24:42
ぬこむら @nukomura_c

自ら楽しい話を繰り出す事もなければ、気の利いた返しをする事もない 気が向けば喋るが、放っておけばずっと黙り込んでいる 勉強中以外は常にそういった調子だった 故に、それなりに共に過ごす時間を経ても尚掴み所を得られずにいたのだ にも拘らず、杉元はそんな尾形に心惹かれるものを感じていた

2018-11-03 17:43:13
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