ニンジャスレイヤー二次創作【クルエル・ビジネス・イン・ミッドナイト】

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鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

【クルエル・ビジネス・イン・ミッドナイト】 #4215tk

2018-09-09 19:00:14
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

ウシミツ・アワー。ネオサイタマ郊外の薄暗い路地を、一台の家紋リムジンが駆け抜けていく。重苦しい雲の隙間から、二つに割れた月が見下ろしている。「実際よォ、アタイはうまくやってる。そう思わねえか」後部座席の女が誰にともなく言った。大柄で、油断ならぬアトモスフィア。1 #4215tk

2018-09-09 19:05:56
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「ええ、そう思いますよ。ボス」答えたのは、助手席に座る男……否、モノクル型サイバースコープにメンポを装着したニンジャだ。「ビジネス先は着実に増えています。グッド・ジョブ。忙しくなりますよ」「あァそうだよ、忙しくしてやんなきゃなんねえんだ。カネのためにもな」 2 #4215tk

2018-09-09 19:10:33
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

女はうんざりとしたように言った。彼女の膝には子どもめいて小さい影が座り込み、それとは別にもたれかかってうとうととしている少女がいる。「決して……決してだな。こいつらみてえなガキの面倒に時間をかけちゃいけねえんだよ」「そうですか」ニンジャが笑う。3 #4215tk

2018-09-09 19:15:10
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「そうおっしゃるわりには世話を焼いているように見えますが……」「仕方ねえだろ姐さんの頼みなんだから」うんざりしたように女は片手を上げる。「『蜂の巣』に行く暇もねえ!」「ビズが波に乗り始めたら、どちらにせよ行く暇がなくなるかと」「シャラップ!」4 #4215tk

2018-09-09 19:20:16
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

女の語気に、ニンジャは肩をすくめて黙り込む。パラ、パラタ、パラタタタ……リムジンのフロントガラスに雨粒がぶつかり始めた。「めんどくせえ天気」「まったくです」舌打ちまじりの女の言葉に、ニンジャが律儀に合いの手を入れた。パラタタタタ……雨脚が強まる。5 #4215tk

2018-09-09 19:25:33
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

不意に車内を沈黙が包み込んだ。女の膝に座っていた小柄な影が身じろぎし、緑色に光る瞳で車内を見回す。「なあ、カレキ=サン」「なんでしょうか、CEO」女の呼びかけに、運転手の女が答える。女は窓の外を睨んだままで質問を重ねた。「この車、買ってから何年経った」6 #4215tk

2018-09-09 19:30:37
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

運転手は少しの間黙り込む。「2年ほどかと」「そうかい。買い換えどきだな……イヤーッ!」突如、女は後部ドアを蹴り開け側でうたた寝をしていた少女とともに外へ脱出!「イヤーッ!」ほぼ同時、助手席のニンジャも運転手の腕を引っ掴み車外へと脱出!直後!KABOOOM!7 #4215tk

2018-09-09 19:35:13
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

……土砂降りの雨の中、あたりを煌々と照らし出すのは炎上したリムジンだ。脱出した女は舌打ちする。リムジンを覆うようにかけられたネットを視認したからだ。刺客!「敵だ、敵!クソが!キアイ入れろローンスター=サン!」「もちろんですとも」炎の向こうからニンジャの声。8 #4215tk

2018-09-09 19:40:09
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

ナムサン。助手席のニンジャはすでに襲撃者と思しき二人とアイサツを交わしていた。「ドーモ。はじめまして。私はソウク警備の極めて優秀なニンジャ・エージェント。ローンスターです」「ドーモ。エレクトロネットです」「ドーモ。メニーバレットです。イヤーッ!」9 #4215tk

2018-09-09 19:45:13
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

BLATATATATATA!アイサツ終了コンマ6秒後、メニーバレットと名乗ったニンジャが銃撃開始!その背からは一対のサイバネアームが展開し、サンダンウチめいた弾幕の補助をしている!「イヤーッ!」ローンスターは動かず、両手を前にかざした。そこに稲光が走る。10 #4215tk

2018-09-09 19:50:23
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

おお、稲光の中から出現したのはローンスターの全身を上回るほど巨大な鋼鉄の星!スリケン!「イヤーッ!」ローンスターはそのダイ・スリケンを風車めいて回し、弾丸の嵐をすべて捌く。タツジン!「CEO!こいつら捕まえてインタビューしますか!」ローンスターが指示を仰ぐ。11 #4215tk

2018-09-09 19:55:33
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「いらん!それよりもお前、一人でやれるか」ローンスターは一瞬のうちに思考を巡らせる。成る程、敵がテッポダマなら聞くだけ無駄。企業ニンジャであればインタビューに応じる前に死ぬという見込みか。「それなら問題ありません。すぐに片付けます」「ようし、ヤッチマエ!」12 #4215tk

2018-09-09 20:00:10
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

……炎の向こうに叫び返した女は、すぐに闇の中を睨む。「アタイのほうにこないわけねえんだよ、CEOなんだから……ハートレンド=サン!」「ハイ」虚ろな返事とともに、眠たげな少女が顔を上げた。その顔にはいつの間にかサイバーメンポが装着されている。彼女もまたニンジャ!13 #4215tk

2018-09-09 20:05:36
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「スゥー……」ハートレンドと呼ばれた少女が深く息を吸う。痩せた体躯のうち、その腹だけがカエルめいて膨れ上がった。同様にメンポもまた展開し、メガホンめいた形状の装置を露出。そして!「YEEEEEART!」装置から放たれたのは極大まで音量を上げたカラテシャウト!14 #4215tk

2018-09-09 20:10:06
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

ビリビリと空気を震撼させるそのシャウトは、周囲の廃墟ビルすら震わせ、特に安普請のものに致命的な亀裂さえ生じさせた。のみならず「……グワーッ!?」ゴウランガ!闇に紛れアンブッシュを仕掛けようとしていたステルスニンジャが、衝撃に耐えかね姿を現わす!15 #4215tk

2018-09-09 20:15:09
@hiiragi_r_t_d

ナムサン!無差別攻撃にジツの集中を維持できなくなったか! #4215tk

2018-09-09 20:16:14
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「ほら、いやがった」女は舌打ちし、おもむろにアイサツした。「ドーモ。はじめまして。ソウク警備CEOのヒヤエナです。こっちは護衛のハートレンド=サン」「ドーモ」おお、見よ。顔を上げた女の顔には、すでにメンポが装着されている!「ただじゃ済まさんぞ、野良犬ども」16 #4215tk

2018-09-09 20:20:14
@hiiragi_r_t_d

ソウク社としてはナメられては困る……きっちりオトシマエ重点だ!オツカレサマドスエ! #4215tk

2018-09-09 20:24:25
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

【クルエル・ビジネス・イン・ミッドナイト】つづき #4215tk

2018-09-16 18:00:19
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「……ドーモ。スティルネスです」アンブッシュ者はアイサツを返し、カラテを構えた。その両手首から仕込みサイバネネオン刃が展開。ヒヤエナは鼻を鳴らす。「カタナ社のサイバネティクスか。いい趣味してるぜ」「イヤーッ!」ネオン光を帯のごとく残し、スティルネスが疾走!17 #4215tk

2018-09-16 18:05:41
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

ヒヤエナは眉をわずかに上げる。ハヤイ。BLAM!BLAM!BLAM!ヒヤエナの護身用ヤクザ・ガンから放たれる弾丸を弾き、あるいはジグザグ軌道で回避し、瞬く間に距離を詰める。「なんだよ、思ってたよかやるじゃねえか!」「イヤーッ!」ナムサン!ワン・インチ距離!18 #4215tk

2018-09-16 18:10:19
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「イヤーッ!」「グワーッ!?」しかし、ネオン刃がヒヤエナに届くことはなかった。大柄な彼女の股をくぐるように、ニンジャローブで全身を覆った小柄な影が跳ね上がるようなカラテ・アッパーを叩き込んだのである!スティルネスの身体が宙を舞う!「ヌウッ……イヤーッ!」19 #4215tk

2018-09-16 18:15:30
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

スティルネスは空中で姿勢制御。スリケンを投擲し追撃を防ぐ!「YEEEEEART!」ハートレンドの叫びがそれをすべて弾き散らした。その間にスティルネスはタタミ五枚分の距離をとって着地。忌々しげにローブ姿の小柄な影を睨む。「あァ、すまんな!紹介を忘れてた」20 #4215tk

2018-09-16 18:20:30