@yagiyagiosaka さんの原子力災害における避難の法的根拠についての考察

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ekou_yagi @yagiyagiosaka

(1)質問を頂いたので、原子力災害における「避難」の法的根拠について、いくつかここにも記しておきます。

2011-04-22 10:04:59
ekou_yagi @yagiyagiosaka

(2)今回設定された「警戒区域」は、災害対策基本法第63条に基づくものであると理解しています。警戒区域への立ち入りは罰則付で制限されるため、非常に重い措置です。その権限は市町村長にあります(厳密にはこの権限は国にはありません。状況によって知事による代行は可)。

2011-04-22 10:05:05
ekou_yagi @yagiyagiosaka

(3)4/22以前に示されてきた避難・屋内退避の指示は、原子力災害対策特別措置法15条第3項の規定に基づく避難・屋内退避であり、災害対策基本法第60条の避難の指示(避難勧告)に準ずるものです(罰則なし/その権限者は63条と同じ)。

2011-04-22 10:05:19
ekou_yagi @yagiyagiosaka

(4)過去の自然災害では「避難指示」という言葉がよく使われてきましたが、多くの場合は60条によるもの(つまり自宅に残ることや、立ち居いることの罰則はなし)であり、罰則が伴う警戒区域が設定される(63条)ことは稀です。

2011-04-22 10:05:34
ekou_yagi @yagiyagiosaka

(5)意外に感じられるかもしれませんが、国は、災害に関して(原子力に限らず)避難等を指示する法的権限はもちません。国は避難等の指示の「指示」を行い、それに基づき、実際の権限者である首長が指示するというのが法的枠組みです(もちろん原子力の場合は実際は国が決めるのですが)。

2011-04-22 10:06:35
ekou_yagi @yagiyagiosaka

(6)今回示されている「計画的避難区域」「緊急時避難準備区域」の法的根拠については不明です(もしあればご指摘下さい)。従来の原子力災害特別措置法にはこのような概念はないと理解しています。が、これは今回観測されたような線量… (cont) http://deck.ly/~Qfns0

2011-04-22 10:07:16
ekou_yagi @yagiyagiosaka

(7)今回の「警戒区域」の設定は、対象エリアの世帯数が多いことや、対象となるリスクが(噴火災害等と比較して相対的に)コントロール可能であることから、先例にとらわれることなく、今後も継続的に対象地域の人々の要望にそった形で一次帰宅等が認められる枠組み作りが急務だと考えます。

2011-04-22 10:07:29
ekou_yagi @yagiyagiosaka

(8)以上です。私自身は法律の専門家ではないので、もし誤り等ありましたらご指摘いただければ幸いです。

2011-04-22 10:08:01