黒い森の麗しの緑野:アルベルト・レオ・シュラーゲターの生地探訪

戦間期の義勇軍戦士、アルベルト・レオ・シュラーゲターを著書『暴力の経験史』で扱われた今井宏昌(@heero108)先生による、彼の生誕の地、シェーナウへの訪問記をまとめました。 参考 ・今井宏昌『暴力の経験史:第一次世界大戦後ドイツの義勇軍経験1918~1923』:https://www.amazon.co.jp/dp/4589037688/ref=as_li_ss_tl?ie=UTF8&linkCode=sl1&tag=hhasegawa-22 続きを読む
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フライブルク~ティティゼー周辺

朝守飛阿弥 @heero108

#セイチ巡礼① 本日は日曜日ということもあり、今回の出張のもうひとつの目的である記念碑めぐりへ。目的地は修論時代から検討してきたドイツ義勇軍戦士アルベルト・レオ・シュラーゲターの生地、シュヴァルツヴァルトのシェーナウ[Schönau im Schwarzwald]。フライブルク中央駅から片道2時間程度。 pic.twitter.com/KUDYul66px

2018-09-17 03:14:42
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フライブルク周辺の交通地図については、こちらを参照(大容量PDFにつき注意)。

朝守飛阿弥 @heero108

#セイチ巡礼② まずはフライブルク中央駅から、バーデン=ヴュルテンベルク州きっての湖畔リゾート・ティティゼー[Titisee]へ。現在、鉄道路線が大幅改修中ということもあり、中央駅からは頻繁にバスが出ている。山道をぐねぐねと登るバスに揺られ、1時間足らずで到着。バス停前には工芸品のお店が。 pic.twitter.com/4PNRbEl7IF

2018-09-17 03:21:56
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朝守飛阿弥 @heero108

#セイチ巡礼③ 次にティティゼーからシェーナウへ向かおうとしたのだが、ここでポカをやらかし別のバスに乗ってしまう。気づいたときには遅く、終点であるシュルヒ湖[Schluchsee]東端のゼーブルック[Seebrugg]で降ろされることに。仕方ないので、自作のサンドウィッチをほおばりつつ湖周辺を観光。 pic.twitter.com/I3ZQwc4Pjg

2018-09-17 03:34:45
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※ ティティゼー~シュルフゼーのあいだは鉄道(Dreiseenbahn)でも結ばれており、こちらもおすすめ。

朝守飛阿弥 @heero108

#セイチ巡礼④ その後ティティゼーへと戻り、本来乗るべきだった7300番のツェル[Zell im Wiesental]行きバスに乗り込む。この時点で2時間のロスだが、時間はたっぷりあるので気にしない。バスから見えるシュヴァルツヴァルトは、想像したよりかなり起伏が激しい。北部九州山間部育ちとしては親近感。 pic.twitter.com/WBfJ9xOAFz

2018-09-17 03:41:15
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ティティゼー~シェーナウ

朝守飛阿弥 @heero108

#セイチ巡礼⑤ 30分ほどバスに揺られると、小さな町がみえてきた。トートナウ[Todtnau]だ。ここを北上すれば、かつて@hhasegawa氏が訪問したハイデガーゆかりの地トートナウベルク[Todtnauberg]に辿り着く(togetter.com/li/1175053)。だが私は哲学者でないので完全にスルー。また機会があれば。 pic.twitter.com/6KUm28I39j

2018-09-17 03:49:19
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※ ハイデガーは1933年、フライブルク大学総長として元学生であったシュラーゲターの死を顕彰する演説をしており、テクストは全集第16巻に収録されている。また、そこではこうした黒い森の地理環境について特別な注意が喚起されている。

朝守飛阿弥 @heero108

#セイチ巡礼⑥ それからさらに30分揺られ、ようやく目的地であるシェーナウに到着。Google先生に教えを賜った結果、シュラーゲター記念碑跡地は墓場前のバス停[Friedhof]を降りてすぐということだったので、そこで下車。 pic.twitter.com/444HQPkhaC

2018-09-17 03:58:40
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シェーナウ教会

朝守飛阿弥 @heero108

#セイチ巡礼⑦ バスを降りると、目の前に教会が立っていた。もともと神社仏閣教会巡りが趣味ということもあり、まずは教会へと向かう(真面目な話、教会に戦争記念碑が付随していることが多々あるので)。しかし教会に近づくうち、だんだん妙な既視感と胸騒ぎにとらわれることに。 pic.twitter.com/Y9JYGj3caF

2018-09-17 04:18:44
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朝守飛阿弥 @heero108

#セイチ巡礼⑧ そう、遅まきながらも私はようやく気づいたのだ。この教会こそ、戦前にポストカード化されたシュラーゲター記念碑の写真の教会だと。 ak-ansichtskarten.de/ak/91-Alte-Ans…

2018-09-17 04:21:26
朝守飛阿弥 @heero108

#セイチ巡礼⑨ 修論以来足跡を辿り、また脱神話化を試みてきた人物の影が、確かにそこにあった。それに気づいた瞬間、自分の中になんとも形容し難い感情がこみ上げてきた。 pic.twitter.com/o4az6F7Z9G

2018-09-17 04:24:35
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朝守飛阿弥 @heero108

#セイチ巡礼⑩ 説明文によれば、この教会は「聖母被昇天教会[Mariä Himmelfahrt]」というカトリック教会らしく、その起源は12世紀にまで遡るとのこと。元来敬虔なカトリック青年だったシュラーゲターも、幼少期はこの教会とともに過ごしたことだろう。 pic.twitter.com/tfoXR00RTu

2018-09-17 04:34:15
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朝守飛阿弥 @heero108

#セイチ巡礼⑪ 教会の中に入ってみる。小規模な町の教会とは思えないほど豪華で整然としており、地域住民から愛されている様子が窺える。 pic.twitter.com/shPWdmDfz6

2018-09-17 04:38:24
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朝守飛阿弥 @heero108

#セイチ巡礼⑫ 教会の外の広場では、お祭りが開催されていた。陽気な音楽が周囲に響き渡る。天気もよく、いつもならば露店で一杯やるところだが、今日はあまりそんな気分にはなれなかった。私にはまだミッションが残っているのだ。 pic.twitter.com/gTXn8sjaxc

2018-09-17 04:46:35

シュラーゲター記念碑跡地

朝守飛阿弥 @heero108

#セイチ巡礼⑬ 教会を離れ、丘の方へと向かう。周辺には宿が立ち並び、観光地としても栄えていることがわかる。電波が弱いため、ポストカードの画像を手がかりにしながらあたりをつけていくと、やがて山道が見えてきた。 pic.twitter.com/NPnlMo9Fh5

2018-09-17 04:51:38
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朝守飛阿弥 @heero108

#セイチ巡礼⑭ 左のルートを選び登っていくと、さきほど降り立ったバス停が眼下に姿を現した。それを横目にさらに登っていくと、ついに頂上と思わしき場所への道が。 pic.twitter.com/tGyiSkWiTZ

2018-09-17 04:54:28
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朝守飛阿弥 @heero108

#セイチ巡礼⑯ 跡地からの風景は素晴らしく、例の教会もより一層引き立って見えた。だが、ここにかつて存在した記念碑が、想像を絶する数の人びとを呑み込んだ殺戮の風景とわかちがたく結びついていたことを思うと、眼の前の風景の美しさが何よりも悲しく、そして恐ろしかった。 pic.twitter.com/mZWzUjc8gP

2018-09-17 05:10:46
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朝守飛阿弥 @heero108

#セイチ巡礼⑰ 記念碑跡地の後方には、さらに別の何かの跡地と思われる石積みがあった。ぐるっとまわってみると、階段が2つ。 pic.twitter.com/Dfx4nCqRuP

2018-09-17 05:13:07
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朝守飛阿弥 @heero108

#セイチ巡礼⑱ 頂上には、そこにあったはずの「何か」の痕跡があった。最初はこちらがシュラーゲター記念碑なのかと思ったが、ポストカードを見る限り風景が異なる。この点については調べが足りていなかった。 pic.twitter.com/jCgnjGhAeh

2018-09-17 05:16:24
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