これは一見、売り手市場でクリエイターのみに良い時代になったと感じがちだが、それは間違いだ

メンタリティの問題で考えると、今は確実に買い手市場だ。 なぜなら発注側は断られようが受けようがへこたれない(そんなメンタリティだとプロデューサーなんてやってられない)が、自作に愛を注いで昇華させ結果を出して来たクリエイターは一つ一つの依頼に時間をかけて一喜一憂してしまう。
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三木一馬 @km_straightedge

今の世の中はクリエイターが作品を発表することがとても簡単になって、そしてすぐに商業の道にも通じていくため、「自分が作ったものをより多くの人に見てもらいたい」という創作者のプリミティブな欲求を容易に満たすことが可能になった。

2018-09-20 11:26:00
三木一馬 @km_straightedge

数え切れないくらい、映像や出版、音楽の新興メディア/レーベルが生まれ、クリエイターの選択肢も数え切れないほど広がっているため、これは一見、売り手市場でクリエイターのみに良い時代になったと感じがちだが、それは間違いだ。

2018-09-20 11:26:10
三木一馬 @km_straightedge

依頼する側のプロデューサーや編集者にとっても、とても良い時代になった。理由は簡単で、いくらでも大量のクリエイターをすぐに見つけることができ、メール一本で簡単に発注できるからだ。しかも断られても同じ品質で作ってくれる他の人間は山ほど存在する。一つダメならすぐ他に発注できる。

2018-09-20 11:28:00
三木一馬 @km_straightedge

メンタリティの問題で考えると、今は確実に買い手市場だ。 なぜなら発注側は断られようが受けようがへこたれない(そんなメンタリティだとプロデューサーなんてやってられない)が、自作に愛を注いで昇華させ結果を出して来たクリエイターは一つ一つの依頼に時間をかけて一喜一憂してしまう。

2018-09-20 11:28:23
三木一馬 @km_straightedge

それはメンタリティがとても削られる出来事で、ポジティブな案件なら良いのだがネガティブな事態に巻き込まれたとき、そのメンタル低下による創作効率の低下はかなり深刻だ。

2018-09-20 11:28:45
三木一馬 @km_straightedge

ゆえに、僕が考えるこれからのクリエイターに求められる技能は、斬新なアイディアや、他の人間が気付けなかった組み合わせの演出や、多くの人々が抱いているが説明されていなかった感覚の具現化といった共感を得られる作品の制作だけではない。

2018-09-20 11:29:09
三木一馬 @km_straightedge

それができたあとに襲い来る大量の(無作為な絨毯爆撃のような)テンプレ無感情仕事依頼とそこに少しだけ混ざっている真摯的なオファーに対して、冷静で客観的に見据える強靭なメンタルである。

2018-09-20 11:29:21
三木一馬 @km_straightedge

ブレイクした一冊がきっかけで大量の出版オファーが届き、そこで舞い上がって執筆依頼を「全受け」してしまい、次々来る各社からの締切に追われた結果、満足できない作品を生み出したり(このツケは将来の売上低下に直結する)、集中するメンタルが保てず原稿が書けなくなる。

2018-09-20 11:31:31
三木一馬 @km_straightedge

僕はそんな作家さんを今までたくさん見てきた。 エージェント(代理人)と言うと、例えるならプロ野球選手の年俸調停で同席する弁護士や、交渉テーブルで争う依頼主の尖兵のような印象を持つかもしれない。

2018-09-20 11:32:14
三木一馬 @km_straightedge

著作権エージェンシーも版元と利潤追求の面において反目しがちだが、僕の目指すところは全く異なる。ストレートエッジのポリシーは『創作ファースト』だ。そのためなら、契約作家の耳に痛い事だって言う。作家が書く創作物がもっとも世に広がっていくことを考えて行動する。

2018-09-20 11:32:25
三木一馬 @km_straightedge

ただこれはそもそも本来からある編集者なら当然できる、作家と寄り添う仕事だ。 だからこそ既存の編集者にもできる得意な業務なのだが、彼らの所属先が『自社媒体ファースト』を掲げる出版社であるため、どうしても完全にフラットな意見を言うことは難しい。

2018-09-20 11:33:05
三木一馬 @km_straightedge

ときに優しく、ときに厳しく、ときに冷静でときに熱血で、第三者目線で客観的な意見を伝えて作家と寄り添うことが次代の編集者には求められる。

2018-09-20 11:34:24
三木一馬 @km_straightedge

悪意がないからこそ恐ろしい、買い手による無作為で無思慮な有象無象の誘惑に対して、客観的なリーガル的なコンサルティングだけでなく「作家の執筆環境」も最大限に広げるメンタルケアも合わせてサポートすることができれば、それが新しい日本式の『エージェント』となると考えている。

2018-09-20 11:34:35