2018年9月27日

独創的研究は「競争」より「棲み分け」

欧米の研究の進め方は、アジア人を競わせ、成果をボスが牛耳るやり方。日本の研究者は大半が日本人で、しかも周囲に気を使う民族性。競争するとかえってパフォーマンスが悪くなる傾向がある。
2
shinshinohara @ShinShinohara

あくまで仮説でしかないのだけれど、日本の研究は「競争」よりも「棲み分け」の方が適しているのではないか、と思う。欧米では、アジア人が相当部分、研究を担っている。オックスフォードに留学した友人は、「手を動かしているのはアジア人研究者ばかり」だと言っていた。

2018-09-25 19:25:43
shinshinohara @ShinShinohara

教授は白人が多い。つまり、「羊の群れを操る羊飼い」状態。さすがに牧畜民族だけあって、たくさんの力を統御するのがうまい。一旗挙げようというアジア人の熱意をうまく利用して、欧米の研究はかなり成り立っている。もちろん、欧米はアジア人の教授もそこそこいる。でも不思議と白人が多い。

2018-09-25 19:28:40
shinshinohara @ShinShinohara

だから、アジア人の間では競争があるが、現地の白人に激しい競争があるのか、ちょっと疑ってみてもよいかもしれない。欧米を単純に競争社会とみなすのには、慎重さが必要かもしれない。

2018-09-25 19:29:46
shinshinohara @ShinShinohara

日本は、先進国には珍しく、外国人の力をほとんど導入していなかった国。2000年代に入って、かなり外国人の研究者も入ってきたが、それでもまだまだ日本人が多い。

2018-09-25 19:31:18
shinshinohara @ShinShinohara

日本の研究は、競争的資金というものがいまのように積極的に導入する前は、のんびり行われていた。でも、その時代にノーベル賞が続出している。その頃の研究の決め方は「棲み分け」だった。どうやっていたかというと。

2018-09-25 19:34:52
shinshinohara @ShinShinohara

「じゃあ、この微生物の研究をする?これ、やっている人が日本ではいまいないから」というもの。誰かと同じ分野で「競争」するのではなく、まだ誰もやっていない研究分野を研究する、というスタイルだった。「棲み分け」が当然だったのだ。

2018-09-25 19:37:23
shinshinohara @ShinShinohara

実は、研究で独創性を示そうと思ったら、一番簡単な方法は「まだ誰もやっていない」「誰も研究していない」ことを手がけることだ。「競争」なんかやったら、ムダになることが多い。一番乗りしか功績として認められないんだから、誰もやっていないことをやったほうがいいに決まってる。

2018-09-25 19:39:23
shinshinohara @ShinShinohara

「誰もやっていない」ことを研究していると、不思議なことに、情報が自分のところに集まってくる。「この分野の専門家はいないでしょうか?」というと、「それはあいつしかいないね」と、研究者同士で紹介しあう。自分の専門分野に関する情報が続々と集まり、研究のヒントがたくさん得られる。

2018-09-25 19:41:18
shinshinohara @ShinShinohara

研究で競争するというのは、実にムダ。流行の分野にみんな殺到したら、同じことをする人間が出てくる。その労力と資金が無駄になる。私はそうした状態を「だんごサッカー」と呼んでいる。サッカーの初心者が、みんなボールの近くに群がる現象だ。

2018-09-25 19:42:42
shinshinohara @ShinShinohara

サッカーで勝とうと思ったら、「誰もいないところ」に立っている必要がある。誰もいない場所なら、誰にも邪魔されずにパスを受け、別の人にパスを出す成功率が上がる。パスをつないでいきたければ、ボールの場所に集まるのではなく、ボールから離れることだ。

2018-09-25 19:44:12
shinshinohara @ShinShinohara

日本の研究は長らく、交付金だけで行われてきた。その時代の研究テーマの決め方は、「誰もやっていない」テーマをすることだった。そうすれば、独創性はほぼ約束される。あとは、専門家として知られることによる情報収集と、異分野の技術を転用することで独自の成果を出せばよいことだ。

2018-09-25 19:45:52
shinshinohara @ShinShinohara

ノーベル賞を受賞した大隅教授の研究は、酵母の顕微鏡観察から始まっている。研究の初めは、まさかアルツハイマー病にもつながる成果だと思って始めていない。おそらく、「まだ誰もやっていない」ことだけを理由に研究を始めたはずだ。

2018-09-25 19:47:56
shinshinohara @ShinShinohara

研究は、後で役に立つことがわかっても、事前にはわからない。事前に役立つことがわかる研究は、多くの場合、発展性に乏しい。事前に何に役に立つのか予想できることは、成果の出る量も見通せてしまい、つまらない。

2018-09-25 19:49:52
shinshinohara @ShinShinohara

「まだそれは誰もやったことがない」、ただそれだけの理由で始めた研究の方が、得られた成果が末広がりになる。一大分野を形成することにつながる。もちろん、興味本位で終始する研究が大半だろう。しかしそういう研究の中から、とんでもないものが生まれる。

2018-09-25 19:51:18
shinshinohara @ShinShinohara

実用的研究6、基礎研究(未踏研究)4、という配分くらいでよいのではないだろうか。でっかい研究を増やしたいなら、後者の配分をもっと増やすとよい。今の日本は、手っ取り早く成果が出る研究ばかり推奨されて、おかげでつまらない小粒成果ばかりになってしまった。

2018-09-25 19:52:50
shinshinohara @ShinShinohara

昔、心理学の本で面白い実験が紹介されていたのを読んだ。テストをするのに、成績を公表・非公開のどちらで、成績が伸びるかの実験。欧米人は、公表したほうが伸びた。日本人は非公開の方が成績が伸びたのだ。競争になると、日本人はずいぶん弱くなるらしい。

2018-09-25 20:24:27
shinshinohara @ShinShinohara

日本人は、大陸と比べて、他者の気持ちを推し量りながら行動することが多い。だから、競争のような条件になると、気を遣うほうにエネルギーがとられて、学習がおろそかになってしまうらしい。他方、非公開で自分一人が努力すればよいだけになると、学習がはかどるようだ。

2018-09-25 20:26:07
shinshinohara @ShinShinohara

日本人は、そういう意味では競争しないほうが、実力を伸ばせるような気がする。「気を遣う」という文化がある以上、競争はむしろ日本人の実力を阻害するような気がしてならない。

2018-09-25 20:27:09

コメント

mikumiku_aloha @mikumiku_aloha 2018年9月28日
もう30年ぐらい前の話しなので今は違うのかもしれないが、情報処理学会の全国大会でパネルディスカッションを見たら、パネラーがお互いの棲み分けの線引きをしただけでおわりディスカッションになっていなくてがっかりした。専門部会はそんな事無いと聞いたけど
0