竹熊健太郎氏と村上隆氏の往復書簡

竹熊健太郎《Aタイプ》 @kentaro666

.@takashipom 敗戦をバネにして戦後の高度経済成長があり、その結実としてオウム真理教とバブル経済が生まれ、ともに90年代初頭から中盤に崩壊しました。高度経済成長の申し子としてはもう一つ、オタク文化がありますが、(続く）

竹熊健太郎《Aタイプ》 @kentaro666

.@takashipom （承前）これは今回の震災と原発事故で「終わらない豊かで平凡な日常」が終わった事で「変質」を余儀なくされているというのが僕や東浩紀氏、森川嘉一郎氏らの共通認識だと思います。村上さんも現状認識として共通するものを感じます。

takashi murakami @takashipom

@kentaro666 オタクは僕は日本の芸術を進化させて行く、未だ未解決かつ深遠なエリアだと思っています。原発とオタク的感性はある種のエリート意識の表出だと思います。狭い世界にも関わらず「宇宙を理解している」と思い込めるのは太陽を造れると夢想する科学者と

takashi murakami @takashipom

@kentaro666 世界系にへその緒が繋がっているオタクの世界を掌握可能であるはずという世界観は非常に近い。

takashi murakami @takashipom

@kentaro666 故にオタクの半数以上は原発への親和性をいまも抱えているはずです。つまりオタクエリート達は。

takashi murakami @takashipom

@kentaro666 オウム、バブル、原発、敗戦、そして自己欺瞞に核融合を希求する、オタク。やっと日本の役者が出揃ったと思うのです。

竹熊健太郎《Aタイプ》 @kentaro666

.@takashipom 村上さんとは長い付き合いですが、「オタク的なるもの」を巡っての村上さんのスタンスを、僕は長い間誤解していたのかもしれません。今回の原発事故を受けて村上さんのtweetを見て、勇気づけられましたし村上作品への理解も深まったように感じました。

takashi murakami @takashipom

@kentaro666 いまも、オタク的エリート達は反原発的理念をして「阿呆か。停滞するのではなく進化させよ。それが人類が進んで来た道なのだから」と鼻でせせらわらってる。理解出来ます。そしてそうしたエリート的発想に頷きたいのも

takashi murakami @takashipom

@kentaro666 オタク的感性の核心部分。その夢想空間の創造の端緒の発掘が僕らの仕事ですよね。竹熊さんのフィールドワークと「１Q８４」の構造は極めて近接している。「エヴァ本」〜「篦棒な人々」への流れはまさにオタク生成への戦後史だったと思い、何度も何度も読み返して来ました。

takashi murakami @takashipom

@nennpa @kentaro666 彼らの根底には「宇宙を理解したい」「宇宙を造る事は可能だ」という神への願望がある訳であり、共存共栄等と言う生温い思想は「糞」なのです。

竹熊健太郎《Aタイプ》 @kentaro666

.@takashipom 僕の仕事は90年代までで一度完結してしまいました。それも大して部数の出ないマイナーな形で、一部の人が評価してくれましたが、それでおわりです。つぎのステップを考えると、村上さんの仕事が一つのお手本として見えてきましたが、とても僕には出来ない事でした。

takashi murakami @takashipom

@kentaro666 違う！竹熊さんの仕事は宮崎駿達のホルスからカリ城までの『報われなかった時代』なだけです。ここから、日本が必要とするのです。竹熊さんの思考の中心部分を。これはマジでそう思い続けて来ました。ハァハァ。告白出来て良かったです。

竹熊健太郎《Aタイプ》 @kentaro666

@takashipom 今度お話できたらと思います。

竹熊健太郎《Aタイプ》 @kentaro666

原発事故発覚後の当局者の狼狽と混乱を、太平洋戦争の開戦と敗戦を回避できなかった日本の姿と重ね合わせる人が多いですが僕もそう思います。日本は何も変わっていなかったと痛感しています。RT @takashipom: 日本の芸術は結局、敗戦と原子力をいまだ解決し切れていなかったのだ。

takashi murakami @takashipom

@kentaro666 公開往復書簡等が良いのかもですね。なんにせよ、竹熊さんを一番評価していないのはご本人です。マジで！「私とハルマゲドン」等、いま、まさに読み返すべき一冊ですよね。

竹熊健太郎《Aタイプ》 @kentaro666

.@takashipom 僕の知る範囲で「作品の制作」だけではなく、「発表するシステム」まで作った作家は村上さんくらいです。電子出版の登場で僕にも出来そうな幻想を抱きましたが現実は厳しい。そうそう、東浩紀君は自分の出版社を立ち上げましたが、多分似た思いがあるのでしょう。

takashi murakami @takashipom

@kentaro666 いまからが闘いの第一幕です。ご声援、宜しくお願い致します。なんちて。