杉江松恋氏の語る書評の作法~豊崎由美『ニッポンの書評』に寄せて
書評家・杉江松恋の語る書評の作法、心構えについて。
書評に限らず、他のジャンルの評論活動についても示唆するところがあるでしょう。
※このまとめを読む前に、下記関連項目の上二つを先に読んでおくことをオススメします。
関連項目、ツイートに漏れがあれば突っ込みよろしくです。
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杉江松恋@11/12秋季例大祭こ02b
@from41tohomania
「もしなにか本を読んで、それが自分の「おもしろいの理想形」から遠かったときに壁にぶつけたくなったとしたら、そのときほんとうに壁にぶつかっているのは、本でなく、読者である私のほうなのだ」千野帽子『読まず嫌い。』(角川書店)
2011-04-23 13:24:18
杉江松恋@11/12秋季例大祭こ02b
@from41tohomania
千野さんがしばしば提示する「人は自分がおもしろがりたいものをおもしろがる」問題と書評が何のために存在するかという問いを並べて考え中。答えはない。「考え中」というのが答えでもある。安易な回答に逃げ込まないことが肝要、と思ったりもする。
2011-04-23 13:30:29
杉江松恋@11/12秋季例大祭こ02b
@from41tohomania
『ニッポンの書評』で問題にされている「ネタばらし」の問題は、実はここにすごく関わってくる。書評者が作品の力に負け、妥協の産物として書いた文章は、それを目にした読者に致命的な予断を与えることがある。それは害毒である。
2011-04-23 13:35:43
杉江松恋@11/12秋季例大祭こ02b
@from41tohomania
「他人にとっては無益であるばかりか、もしかすると有害かもしれない書評を、自分はなぜ書くのか」これは書評者が常に反芻して考えるべき問いだと思う。答えはない。今のところは。
2011-04-23 13:38:08
杉江松恋@11/12秋季例大祭こ02b
@from41tohomania
しかし書評者は「俺は書きたいんだ」「書かないといけないんだ」という自己主張をすべきである。同時に、自分がその主張を貫くためには作法が必要だということも知らねばならない。『ニッポンの書評』は、その作法の現在を書いた本であるように私には読めた。
2011-04-23 13:42:18
杉江松恋@11/12秋季例大祭こ02b
@from41tohomania
言いたいことを言う。そのために他者(読者)が難を受けてもいい。力の弱い奴、頭の足りない奴が悪い。そういったことを公言して恥じることのない(結構いる)田夫野人とと『ニッポンの書評』は全面的に対立する姿勢をとっている。だからこそ読むべき価値があるのだ。
2011-04-23 13:46:30