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児童書『よかたい先生』 水俣から世界を見続けた医師 原田正純医師 「よかたい、よかたい」と言って立場の違いを超えてわかり合おうとした医師 pic.twitter.com/kuYdZh1CU3
2013-08-13 20:44:46↓ こういう本こそ、福島県の子ども達に読んでもらいたいなぁと思ってて。学校や図書館すべてに置いたらいいのになぁ。勿論、大人が読んでも全然大丈夫な内容です。
2018-10-01 22:12:29ヒューマンノンフィクション 「よかたい先生 水俣から世界を見続けた医師 原田正純」文:三枝三七子、絵:三枝三七子 、定価(税込)1,512円、発売日2013年08月11日、発行学研教育出版、対象小学高学年5.6 hon.gakken.jp/book/1020382600
2014-06-26 00:35:35“どこかに差別してもいいという意識があったんだろうと思う。弱い者はがまんするのがあたりまえ。犠牲にしてもいいっていう考えがあったんだと感じたね。”
2014-06-27 02:02:40“もともと差別のあるところに、公害が起きる、もしくは、起こされていると思った。権利を主張できない人、声の小さい者、教育にめぐまれず、社会的にも弱い人々は犠牲にしていいと思っているんだ。だから、平気で毒物を流し、彼らの存在を無視して、ひどいことができるんだ。”
2014-06-27 02:13:56“でも、公平・中立というのは、両者の立場が同じくらいであるときにだけ、真ん中にいることが、公平だろうし中立といえるのだと思うの。水俣病事件の場合は、患者さんたちのほうが、どう見ても社会的にも経済的にも立場が弱い。それなら弱いほうに立たんと公平ではない、とぼくは思っとる。”
2014-07-03 23:19:18“杉本栄子さんにぼくは教えてもらったことがある。「医者は治りたいと思う患者さんを手伝うだけでいいんだ」ということ。「医者が病気を治す」なんていうのは誤解で、思い上がりだね「治りたい」と思う患者さんがいて、初めて医学が生かされる。医者としてすることが出てくる。そう気づかされたんだ”
2014-07-07 23:33:35“慢性病(ある症状が日常ずっと引かない病気)治療には本人の治そうという意志と工夫が必要なこと、そして医療はそれをささえるものでしかないことを、栄子さんがぼくに見せてくれたんだ。”
2014-07-07 23:34:06“ここに来るまで、障がいのある人をぼくはかわいそうに思うとった。障がいがあるということは、大変かわいそうだと。でもね、それはちがう。”
2014-07-07 23:35:17“よく、水俣病いろいろな活動のなかで胎児性の人たちの話もされるけど、そのときに「こんなかわいそうな子たちが生まれてはいけない」というようなことを発言する人がいるんだ。悪気はないんだけど、そうすると「この子たちは生まれんほうがよかった」ということになる。”
2014-07-07 23:36:36“障がいが不幸なわけではなくて、差別や偏見、障がいを持った人の生活をむずかしくしている社会のあり方に問題がある。それとは別に水俣病は企業や行政の責任があって生じたということは、忘れないでもらいたいけどね。”
2014-07-07 23:37:33“歴史上、今までにないひどい公害、水俣病事件も次の世代に残したい大事なことがたくさんある。水俣に起こったことは、多くの人が病気になり、環境が破壊されたことだけではない漁業をはじめ、水俣の産業や経済、文化やくらしが傷つけられ、さまざまな「負の遺産」を背負ってしまったんだ。”
2014-07-07 23:38:59“この事件がどんなふうに報道され、伝えられたか。そのことで社会はどのように変わったか、変わらなかったかも、大きな目でとらえ直さなくては。”
2014-07-07 23:39:27“そうすることで、政治、経済、文化、法律、社会学、福祉、科学技術、あらゆる面から未来に生かせることがある。だから水俣学は決して水俣病学ではないんだ。”
2014-07-08 01:26:04“時間をかけずになんでも便利にできるようになったぼくたちは、心を使うことも、頭を使う回数も減ってしまったね。それは想像力が弱くなったということなんだ。…家族の状態を細やかに考える心は弱くなって、できるだけむだを出さない買い物をしなきゃ、という頭も使わなくなっていると思うんだよ。”
2014-07-08 01:26:58“絵本のダミー本をお見せしたら、そっとわたしにいわれたのです「できれば、死なずにすんだ、残されたものの命の輝きを…どこかに入れられないだろうか。それから、障がいを持って生まれたことが、決して不幸ではないということを描けんかな?」またもや、わたしに大きな課題が二つ、与えられました”
2014-07-09 22:28:54“二○一二年三月にうかがったお話です。「世の中で使われるエネルギーが変わるときに、大きな犠牲が払われる。三井三池炭鉱の事故も、石炭から石油に変わる時代だったね。今、電気というものが変わるときに来ているのだと思う。でも、今回の事故はあまりにも、水俣の経験が生かされてない。”
2014-07-09 22:32:55“原子炉を冷やすために入れた海水はどうするつもりだったんだろう。放射性物質をたくさんふくんだ水は、海に流される。海は広いから、毒である放射性物質は大量の海水でうすめられ、毒じゃなくなると思うとるんだ。それはチッソもいっとった。”
2014-07-09 22:33:34“でも、生き物は体内に毒を吸収して、毒をためていくということを見落とした結果がすでにあるじゃないかね。人間は自分の都合のよいほうにしか、現実をとらえんという結果が、五十年前に水俣病という形で出とるでしょ。なんだか、この国は成長せんね。”
2014-07-09 22:34:21“今回は、水俣といっしょにしたらいかんくらいの被害と問題の大きさだと、 ぼくは思っている。一つの企業の利益のために、という簡単なことではないから。”
2014-07-09 22:35:00“これから実際に被害が出るだろう人たちの健康チェックをおこたらないで、定期的にデータをとり続けること、そのプライバシーを完全に守って差別につなげないこと。これが何より大事だね。差別が起こらないように、正しく報道されること。これには細心の注意を払ってほしい。”
2014-07-09 22:35:56“ぼくは残念ながら最後まで、見守ることはできそうにないね。」そういわれて、買ったばかりの本を開き、「やりたかったことが、全部はできんね…」と、静かにつぶやかれました。”
2014-07-09 22:36:21“「ぼくはね、ほとんどの人間は公害病と付き合っていくしかないと思っとるところもあるんです。みんななんらかの形で、文明-便利なものを使い、便利な体験をしとるからね。”
2014-07-10 02:24:49“でも、胎児性水俣病の子たちだけは、何も文明のいいことを受けることなく、生まれてきたときから苦しみと痛みを背負っているんだよ。あの子たちは、この便利なくらしをしているぼくらの犠牲になったということです。それを忘れないでほしい。」”
2014-07-10 02:25:15