マスタリングエンジニアMandy Parnell 公開インタビューより抜粋意訳
- VocalEdit_com
- 4259
- 14
- 0
- 0
勢いで書いたため文体の一貫性のなさについてはご容赦ください。
また、英語話者にしては珍しく主語が不明瞭であったり、問いに対する返答があやふやであったりするのはインタビューイーの個性による部分が少なからずあります。ご了承ください。
Loop | Mandy Parnell公開インタビューより youtube.com/watch?v=D-XWRX… 以下、思いつき抜粋
2018-10-02 15:24:5303:43 Annie Lennoxの作品をマスタリングしたとき周波数を操作してグルーヴを変えた -コンプを使ってなどでなく? いいえ。 -EQでグルーヴを変えられるの?
2018-10-02 15:24:53もちろん。(ジェスチャーで低域の反対を指して)こっちで何かを変えればキックの反応に影響に影響する。あるいはこちらを変えればベースの鳴り方が変わる。 -まるで魔法のようですが… まぁ、みんなやってることです。
2018-10-02 15:24:5404:37 クライアントにはなるべくマスタリングに立ち会うよう勧めている。特にエンジニアをよく知らないうちはマスタリングを抽象的な工程と考えずに作業現場を訪れることが重要だ。直接会う方がコミュニケーションもとりやすい。まずソファでミックスを確認する。
2018-10-02 15:36:35この作業は、実際に作品が聴かれる環境に近い状態で行う。 この段階で、気になった箇所をメモする。こうしてリラックスした環境で聴くと、マスタリングで直すべき箇所が見えやすくなる。
2018-10-02 15:36:35次にクライアントとディスカッションを行う。これはアーティストであったり、プロデューサー、ミキサー、A&Rなど…その場にいる人が相手の誰か、あるいは全員ということもある。
2018-10-02 15:36:35自分が聴いて感じたことを伝える場合もあるし、アーティストが立ち会っていればアルバムコンセプトについて尋ねることもある。ミキサー相手にミックス中に行われた手順に関する技術的な話にとどまることもある。とにかくケースバイケースだ。それを終えて、ようやくマスタリングを開始する。
2018-10-02 15:36:3605:53 アルバムのマスタリングにかけるのは、だいたい1日から2日程度。それより時間がかかる場合もある。以前にAphex Twinと仕事をしたときは、トライアルを行ってはフィードバックを受けて、の繰り返しで時間を要した。ようやく着手できることになった日、
2018-10-02 15:45:53日中にインディバンドのマスタリングを終えてやや閉所恐怖症気味になっていたが…夜も11時になった頃、アシスタントに「今からAphexTwinに取り組むつもりだが一緒に徹夜する気はあるか?」と尋ねたところ、彼は飛び上がって喜んだ。そこで照明を落とし、ひっそりとしたレイブパーティのノリで作業した
2018-10-02 15:45:5406:51 アーティストが立ち会ってはいるものの、一人の方がよい成果を出せそうだと伝えて、しばらく席をはずしてもらうよう申し出ることもある。一方、立ち会ってもらった方がいい場合もある。これもケースバイケース。
2018-10-02 15:57:07-それはアーティストとの相性の問題とか? それもあるし、単純にその作品とどう向かうかということもある。 -一人の方が作業しやすい音楽があるということ? そう、どうしても昼間ではなく夜間に作業する方が向いている音楽もある。 夜通し取り組む方がよいように思われる作品もある。
2018-10-02 15:57:07たとえばMax Richter"Sleep"のように。 この8時間に及ぶ作品は数日に分けて作業した。 -8時間で一作品? ええ -そのような作品のマスタリングはどのように?通して聴く? セクションに分けて作業する。1セクションは14分から1時間のものまであった。各セクションごとに山ほどオートメーションを描いた
2018-10-02 15:57:0707:49 -リリース前の作品について語れることは? ビョークの新譜を終えたばかりだ。彼女の作品では毎回技術的な挑戦を強いられる…今回も例にもれず。 彼女は常にイノベーティブで、なにもかもやり方が独特だ。これにより対応する側も自らの限界を越えることを要求される。 -
2018-10-02 16:10:55そしてやり方もアルバム毎に変わると? そのとおり。 -つまりビョークが毎回コンセプトを携えてきて、それを形にするのを手伝うような感じ? まさにそう。アーティストとして強固なコンセプトをもっているが、それをどう形にするか?
2018-10-02 16:10:55特に彼女はアンダーグラウンドの出身で、そのテーマを堅持しようとする。しかし彼女はビッグアーティストなので、その作品を一般に伝わる形に落とし込まなければならない。必然的に、その橋渡しをするような作業になる。
2018-10-02 16:10:5611:27 -現在、独立系アーティストの多くは自分でマスタリングを行う。理想的ではないが、やめようもないのが現実だ。どうしようもない以上、なにか助言できることはあるか?たとえば、このソフトウェアスィートを使うならとりあえずこうすれば劣悪なレコードを作ることは回避できるよ…といったもの
2018-10-02 16:34:09この音楽制作のモデルは、90年代末から2000年にかけて、リミックス文化を中心に興った。 誰しもが、誰しもの作品をリミックスした。そして、誰しもに好みのマスタリングエンジニアがいた。
2018-10-02 16:35:36完成したリミックスは12インチ盤などの媒体に収められた。しかしプロデューサーの多くは、そうして出来上がった盤を聴いてたいてい落ち込んだものだ。マスタリングエンジニアが音源の取扱い方を知らなかったために、ミックスの意図が改変されてしまったのだ。
2018-10-02 16:35:36このような失敗から、プロデューサーたちはセルフマスタリングも行うようになった。 こういった最初期のセルフマスタリングも行うプロデューサーは、制作を終えた12インチ盤を実際にクラブで鳴らしてみては、スタジオに戻り微調整を重ねた。このために成功することができた。
2018-10-02 16:35:37なので、現在セルフマスタリングを行う人たちに助言するなら「とにかく音源をクラブで鳴らしてチェックしろ」ということに尽きる。ベッドルームの小口径モニターで作業していたのでは、低域でなにが起こっているかはまったくわからない。
2018-10-02 16:35:3716:22 -プロデューサーの多くが、マスタリングといえばEQやコンプ、リミッターを使うものと思っているでしょうが、あなたはGain Staging(工程ごとのレベル管理)の重要性をよく説かれています。(続
2018-10-02 16:50:58承前)この話を最初に記事で読んだときアナログ機器による色付けや歪の話をしているのだろうと思ったのですが、先週お会いした際にはIn-the-boxでも重要なことであると述べられました。 マスタリングにおけるGain Stagingの重要性についてお話しいただけますか?
2018-10-02 16:50:58近年特に多いことだが、トップアーティストの作品でさえ、若いミキサーが携わるとステレオバスにマスタリングチェーンを組んだ上でミックスが行われる。こうして作られるミックスはマスタリングエンジニアに渡ったのちに破綻することが多々あるため、推奨されない
2018-10-02 16:52:30ミックスバスにマスタリングに近いチェーンを組んでミックスすることを推奨しないもうひとつの理由は、リファレンスとなる音源の多くがすでにラウドすぎるため。現在、そうしたラウドさは敬遠されつつあるようになる。
2018-10-02 16:52:31