異世界日報（仮) 2

𝙺𝚢𝟶𝚗@ @01satf

○月○日 異世界58日目 快晴 2日前までの雪はなんだったのかと思う位の暑さ。夜はそうでもないが、寝苦しいのは変わらない。0750頃、この暑さに関わらず、空から雪が降って来た。暑いのに雪が降る。この異常な気象に皆茫然とした。お陰で国旗掲揚が遅れる。

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正確には雪ではなく小さな虫の集まりだとミッチャンが教えてくれた。雪の降った数日後には繁殖の為、風に乗りながらコロニーを作り舞い飛ぶらしい。日本で言う雪虫に近いものか。 お昼頃、商人の一団が商談の為に来訪した。途中、商人のリーダーらしき人物から同行して来た通訳の女性が殴られる。

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中隊長が止めに入ったが、通訳は最後まで笑っていたらしい。通訳の女性に危害が加えられる事に危機感を感じ、渋々商談が成立。施設機材補修用の金属などを買い取ることになった。 その後、中隊長から王都の役人に通訳の保護と労働条件の緩和を徹底して欲しいと苦言を申し入れる。

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1630頃から■3曹が行方不明となる。全員で宿営地内を捜索するも発見出来ず。パジェロ2台、LAV1台で周辺を捜索するも発見出来ない。 1915頃に捜索に出ていたLAVが■3曹とその同行者を発見し1945に帰隊した。詳細は別紙106を参照。 ■3曹は医務室にて治療。事後、謹慎処分。

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2030頃から弾薬庫のセンサーが反応し続ける故障が発生。電源を切って巡回を増やすことになった。 異世界派遣隊 総員37名 事故なし 健康状態 【■3曹 左頬打撲 両腕両手に中度の擦過傷】 その他健康状態異常なし 【備考】よくやった

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○月○日 異世界59日目 快晴 極めて暑い。正門前に座り込んでいる役人と商人の一団で更に暑い。面会は10時からと言っても聞く耳を持たない。そればかりか専属通訳の胸ぐらを掴むなどしてくる。こういう所は、こっちの世界もあちらと変わらない。

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やれ暴力女を出せだの商談は決裂だの騒いでいる。エルフのミッチャンが彼らにバケツの水を被せた。頭を冷やせと思う。 1000、正門を開けた時には役人と商人の数は半数以下に減っていた。最初に入った商人が、多分アマゾネスの鉄拳制裁を食らった奴だ。可哀想に。 昼頃、王都の役人が血相を変えて

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帰っていった。馬を忘れている。 1400、商人の一団が帰った。アマゾネスの鉄拳を食らった奴はリヤカーに載せられてきた。容易に想像がつく。可哀想に。 夕飯時に■士長からボイラーが限定的ながら直ったと連絡があった。これでやっとまともな風呂に入れ様になった。良かった。

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明日、レコンの遠征が決まった。■3尉、■■2曹、■■3曹、■■■3曹、■士長の5人。行きたかった。■3曹も行きたがったそうだが謹慎。 異世界派遣隊 総員37名 事故なし 健康状態 昨日と同じ その他異常なし 【備考】弾薬庫及び三叉路側センサー1,2不調。要確認。

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○月○日 異世界60日目 曇 朝、トースト3枚に白飯3杯、鮭2枚食す。トーストは日本のパンがもうない為、赤土村から仕入れているもの。米パンの様な味。美味い。鮭は冷凍。 昼、偵察小隊の出発に合わせて飯を食う。カレーだ。味が濃すぎる。これではタタブー（豚のようなもの）の味が損なわれる。

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あと玉ねぎの切り方が雑だった。あれでは火が均等に伝わらず、玉ねぎの味にバラつきが出る。切ったのは■■■。うるせぇと言われた。あとアマゾネスが糧食に就いていてふさぎ込んでいた。無理もないがちゃんと食えと言っておいた。 夜、夕飯はタタブー丼。豚丼。玉ねぎにやはりバラつきがある。■■■

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が味の染みたタタブーは美味だった。■班長には拍手を贈りたい。足りなかったので■士長にお代わりを貰いに行かせたが貰えなかった。ケチくさい。食事は兵士の基本だ。それを怠ってはいけない。栄養が足りなくなると脳も筋肉も活動を制限する。脳が制限されると正常な判断が出来ない。ここでは死活問題

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だ。身体の動きも鈍る。そんな事では生き残れない。 弾薬庫のセンサーがついに壊れた。常に巡回させることになりそうだ。 異世界派遣隊 総員37名 事故5名 事故の内枠 偵察小隊5名 遠征中 その他健康状態異常なし 【備考】三叉路側センサー不具合あり

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○月○日 異世界61日目 快晴 朝、昨日遠征に出掛けた偵察小隊からの無線が途絶えている事が分かった。時間にして約6時間。最後の連絡で電池切れの為交換するとしていた。中隊本部の人間は慌てているがそこ迄心配する事かと思う。 昼になって王都の役人共が来る。商人とのいざこざ関連らしい。

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詳しい事は聞いていない。昼になってもまだ偵察小隊との連絡はついていない。所内も慌ただしい。もう少し冷静になれと思う。夕、役人との話し合いがもつれ込んで外来に宿泊させる。そちらの方が危険極まりない。部外者をホイホイ入れるな。 2010、役人の一人が興味本位で此方を見に来た。

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通訳も連れずに来て何をする気かと思えば、あれやこれやを指差し質問攻めだ。業務の妨害にしかなっていない。■■2曹もそこまで親身になる必要はない。2100頃に帰らせた。 2300 本日の業務異常なし。余所者の宿泊以外は。

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異世界派遣隊 総員37名 事故5名 内訳 偵察小隊遠征中 その他健康状態異常なし 【備考】役人と言っても部外者をホイホイ入れるな。Sの疑いも充分ある。偵察小隊からの連絡未だなし

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○月○日 異世界62日目 快晴 朝から酷く険悪なムードが漂う。交代時に■■1曹と中隊長が口論を始め、面会室で激しい戦闘が繰り広げられた。止めに入る者は居ない。皆色々考えての事だと思う。 一昨日未明から連絡を断っている偵察小隊とは未だ連絡がつかない為、捜索隊を出すことになった。

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最悪の事態に備え、弾薬庫から5.56mm弾120発 LAM2発を搬出。LAVに積み込む。人員は■■1曹、■3曹、■■3曹の3名。 1210編成を完結。1220には正門を突き破らんが如く出発した。定報によれば昨日に引き続き■■の小言が酷いそうである。主にちゅーやんと役人の文句だそうで

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出発してから怒鳴りっぱなしだそうである。■3曹と■■3曹の二人が完全に貧乏くじを引いた感じであるが、■■1曹も日頃のやりきれない思いを吐き出しているのだろう。どうか耐えて欲しい。 1330頃、宿泊していた役人たちが保護した通訳を連れて帰って行った。■3曹も途中まで付き添った。

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ギャルもたまには良い事をする。結果謹慎だが。それは仕方ない。 1655、捜索隊から連絡が入る。別紙114~119参照。 1730、【高機】中隊長、■曹長、■■3曹、■士長、■■士長、宿営地を出発。 1740、【高機】■2曹、■3曹、■■■3曹、■■3曹が宿営地を出発。 1825、【WAPC】■1曹、■■2曹

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■3曹が出発。詳細は114から119。本日の日誌事態緊迫の為ここまで。後ペーパー

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○月○日 異世界63日目 支援要員以外で宿営地の警備を強化。現地雇用者も全員帰宅させる。0300頃、三叉路側外柵が破壊され侵入者2名をマッハ2曹が発見。規定の対処要領に準ずるも反応なし。効果なし。拘束するも対象は死亡。毒物の摂取によるものと思われるが詳細は不明。

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0350、■■3尉が検分するも不明。両者共に頭部及び右肩甲骨付近に異常な腫瘍あり。なんらかの感染症を考慮し対応した隊員の除染及び全隊員に感染予防の徹底を義務付け。0500、支援隊から連絡あり。シシガミ森、魚釣村周辺で同様の事案。偵察小隊は未だ発見出来ず。0600、赤土村の村長が来訪。

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赤土村でも同様の事案。周辺の人間ではないそう。赤土村では速やかに遺体を焼却。燃える際も異様であったとのこと。衛生に連絡。2名の遺体を確認。異常なし。1045、中隊長車（高機）中隊長、■2曹、■■士長が帰隊。■■士長については極度の緊張状態。医務室に搬送。中隊長、中本へ。