『とある飛空士への追憶』を改めてアニメ化するならば

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uroak_miku @Uroak_Miku

amazon.co.jp/dp/B0067WPNUW/ これ評判がよろしくないようですが、私が監督か脚本なら、もっとうまくできたと思う。

2018-10-17 18:57:08
uroak_miku @Uroak_Miku

原作小説では、パイロット氏の操縦がどういう判断で行われているのかがきっちり説明されるのですが、映像化ではそれが難しくなる。戦闘の真っ最中に「背後をついてきたな、よし、フットバーを蹴って横滑りして弾を避けよう」とかいちいち台詞でいわせるわけにもいかないし。

2018-10-17 18:59:52
uroak_miku @Uroak_Miku

そこでこんな風にしてはどうか。敵の機動部隊&戦闘機群に囲まれて命からがら抜けきった後、例の大瀑布を飛び越えて、南の島のひとつに降りて、数日過ごすわけだから、その際にパイロット氏が姫様に航空機の操縦法や戦闘法や離脱法などをレクチャーする展開にするの。姫様から訊ねるようにすればいい。

2018-10-17 19:02:36
uroak_miku @Uroak_Miku

原作では、後部座席の機銃の使い方を教えろと姫様がいいだすのでパイロット氏が速成訓練をして終わりですが、その前に操縦席やほかの部分の分解整備を二人で行うシーンがあるのだから、そのときに姫様がパイロット氏に「どういう仕組みで飛んでいるの、これ?」と切り出して、それに答えていく展開に。

2018-10-17 19:05:01
uroak_miku @Uroak_Miku

それを皮切りに、前日の空戦のおさらいをしていく。姫様は後部座席に後ろ向きに座っていて、敵機がまっすぐ自分に迫ってくる光景を目のあたりにしています。PTSDになるの必至な体験でした。それをパイロット氏が論理で解説していく。方向だを左右に振って機体を横滑りさせて弾をよけた、等。

2018-10-17 19:08:03
uroak_miku @Uroak_Miku

彼女が味わった恐怖を、理性の力で解きほぐしていく。海面すれすれを飛んだのは、上空からの攻撃を封じ込めるためだった、等。こうして彼女の恐怖が和らいでいく。理性が恐怖を乗り越えていって、そしてパイロット氏への信頼を深めていく。生死を共にした異性として眺めていく。

2018-10-17 19:10:01
uroak_miku @Uroak_Miku

で、島を離れて二度目の空戦になるわけだけど、姫様とともに空戦のイロハを学んだ観客の私たちは、今度の空戦については「ああ、あのときいってた技だね今のは」「おおっ左捻りこみで逃げ切るわけか」等、島で教わったことをもとに映像を解釈していく。姫様がまさにそうやって後部座席で頑張る。

2018-10-17 19:12:39
uroak_miku @Uroak_Miku

こういう風にすれば、一回目の空戦ではひたすら振り回されるばかりだった姫様が、二回目ではどんなときも理性の力で状況判断を続け、そしてあの機銃掃射に至る…この成長ぶりと、観客である私たちがうまくシンクロして、とりわけ女性観客が姫様に感情移入してくれる。

2018-10-17 19:15:03
uroak_miku @Uroak_Miku

そして二回目の空戦を辛勝し、最後の停泊地に降り立つふたり。パイロット氏は姫様を称賛する。「あなたはもう立派な飛空士です」「私、飛空士なの?」 このやり取りにきれいに収れんする。観客とりわけ女性観客も「ああ、これが空戦の技なんだね」と学習したわけだから、姫様に感情移入する。

2018-10-17 19:21:08
uroak_miku @Uroak_Miku

できればパイロット氏から姫様に、何か手渡しさせるといい。彼の亡き戦友たちの遺品(髪の毛とか)が収められたペンダントの類。「これ、あなたにあげます。私の仲間たちの魂です。同じ飛空士として、きっとこれからあなたを守ってくれますよ」

2018-10-17 19:23:26
uroak_miku @Uroak_Miku

さらにこう話を続ける。「我々がこうして生き残れたのは、囮になってくれた仲間たちのおかげです。あのなかの何人かは、もうこの世にいないはずです。しかし私にこう言い残して飛び立ちました。『こんなすごい作戦に俺たちの仲間が選ばれたなんて誇らしいよ、俺たちは囮を務めてみせる』」

2018-10-17 19:25:30
uroak_miku @Uroak_Miku

「あなたがこうして生き残り、飛空士の心を掴んだと知ったら、あの者たちはきっともっと誇りに思うはずです。『俺たちは犬死じゃない、国の未来を守ってみせたのだから』 きっとこれからもあなたを守ってくれるはずです。これはその証です、受け取ってください」

2018-10-17 19:27:44
uroak_miku @Uroak_Miku

これが翌朝の別離の伏線として働く。姫様の迎えにきた戦艦乗員たちは、パイロット氏を殴り倒すんですよねアニメのほうでは。小説ではそこまでやらなかったけれど。この扱いをパイロット氏はもう覚悟していて、しかし姫様は衝撃を受ける。泣き叫ぶ。もしペンダントの手渡しが前夜にあれば

2018-10-17 19:31:56
uroak_miku @Uroak_Miku

自分を救ってくれたパイロット氏だけでなく、自分のために死んでいったほかの飛空士たちが、正規軍からはこんな扱いをされているのだと、体で痛みを感じる。ペンダントという物理的な姿で、飛空士たちの魂が自分といっしょにあるわけだから。

2018-10-17 19:33:45
uroak_miku @Uroak_Miku

戦艦に連れていかれた後も、艦長たちを前に泣き叫ぶ。「これが誇り高い皇家のすることですか!まるで犬に餌だけやって殴って追い散らすように、あの方を殴り倒すなど、私には許せません!」 艦長は内心この言い分に賛同しているのだけど、皇太子からの命令なのでパイロット氏は乗艦させられない。

2018-10-17 19:36:33
uroak_miku @Uroak_Miku

で、この後あの金粉ばらまきのアレになるわけですけど、ペンダントがもしあれば、あれがパイロット氏からのお別れのあいさつというだけではなく、自分のために死んでいった飛空士たちからの祝福というニュアンスを出せて、これで姫様が自分のこれからなすべきことに腹をくくる…という展開にできる。

2018-10-17 19:38:49
uroak_miku @Uroak_Miku

皇妃となって国政の実権を握り、一日でも早く休戦を実現させることで、死んでいった者たち(自分を撃墜しようとして逆に死んでいった敵国の船員たちも含む)を犬死させないことだ、と。 それから階級差別を根絶させることも。

2018-10-17 19:40:39
uroak_miku @Uroak_Miku

こういう風に、運命にあえて立ち向かっていく女性としてラストに彼女を称える展開にできたと思うのですね。

2018-10-17 19:41:33
uroak_miku @Uroak_Miku

そして女性観客は、そういう彼女に我が身を重ねて心震わせると思うのですが。

2018-10-17 19:42:17