日向倶楽部世界旅行編第66話「実力VS策略」

決勝トーナメント一回戦第五試合、機動力に長けたハイドロチームは、最上たちに策を持って立ち向かう。ハイドロチームの策に対し、最上たちはどう戦うのか…?
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三隈グループ @Mikuma_company

「見るからに”イロモノ”って感じ」 「結構クレバーなところあるわよね」 「オレはボゥズ・バトラー」 「アタシはマンマーメイド・ダイダリア」 「後悔の無いように何もかも…」 「勝負は一発」 「オレは賭けるぜ…」 「さあ、勝つわよ」 日向倶楽部、この後21:00! pic.twitter.com/nNQ1L3mRno

2018-10-17 20:45:36
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【前回の日向倶楽部】 扶桑です。 日向は大きな怪我もなく一回戦を突破、ひと安心ですね。伊勢の動向は気がかりですが、今のところ危害を加えている様子は無いようです、…油断は出来ませんが。あとは利根姉妹に最上さん達、でも勝ち抜いたらいずれ戦う事になるんですよね、誰を応援すれば良いのかし

2018-10-17 21:00:07
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【前回の日向倶楽部その2】 五十鈴を訝しむ日向、日向を用心する五十鈴、その両者を観る伊勢。歓声の中、三者三様の思惑が巡った試合は日向達の勝利で幕を閉じた。 だがこの結果は、それぞれの道の途中に過ぎない。この勝敗の持つ意味は、とても小さい。

2018-10-17 21:01:27
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日向倶楽部 〜世界旅行編〜 第66話「実力VS策略」

2018-10-17 21:03:06
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〜〜 決勝トーナメント一回戦第五試合は、Cリーグを一位通過したWヴィーストと、Aリーグ二位通過のハイドロチームの試合。最上と足柄はカタパルトで準備し、試合開始を待つ。 「相手は機動力に長けている…翻弄されない様にね。」 「ええ、分かってます。」

2018-10-17 21:04:25
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完全準備万端、余裕の表情で言った足柄に、最上は主砲のツマミなどを弄りながら答えた。 そして最上は、もう一度相手チームについて推察する。 (ハイドロチーム…見るからに"イロモノ"って感じだけど、予選の映像を見る限り、戦い方そのものはスタンダードな部類なんだよな…)

2018-10-17 21:05:54
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ハイドロチームは、サーフボード型艤装を操るボゥズ・バトラーと、主砲に魚雷とオーソドックスな武装を有するマンマーメイド・ダイダリアのコンビ。 どちらも初見ではびっくりするビジュアルだが、その戦闘スタイルは軽快な機動力を活かした王道的なもの、イロモノ感は見た目だけなのだ。

2018-10-17 21:07:30
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されど油断は出来ない。 (ここまで色んなチームの試合を見たけど、まだ"切り札"を隠してるチームも多い気がする…) 負けたらおしまいの決勝トーナメントと違い、予選リーグは1敗程度なら問題無い。即ち、全てのチームが全力を出したかは定かではないのだ。

2018-10-17 21:09:00
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(特に予選成績で接戦じゃなかったチーム…それこそボクらみたいなチームは、この決勝トーナメントで初めて見せるものがあっても不思議じゃない…) 最上は自身の艤装を見つつ思案する。 (ボクですら"そうしている"んだ…他のチームだって、"そうする"に決まってるよな…)

2018-10-17 21:10:24
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と、彼女がそんな事を考えていると、足柄がふと訊ねて来た。 「ねえ最上」 「はい?」 「貴女って穏やかな顔つきしてるけど、結構クレバーなところあるわよね。」 足柄はそう言って微笑む。最上はその言葉に、少しギョッとしつつも笑い返す。

2018-10-17 21:11:59
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「そうですかねぇ、あんまり気にした事ないなぁ…」 クレバー、意味は賢いというものだが、日向に騙し討ちを仕掛けた事を思えば、この場合賢しいという方が強いかもしれない。 そんな事を思いつつ誤魔化し笑う最上に、足柄は前を向いて言った。

2018-10-17 21:13:23
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「フフッ、嫌いじゃないわ、むしろ好きよ。人間やれる事は全てやるのが一番だもの、後悔の無いように何もかも…全て。」 彼女は噛み締める様にそう言うと、フーッと息を吐く。それと同時、外から大きなアナウンスが聞こえ始める、間も無く試合開始だ。

2018-10-17 21:15:08
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「さあ、勝つわよ。」 「そりゃ勿論。」 二人は身体に意識を集中させる、機械の音がごうごうと鳴り、空間が振動する。 やがてアナウンスが響き、ブザーが鳴った。 試合が始まった。 〜〜

2018-10-17 21:16:52
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〜〜 いつもの放送席 「さあWヴィースト対ハイドロチームの試合が始まりました、両者共に前進、これは近中距離での撃ち合いとなるか?」 ケン・ホリウチは通る声で話す。今日の実況解説はこの試合で5戦目だが、彼の声の勢いは全く弱まらない。

2018-10-17 21:19:03
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そんな彼は武蔵に問う。 「武蔵さん、この試合はどう動くでしょうか?」 「そうだな、順当に行けば主の言うように、近中距離での戦闘が主だろう。確実に最上と足柄は仕掛けるからな、否が応でも近い距離での戦いが始まるさ。」

2018-10-17 21:20:33
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最上と足柄は誰が見ても高い実力を持った艦娘であり、試合のペースを完全に握られる事は少ない。バトラーとダイダリアの交戦距離が最上達にかなり近い事もあり、武蔵はこのように見立てた。 順当にと付け加えたのは、決勝トーナメントで繰り出される新たな手を加味しての事である。

2018-10-17 21:22:14
三隈グループ @Mikuma_company

「なるほどー、三隈さんはどう見ますか?」 「そうですわねぇ、艦載機の量に関してはハイドロチームが勝ります。Wヴィーストは多少強引にでも航空戦を切り上げるでしょうから、派手な試合展開が予想できますわね。」 最上と足柄、二人を知る三隈だからこそ出る予想だ。

2018-10-17 21:24:02
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「そうですかー、それは楽しみですね。さあ試合の方は…そろそろ交戦が始まる頃ですね!」 試合は果たしてどうなるのか。奇想天外な出場者も多く、解説二人の見解はしばし上回られることが多いが…? 〜〜

2018-10-17 21:25:25
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〜〜 試合開始から1分経過、最上は足柄と相互支援が行える距離を保ちつつ、前へ前へと進んでいた。 「まだ仕掛けて来ませんね」 「裏で策を巡らせている可能性もある、油断は禁物よ」 最上も足柄も、周囲に気を配りつつ進む。艦娘として、戦士としての基本は身体に染み付いていた。

2018-10-17 21:27:02
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と、その時だった。 「やっと会えたな、ヒューガリアンの艦娘!」 二人の元に、なんと相手…即ちハイドロチームからの通信が入ったのだ。 「ん?なんだ?」 突然の事に最上は少し驚き、戦いの最中とは思えぬほどぼんやりとした返事をする。

2018-10-17 21:28:39
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すると通信先から、威勢の良い男の声が聞こえて来た! 「なんだとは失礼な奴だ、オレ達はここまで来るのに予選を突破したのだからな!」 男はさも因縁でもあるかのような口ぶり、だが最上、心当たりがない。 「知り合い?」 「さあ…」 足柄の問いに、最上は首を横に振る。

2018-10-17 21:29:52
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だが男は構わず続ける。 「フッ、覚えてないなら結構、今覚えてもらうからな!オレはボゥズ・バトラー、この海最速の仏僧よ!」 バトラーと名乗った男は、自信たっぷりといった様子。しかし最上は、彼の言葉に首をかしげる。 「最速…?お坊さんって速さを競うものなのか…?」

2018-10-17 21:31:16
三隈グループ @Mikuma_company

当然過ぎる疑問、だが今度はもう一人男の声が聞こえて来た! 「そしてアタシはマンマーメイド・ダイダリア!この海最美(さいうつくし)のマーメイドよッ!」 「へ、へぇ…」 どこに何を言えば良いのか分からず、最上はへぇとしか言えない。正直、何なのかよく分からなかった。

2018-10-17 21:32:51
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そんな彼女に、足柄も苦笑いする。 「最上、貴女交友関係広いのねぇ…」 「いや本当に知らないんですよね…」 と、困惑続きの最上だったが、バトラーの次の言葉に目が覚めた。 「オレ達ハイドロ団の勝負、受けてもらうぜッ!」 「ん?ハイドロ団…?」 ハイドロ団、聞き覚えのある単語だ。

2018-10-17 21:34:15
三隈グループ @Mikuma_company

最上の反応に対し、二人は満足げに笑う。 「おう、やはり組織名を出さないとダメだったか。お前ドラマの登場人物を俳優で呼ぶタイプだろ。」 取り敢えず二人は最上を煽る。しかし、最上は彼等の予想とは違う怒りを見せた。 「あいつらか!お前ら、日向さんにあんな事してただで済むと思うなよッ!」

2018-10-17 21:35:47
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