ハロハピと美咲のss

あげかす @ageage_agemono

「……うーん」「あ、美咲ちゃん！こんなところで奇遇だね。えっと…服選び？」「花音さん。こんにちは。まあそんなところだけど…あ、丁度良いや。花音さんはこの色とこの色どっちが好き？」「うーん、私はこの水色かなぁ…？」「そっか、じゃあ…」「写真？他のお店のと比べて、検討するの？」

あげかす @ageage_agemono

「そうじゃなくて、黒服の人たちに送ろうと」「黒服さん」「えっと…その、ミッシェルに似合いそうだなぁと思って」「ミッシェル…」

あげかす @ageage_agemono

「あ、ミッシェル！新しい洋服着てる！秋服だ！」「お、はぐみちゃんよく気づいたね～。そうだよー、秋仕様だよ」「ああミッシェル、君の新しい衣もよく似合っている！まるで天女のように儚い……！」「それ誉めてます？」

あげかす @ageage_agemono

以来、「美咲ちゃんそれ自分用…？」「…あたし用ですけど…」という謎会話がかわされる二人

あげかす @ageage_agemono

「あ、みーくんやっほー！こんな寒い日はコロッケを食べると美味しいよ！」「…店の前を通りかかった客にダイレクトマーケティングですか、店員のはぐみさん」「美味しいよ！」「いや別に、あたしコロッケの気分じゃ…」「みーくんには揚げたてをあげちゃうよ？」「…、コロッケ下さい」「まいどー！」

あげかす @ageage_agemono

「購買売り切れちゃうかな…」「あ、みーくん！」「はぐみ？って何で通路ふさいで」「ふっふっふ…ここを通りたければはぐみを倒していくんだよ！」「…。だーさなーきゃまーけよ」「えっ、えっ！？」「あっち向いてほい」「わーっ！？」「はい、はぐみの負け」「ず、ずるいよー！」「ずるくないー」

あげかす @ageage_agemono

「おや美咲、奇遇だね」「奇遇も何も自宅前で遭遇して運命感じるほどあたし浮かれてませんよ。何の用です薫さん……てかなんであたしの家知ってるんですか」「交わる運命の糸が……と言いたいところだが。年賀状、ハロハピの皆で交換しただろう？つまり……そういうことさ」「珍しく分かる……」

あげかす @ageage_agemono

「美咲！！おはよう！遅かったわね！」「…何時も通りの登校なんですけど。で 、どうしたのこころ？またなんか思い付いたの？ダメだよまずはハロハピの皆に伝えてから…」「そんな暇ないわよ！時間はいつだって足りないんだから！早速はぐみと花音に声をかけに行くわよ、ゴーゴー！」「…はいはい…」

あげかす @ageage_agemono

無人の控え室で美咲がミッシェルに入ったまま座り込んでぐでーってしてると、花音さんがひょこっと入ってきたから声かけようと思ったけどかったるいしいいか…ってボーッとしてたら「ミッシェル、美咲ちゃん、とってもとっても頑張ってるんだよ？」ってミッシェルに話し掛け始めて手をにぎにぎされる

あげかす @ageage_agemono

「いつもね、きちんとありがとう、って言いたいんだ。でも、美咲ちゃんすぐ照れちゃうから。難しいの。だからミッシェルから伝えてほしいな？……なんてね」ってふわふわ目の前で笑われて動くこともできず声も出せずぐるぐる回る頭でひたすらに素数と呼吸音を抑える事だけを考える美咲

あげかす @ageage_agemono

「美咲どうしたの？まるでサウナに行った後鍋料理を食べたみたいな顔をしてるわ！」「……………………」

あげかす @ageage_agemono

「おや？こんなところで待っていてくれるなんて嬉しいよ子猫ちゃん。どうかしたのかい？」「……。直ぐにあたしがここで薫さんを待っている、って結論付けるのよくないと思いますよ」「ん？違うのかい？」「……あってますけど……」「ふふ、本当に君は素直じゃないね、美咲」「……やりづらい……」

あげかす @ageage_agemono

「……ん……」「あら美咲、やっと起きたのね！全くお寝坊さんなんだから。もう日が暮れちゃうわよ？」「……ハハ、なにその新婚みたいな……」「ふふん～ふんふふん～」(……なんであたしこころの部屋で寝てるんだ！？)「てかそのメロディメモるからちょっと待って！」「美咲は元気ね！いいわよ！」

あげかす @ageage_agemono

目が覚めると花音に右腕を抱き締められ、こころに左腕を枕にされ、はぐみにお腹の上に顎をのせられて布団に寝そべってた美咲が、薫さんのどうすべきかな……みたいな思案顔を見ながら目を覚ますハーレム回お願いしますよ

あげかす @ageage_agemono

「………」「…おや、目覚めたかい子猫ちゃん」「……薫さん。これは……どういうことなんでしょうか……」「どうもこうも、君は私が嫉妬しそうなほどに彼女達に好かれているということさ」「あー……そうですか……なら代わってくださいよ」「ふふっ、それは叶わない願いだよ美咲」

あげかす @ageage_agemono

「は？なんでですか」「シェイクスピア曰く、『天は自ら行動しない者に救いの手をさしのべない』。つまり……そういうことさ」「…いや、分からんし。てか動こうにも動けないんですけど。自ら行動できないんですけど！」「だから、この心地好い一時を私と共に優雅に堪能しようじゃないか？」「マジで」

あげかす @ageage_agemono

教室で羊毛フェルトしてた美咲がふと顔をあげるといつのまにか前の席がくっ付けられててすやすやこころが寝てて、「なんっ、……」ってそれ以上の言葉が上手く出ずに、諦めて小さく上下する肩をぼーっと眺める美咲

あげかす @ageage_agemono

「あ、薫さん。ホントすみません寄って貰って。そうだ、お茶くらい飲みます？」「……！おや美咲、今日は愛らしい髪型をしているね。儚い…よく似合っているよ」「あー、なんか妹がやりたいって言うんで任せたんですけど。それはいいんで、お茶飲みます？」「ふふ、天性のセンスとみた」「お茶飲んで」

あげかす @ageage_agemono

「ん？」「あれ？薫さん？なんでここに」「こんな月夜の晩に独りとは。思わず拐ってしまいたくなるよ、子猫ちゃん？」「……。あたしのことを拐えるならどうぞさらって下さいって感じなんですけど。怪盗ハロハッピーさん？」「ふふ、そうしたいのは山々だが、生憎私は瀬田薫でね。ああ、儚い………」

あげかす @ageage_agemono

「…………」「ジト目が痛いじゃないか………」「薫さんらしいっちゃらしいけどほんと何言っても揺らがないですね。もう、なになら動揺するんですか？」「そう、だね……キミはもっと演技力を磨くべきだよ、美咲。演劇部にでも入るかい？」「や、テニス部で手一杯なんでちょっと」「ふふ、そうかい」

あげかす @ageage_agemono

「(……話、わざとそらしたな……)」「なんだい？」「いえ何でも。じゃ、そろそろ寝ますね。薫さんも早く寝ないと、明日もこころにつれ回されてバテますよ」「ああ、おやすみ」「……おやすみなさい」

あげかす @ageage_agemono

(……あの人、バカなのに時々意味深だから困るんだよなぁ。どうせ寝れないだけなんだろうけど) (眠いのに食後のコーヒーのせいか眠れない……美咲に訊かれた弱点とは、こういうことなんだろうか……)

あげかす @ageage_agemono

美咲、夏休み後半の感情がとっとと夏休み終われだけならいいなぁ(ハロハピのメンバーと毎日のように遊びに行くのに飽きた)

あげかす @ageage_agemono

「美咲！今日は広場でライブよ！」はいはい、ミッシェル呼んでくるから待ってて。「みーくん、今日は皆でショッピングだよ！」走ったら危ないって！「美咲ちゃん、羊毛フェルトの仕上がりを見て欲しいだけど…」あー、もちろん良いですよ。「美咲、どうやらお祭りのようだ」え、全員浴衣ですか？

あげかす @ageage_agemono

シャーペンを回しながら頭をひねる。…おかしい、中学と日数は変わってない筈なのに、まるで夏休みが短くなったみたいに課題が終わってない。「かのちゃん先輩、ここ分かる？」「え、えーと、確かここを代入して…」「その公式ならこっちのやり方じゃないかしら？」「あっ！」「ふふ、問題も儚いね…」