尾上先生の勉強風景

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尾上正人 @9w9w9w92

「『脆弱性X症候群』…自閉症的な症状のほか、重度の精神発達遅滞、情緒不安定、ADHD、関節の過伸展などの身体的成長の異常、てんかんなど、多くの症状が合併する発達障害です…X染色体の端が脆く壊れているためであることがわかったので、この名がつきました」50-1頁

2018-03-10 04:59:17
尾上正人 @9w9w9w92

「2015年10月、和歌山県立医科大学の研究チームが、約60名の統合失調症患者にMRI検査を実施した結果から、統合失調症の患者の脳ではミエリン鞘の量が低下していることがわかったと発表しました」99頁

2018-03-10 05:30:20
尾上正人 @9w9w9w92

「ここ数年の研究で、ドゥノボ[de novo]変異は父親側から受け継がれるケースが多いことがわかってきました。というのも、卵子の数は女性が生まれたときから卵巣の中にある数百個だけですが、精巣には精子のタネである精原細胞が厖大にあるうえに、それらが1個で1024個もの精子をつくる」196頁

2018-03-10 08:44:38
尾上正人 @9w9w9w92

「原因が遺伝子だとわかっている自閉症の中で、ドゥノボ変異によるものが3分の1〜2分の1…これはかなり高い割合…それに対して、親にも子にも同じ変異がある…メンデル型遺伝の自閉症…の割合は[自閉症全体の]約3%にとどまります」197頁

2018-03-10 08:49:06
尾上正人 @9w9w9w92

「わずか40年ほどで自閉症が急増したという事実はすなわち、自閉症という脳の障害をもたらすものは遺伝子の変異だけではない可能性を物語っているのです」219頁

2018-03-10 10:18:39
尾上正人 @9w9w9w92

「ドーハッド(DOHaD)仮説…Developmental Origins of Health and Disease…種々の病気の起源が胎児期にまで遡れるという考え方…オランダの大飢饉のときに胎児期にあり、極度の低栄養状態にあった子どもの集団では、統合失調症も増加したことが2008年に報告」220頁

2018-03-10 10:23:29
尾上正人 @9w9w9w92

「昨今、『スリム願望』の女性が増加しているのは、子どもの脳の発生・発達には決してよいことではないと思います。…ひところ『小さく産んで大きく育てる』というキャッチフレーズがありましたが、脳の発生や心の発達の観点からは、決して勧められることではありません」220-1頁

2018-03-10 10:26:24
尾上正人 @9w9w9w92

「『父親の加齢』は自閉症リスクを高める…2006年に発表された、米国における疫学的な調査…父親が15〜29歳のときに生まれた子が自閉症になるリスクを1とすると、30〜39歳では1.7程度、40〜49歳では5以上、50歳を過ぎてから生まれた子のリスクは9にまで高まることがわかりました」223頁

2018-03-10 10:32:00
尾上正人 @9w9w9w92

「2012年に『Nature』誌や『Cell』誌に相次いで発表された論文では、ドゥノボ変異のうち約80%は父親由来であることが報告されています。つまり、加齢による遺伝子変異の増加が、自閉症や統合失調症などの発症を招いていると考えられるのです」228頁

2018-03-10 10:37:43
尾上正人 @9w9w9w92

佐々木裕之(2005)『エピジェネティクス入門ーー三毛猫の模様はどう決まるのか』岩波書店

2018-03-10 10:49:34
尾上正人 @9w9w9w92

「エピジェネティクスは、ごく単純には『遺伝子の働きを抑える仕組み』と考えていただいてけっこうです」3頁

2018-03-10 12:17:29
尾上正人 @9w9w9w92

「エピジェネテックな調節の仕組みとは…基本転写因子や細胞の種類に特異的な転写因子による遺伝子のオン・オフを指すのでしょうか。そうではありません。エピジェネテックな調節はむしろ遺伝子が転写可能な状態にあるのか、転写できない抑制状態にあるのかを決める役割を果たしています」22頁

2018-03-10 13:00:06
尾上正人 @9w9w9w92

「DNAメチル化は、S-アデノシルメチオニンという物質をメチル基の供与体とし、DNA中のC(シトシン)にメチル基を転移させ、5-メチルシトシンに変換する化学反応です。この反応はDNAメチル化酵素によって触媒されます」25-6頁

2018-03-10 13:05:08
尾上正人 @9w9w9w92

「脊椎動物はヘルメチル化状態のCGを好んで認識し非メチル化状態の鎖をすみやかにメチル化する別の酵素を持っています…『維持DNAメチル化酵素』…のお陰で細胞はDNA複製を経てメチル化状態を安定に伝えていくことができる…脊椎動物はCG配列の対称性をうまく利用して…伝達性を確保したのです」28頁

2018-03-10 13:12:09
尾上正人 @9w9w9w92

「ヒストンの修飾はすべての真核生物に共通した仕組みとなりましたが、対照的に、より起源の古いDNAメチル化の仕組みはいくつかの生物では捨てられてしまいました。たとえば、出芽酵母や線虫はヒストンを修飾する酵素を持っていますが、DNAをメチル化する酵素を持っていません」90頁

2018-03-11 05:08:47
尾上正人 @9w9w9w92

「哺乳類はインプリンティングやX染色体不活性化などの高度な現象にDNAメチル化を利用しており、もはや完全に中毒してしまった状態と言えます。生物はゲノムを操る便利な力を手に入れた瞬間から、その力によって操られる運命をも背負ってしまったのです」92頁 資本論みたいなこと書いとるな(笑)

2018-03-11 05:13:31
尾上正人 @9w9w9w92

団まりな(2010)『性と進化の秘密ーー思考する細胞たち』角川文庫

2018-03-11 05:43:28
尾上正人 @9w9w9w92

「私の切り口は、階層性です。長年考察してきた生物の階層性の観点で性の問題を切ってみると、これまでとは全く違った性の姿が見えてくるのです」9頁

2018-03-11 05:46:15
尾上正人 @9w9w9w92

「『飢餓にさいして合体する』、これが新しい真核細胞の新しい能力です。…酸素の毒から逃れるための原核細胞の合体は、進化史上ただ一時期だけにおこったことであるのに対し、飢餓を逃れる真核細胞の合体は、一種の制度・システムとして獲得されたものであり、繰り返すことができるのです」32頁

2018-03-11 21:02:12
尾上正人 @9w9w9w92

「ディプロイド細胞は、それを作っているハプロイド細胞よりはるかに高度な機能を持っていることから、ハプロイド細胞に対し、一段階高度な生物単位であるということがいえます」37-8頁

2018-03-11 21:16:04
尾上正人 @9w9w9w92

「ディプロイド細胞を、同じ種の1つ下の階層であるハプロイド細胞から作り上げるということは、でき上がったディプロイド細胞の中に複雑さを1段階蓄積すること…非常に多くの数と種類の細胞からできた複雑な身体を作り上げる能力、つまり、複雑さの階層を登って行く能力を身につけたのです」42頁

2018-03-11 21:22:49
尾上正人 @9w9w9w92

「自分の身体の中に複雑さを蓄積することこそが性と有性生殖の最も重要な意味なのです」43頁 当時流行りだった複雑系理論におそらく影響された、かなり観念的な議論に思えるけどなあ…(^ ^;)

2018-03-11 21:25:49
尾上正人 @9w9w9w92

「『遺伝子の組み換えが、有性生殖の本質である』という大部分の教科書の言い方は正しくない…正しくは『有性生殖とは、生物が、自分の『種』としてのアイデンティティを保ったまま、ディプロイドとハプロイドという2つの層を行き来して…分裂の限界を克服するための仕組み』」45 テロメア論なのでは

2018-03-11 21:31:03
尾上正人 @9w9w9w92

「『2』から出発しなければならないということは、有性生殖の場合だけでなく階層性一般に当てはまる大原則なのです…『2』は同じものが2つではだめなのです。ある単位が集まってそれより高度で複雑な単位を作るためには、2つ以上、かつ2種類以上が集まらなければなりません」46 ヘーゲル哲学だな

2018-03-11 21:41:41
尾上正人 @9w9w9w92

「多細胞の身体の中で有性生殖を役割とするディプロイド細胞は、雌雄をもっとはっきり区別して、私たちの目にも明らかな『大』と『小』の配偶子、つまり卵と精子を作るようになります。そしてさらに多細胞の身体そのものも、卵を作る性と精子を作る性に分れて行きます」47-8 多細胞性と有性生殖を混同

2018-03-11 21:48:00
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