ノーベル化学賞クイズ!2018
回答&解説
はーい、では今からすこしずつだけどクイズの解説をしていきまーす。 twitter.com/gensogaku/stat…
2018-10-03 16:09:32と、いうわけで、明日のノーベル化学賞までの暇潰しに「ノーベル化学賞クイズ」を用意しました!このツイートにぶら下げときます!全部で9問あるので腕に自信のある日ともない人も是非どうぞ!(後日簡単な解説をする予定です)
2018-10-02 20:49:38第1問
第1問、第1回ノーベル化学賞受賞者はファントホッフ! この問題は実質、「化学史の有名人がどの時代の人か分かってるかな?」という問題だね。ノーベル賞は1901年から始まったもので、存命中の人にしか送られないから、選択肢の中で190年に生きていたのはファントホッフだけ。 twitter.com/gensogaku/stat…
2018-10-03 16:12:40ドルトン(1766-1844) グレイ(1666-1736) パスツール(1822-1895) ファントホッフ(1852-1911) もちろん、全員業績はノーベル賞級だよ。特にグレイなんか、コプリメダルっていう現存最古レベルの科学プライズの初代受賞者だからね。
2018-10-03 16:18:42第2問
第2問、この中で一番最近の受賞対象は1960年の炭素14年代測定法だよ。それでも60年ぐらい前の受賞なんだね。だいたいこれまでのノーベル賞の歴史のまんなかぐらいに炭素14年代測定法があると考えるといいね。 twitter.com/gensogaku/stat…
2018-10-03 16:22:24選択肢を受賞順に並べると 1913年 配位結合の発見(ヴェルナー) 1918年 ハーバーボッシュ法(ハーバー) 1931年 ハーバーボッシュ法(ボッシュ) 1934年 重水素の発見(ユーリー) 1960年 炭素14年代測定法(リビー) となるよ。教科書の内容も少し前までは新発見だったんだよ。
2018-10-03 16:26:55第3問
第3問は1950年代の受賞業績を見抜く問題。答えは「分子の椅子型・舟型の立体配座の研究」!なんと1950年代よりもっと最近の1969年の受賞!これめっちゃ意外じゃない!?椅子型と舟型なんて高校化学でシクロヘキサンを習ったら絶対に出てくる部分なのに実は結構最近の受賞なんだよね! twitter.com/gensogaku/stat…
2018-10-03 17:35:07他のも合わせるとこんな感じ。 1951年 超ウラン元素の発見(マクミラン/シーボーグ) 1953年 高分子化合物の発見(シュタウディンガー) 1958年 インスリンのアミノ酸配列決定(サンガー) 1969年 立体配座の研究(バートン/ハッセル) 1950年代は非常に面白い業績が並んでて推しゾーンです!
2018-10-03 17:40:13特に1958年のフレデリック・サンガーによるインスリンの配列決定は、タンパク質のアミノ酸配列を初めて決定した歴史的に重要な例。 ちなみにサンガーは1980年に核酸の塩基配列決定でもノーベル化学賞を受賞していて、化学賞を2回受賞した現時点で唯一の例よ。サンガーさんめっちゃすごい!!!
2018-10-03 17:43:35第4問
第4問は1980年代の受賞業績を見抜く問題。このあたりになると、そもそも選択肢に使われている用語が難しいってレベルになってくる。答えは「サンドイッチ錯体の発見」で1973年。これだけ少し古いんだね。 twitter.com/gensogaku/stat…
2018-10-03 17:47:111973年 サンドイッチ錯体の発見(フィッシャー/ウィルキンソン) 1981年 フロンティア軌道理論の提唱(ホフマン/福井) 1987年 ホスト・ゲスト分子の研究(クラム/レーン/ペダーセン) 1989年 RNAの触媒機能の発見(アルトマン/チェック) フロンティア軌道理論は福井謙一先生の受賞業績だね。
2018-10-03 17:50:35ホスト・ゲスト分子の研究でノーベル賞を取ったレーンは、この概念をさらに広げて「超分子」という概念を提唱しているね。超分子は「共有結合で繋がってはいないけど互いに引きあって構造を作っているもの」で、身近な例だとDNAは2つの分子から成る超分子だね。現代でも盛んに研究される分野だよ。
2018-10-03 17:56:06第5問
第5問、答えは「フローリー/高分子化合物の発見」。フローリーは1974年の受賞者で、業績は「高分子物理化学分野における理論と実験の基礎的な業績」。高分子化合物の発見は1953年、シュタウディンガーの業績だよ。シュタウディンガーが発見した高分子を、さらに細かく研究したのがフローリーなんだね。 twitter.com/gensogaku/stat…
2018-10-03 17:59:481902年 フィッシャー(糖の合成) 1911年 キュリー(ラジウムとポロニウムの発見) 1974年 フローリー(高分子物理化学分野における~な業績) 2008年 下村脩(緑色蛍光タンパク質の発見) 緑色蛍光タンパク質は「GFP」と略されがちだね。下村/チャルフィー/チェンの三人で受賞したよ。
2018-10-03 18:04:511902年受賞のフィッシャーは、化学徒にはなじみ深い糖分子の表記法の一つ「フィッシャー投影図」のフィッシャーだね。ちなみに別の糖の表記法「ハース投影式」に名を遺すハースもW.N.ハースという人から名付けられていて、実はハースも1937年にビタミンCの研究でノーベル化学賞を受賞しているよ。
2018-10-03 18:10:17第6問
第6問!これ激ムズでしょ。答えは「気体の状態方程式の研究」で1910年にファンデルワールスさんがノーベル物理学賞を取ったときの業績だよ。ファンデルワールス状態方程式、理系大学生なら当然知ってるよね?あれが受賞対象だった時代が100年ほど前にあったんだよ。 twitter.com/gensogaku/stat…
2018-10-03 18:13:491907年 無細胞発酵の発見(ブフナー) 1945年 飼料の保存方法の開発(ヴィルタネン) 1977年 散逸構造の研究(プリゴジン) 化学賞は発表のたびに「それ物理賞やろ」とか「医学生理学賞やろ」とか言われがちなんだけど、それは今に始まったことじゃない。化学が何にでも深く関わってるんだよ。
2018-10-03 18:19:04ブフナーの業績は「発酵は生物にのみ許された神秘!」みたいに言われていた当時の見解を打ち破るもので、非常に重要。発酵は生物がいなくてもいい、そこに酵素があれば十分なんだ!というインパクトだね。 余談だけど、このブフナーさんは「ブフナー漏斗」のブフナーとは別人だから注意ね。
2018-10-03 18:21:29第7問