- Uroak_Miku
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togetter.com/li/1277982 繰り返しますがアニメのほうは今のところ未見です。そのうえで、私が監督か脚本家なら、こんな風にあの原作をアニメ映画にするのに…を思考してみたい。
2018-10-21 22:48:04nicovideo.jp/watch/13161789… 冒頭十数分。貧富の差、階級社会を、最初のカットで表現しようとした意欲は買いたい。空=自由の思いを抱いた少年の心を、おとなになってからの彼の声でナレーションするのも悪くない。悪くないのだけれど――
2018-10-21 22:56:42「ぺスタドが!」と罵られる場面がありますね。混血児のことですが、いきなりぺすたどといわれても観客は戸惑ってしまう。 そもそもアニメは人種差別を描くのには不向き。髪の色や肌の色が自由自在の表現だから、人種の違いをテーマにするのはもともと困難なのです。
2018-10-21 23:00:34アニメ版では人種差別テーマは少し後ろに退かせて、階級社会であることをまず観客に伝えることを優先すべきです。 人種差別と階級差別のふたつを、一度に描くのはアニメでは困難。
2018-10-21 23:02:24このアニメ版、姫様のお屋敷シーンがやたら長い。婚約者である皇太子まで出てくる。こんなの劇中世界におけるニュース映画の体裁で手際よく処理できるのに。
2018-10-21 23:05:19『ローマの休日』で、姫様のヨーロッパ親善旅行がパラマウント映画のニュース映画の体裁でちゃちゃっと説明されるでしょ出だしで。ああいう風にすればいいのに。
2018-10-21 23:07:26うーん、私なら出だしはこういう風にするかな。 どこか王宮とおぼしい建物の中。王族の誰かの寝室。医者や看護婦や側近たちがベッドを取り囲んでいる。誰かが横たわっているが、顔は映らない。老女のよう。
2018-10-21 23:09:50首元にペンダントがある。顔は映らない。すでに吸引マスクが装着されていて、虫の息。医療機器がベッド(といっても医療用のもの)のまわりを囲んでいる。おそらく本人が寝室での最期を望んで、そこに移された。ベッドは医療用のものを使うという条件で医者がOKを出した。
2018-10-21 23:12:58彼女が息絶えていくのが、まわりの人間の様子からうかがえる。 室内のある小さなテーブルの上に、クラシックな水上偵察機の模型が置かれている。それをなめて、ややピンボケで画面奥にベッドと、とりかこむ連中の背中が見える。「王妃さま」「ファナさま」とか話しかける声が聞こえてくる。
2018-10-21 23:15:25画面暗転。ニュース映画が始まる。ほぼ正方形の、昔の映画スクリーン。白黒。フィルムのガタやキズがめだつ。侯爵家(でしたか)の長女ファナが、このたび皇太子より求婚され、次期王妃として嫁ぐことが公表されましたパパーンと盛り上がる。
2018-10-21 23:18:59ニュース映画が次の話題に移る。戦局を伝える内容。いわゆる大本営発表。どこそこでこんな戦闘があってわが軍の戦闘機部隊が敵を圧倒し制空権を取り戻すのも時間の問題であるパパーン。
2018-10-21 23:21:15ここにいきなり声がかぶさる。「うそだ!」 主人公シャルルの声。「戦局はむしろ押され気味になっている。物量でこそ我々のほうが上回っているものの、敵は新しい戦闘機を実戦配備して、それ以来こちらは被害がどんどん増えている」
2018-10-21 23:23:31「皇室としては、そんな現状を国民に打ち明けるわけにはいかないのだろう。しかし我々は知っている。なぜなら――実際に空で戦っているからだ」
2018-10-21 23:24:47シャルルのヴォイスオーヴァーが続く。三つのことを観客に印象付ける必要があるから。 ・こちらがどれほど押されているか ・苦境のなか主人公シャルルがいかに凄腕をふるっているか ・しかしひとりだけ叶わない相手が敵にいること
2018-10-21 23:29:14実際に作られたアニメ版では、シャルルは敵戦闘機(のひとつ)に撃墜されるシーンがあって、そのせいでへっぽこパイロットの印象を観客に残してしまっている。 次期王妃となる女性を、単機で都まで送るという決死の任務を委ねられるほどの凄腕だと、観客にはうまく伝わっていないわけです。
2018-10-21 23:31:40撃墜されて落下傘で逃げるくだりは、空戦シーンから削るべきです。劣勢のなかを腕ひとつで敵機をばんばん落としていく雄姿をこそ、観客に印象付ける。 敵の撃墜王に落とされたことがあるという話は、彼が基地司令に呼び出されてのやり取りのなかで、フラッシュバックで処理する。
2018-10-21 23:33:54「君の戦闘記録を見させてもらった。ものすごい数字だな。驚いたよ」 「ありがとうございます。しかし、一度だけ撃墜されております」 「ほお?」 「敵に、とんでもないエースがひとりいます。機体にビーグル犬をあしらったやつです」(ここでフラッシュバック) 「ああ、報告は聞いている」
2018-10-21 23:36:41シャルルと基地司令のやり取り。原作ではもう少し穏やかなんですよね。アニメのほうはいかにも威圧的ですが。 pic.twitter.com/ICTBh3VpG6
2018-10-22 12:50:47「美姫を乗せて、単機敵中翔破、1万2千キロ、やれるかね」 私の脚本案では、シャルルと基地司令(&中佐)のやり取りは和やかに進む。「たいした戦闘記録だ」「はっ光栄です」
2018-10-22 12:53:31しかしシャルルが部屋を去ると司令の態度が変わる…という展開はどうかな。「くっ、正規軍の者ではなく、あんな雇われ兵に頭を下げにゃならんのか!」「腕は最高、それに、非常に実直な男ですよ」「そうではない!あいつは混血だ。母親は敵国の人間ではないか」「この土地なら混血は珍しくありませんよ
2018-10-22 12:58:00階級社会であることは、この少し前で描かれる、基地での朝の食事で、正規兵と傭兵が別々に席についている(軍服の色が違うのでわかる)様子や、シャルルと同僚の会話から観客には察しがつくように工夫できる。 しかし人種差別については、改めて観客に印象付けないといけないわけです。
2018-10-22 13:00:13