ピンカートン社と冒険者ギルド

自分用memo
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おおまがつひ @OHMAGATSUHI

プロが「冒険者ギルド」の話を語るなら、その、ほぼロールモデルになってるアメリカの「ピンカートン探偵社」と、“なぜピンカートン探偵社が、連邦の反ピンカートン法により規制を受けるようになり”、「路上の騎士」である私立探偵(私立がある以上、私立でない探偵社がある)が成立したかを語りねい。

2018-10-24 20:34:20
おおまがつひ @OHMAGATSUHI

反ピンカートン法に触れようとすると、必然的に、「冒険者ギルド」もしくは「冒険者の店」が、ピンカートン探偵社と同様に“民衆の敵”、“名もなき民衆への暴力機関”に堕落する危険、の話もしなきゃならなくなるので、

2018-10-24 20:34:20
おおまがつひ @OHMAGATSUHI

なんで「私立探偵」が“孤高の騎士”であり、組織と馴れ合わない、という属性を帯びやすいのか。“ダークナイト”バットマンや、ビッグオーのロジャー・スミスにまで流れるテーマなのに。

2018-10-24 20:34:20
おおまがつひ @OHMAGATSUHI

…ただ。その“寝た子を起こす”と、国産TRPGのいろんな「暗黙裡の前提」がぶっ飛ぶけどねー。

2018-10-24 20:34:21

おおまがつひ @OHMAGATSUHI

@MYSTIKNIGHTS ピンカートン探偵社は、アメリカの私立探偵社・警備会社ですが、身辺警護から軍の請負まで、手広く営業しました。最盛期にはアメリカ陸軍の将兵を上回る人数の探偵を雇用しており、オハイオ州は、準軍事組織または民兵として雇われかねないという恐れから、同社を非合法にしました。

2018-10-24 21:00:05
おおまがつひ @OHMAGATSUHI

@MYSTIKNIGHTS 身辺警護から軍の請負までを業務とし、準軍事組織または民兵として雇われる──は、ほぼ我々の知る「冒険者ギルド」もしくは「冒険者の店」と“ほぼ同じ目的で運用されていた民間組織”である、ということです。

2018-10-24 21:02:22
おおまがつひ @OHMAGATSUHI

@MYSTIKNIGHTS 我々は「警備業法」によって、現在の警備会社が、その運用上の権限に関して、法律によって厳しく制限されていることを知っていますが、その原因となったのが、アメリカ連邦政府による「反ピンカートン法」の制定でした。

2018-10-24 21:04:55
おおまがつひ @OHMAGATSUHI

@MYSTIKNIGHTS 19世紀後半の職場闘争の期間。資本家に雇われたピンカートン社の探偵たちは、労働組合内部に「密偵として侵入し」「労働組合内部の情報を外部に持ち出し」「組合幹部を(様々な理由をでっちあげて)逮捕し」「工場でバリケードを張る労働者に対して、ピケ破りを敢行」しました。

2018-10-24 21:08:21
おおまがつひ @OHMAGATSUHI

@MYSTIKNIGHTS この「労働組合」を「蛮族組織」「犯罪結社」などに置き換えると、ほぼそのまま「今のTRPGでよく見かける冒険者への依頼とミッション」になります。

2018-10-24 21:10:13
おおまがつひ @OHMAGATSUHI

@MYSTIKNIGHTS 「金銭によって雇われて、暴力行為を遂行する組織」は、常に「金をより多く持っている人間集団の私兵」に化けやすい、という話です。

2018-10-24 21:11:40
おおまがつひ @OHMAGATSUHI

@MYSTIKNIGHTS これは日本国内でも同様で、同様の目的で組織された「警備会社」が、当時の日大闘争に介入し、激しい「人間狩り」を行いました。『逆襲のシャア』で富野監督が描いたマンハンターの組織は、多分当時、日大の学生だった富野監督が「実際にみた」光景だったんでしょうね。

2018-10-24 21:14:17
おおまがつひ @OHMAGATSUHI

@MYSTIKNIGHTS 国産のTRPGに登場する「冒険者ギルド」、もしくは「冒険者の店」は、“民間執行機関”である自らが名もなき民衆への暴力の代行者となる可能性について、考慮していません。これは、もうよくある「プレイヤー性善説」に基づいている、あるいは、

2018-10-24 21:17:01
おおまがつひ @OHMAGATSUHI

@MYSTIKNIGHTS 「プレイヤー性善説」として想定される、常に善意によって行動するプレイヤー、を前提にしないと「世界そのものが成り立たない」ように初めからできている。わけですよね。

2018-10-24 21:18:51
おおまがつひ @OHMAGATSUHI

@MYSTIKNIGHTS 別に私は修羅の国の住人ではないので「プレイヤー性善説」は誠にけっこう、と思いますが、楽しく遊びたい市井の一般プレイヤーはともかく、少なくとも歴史に詳しいと想定される職業プロが、「そういう組織は暴力遂行者に堕落しやすいぜ」という話ぐらい知っておいてほしいな、と思ったりしてる訳です。

2018-10-24 21:23:32
松江あきら@個人の偏見です @MYSTIKNIGHTS

@OHMAGATSUHI 冒険者ギルドがある世界においては犯罪を専門とする盗賊ギルドが存在することは 冒険者ギルドに犯罪行為の依頼が持ち込まれない理由にはなりませんか?

2018-10-24 21:37:30
おおまがつひ @OHMAGATSUHI

@MYSTIKNIGHTS 犯罪を専門にする組織というなら、アメリカにはマフィア等のそれなり以上の「金で暴力を提供する組織」が存在していたわけです。でも、マフィアを雇うとなるとリスクがあるのです。そこで、組織として統制された「合法の」民間執行機関として、ピンカートン探偵社が世にのさばったんでしょうね。

2018-10-24 21:41:36
おおまがつひ @OHMAGATSUHI

@MYSTIKNIGHTS なお、現在の警備業法の試験に「警備員は、職業として警備業務を選んだ時点で高潔な倫理観の持ち主であるから、雇用者である警備会社は、従業員である警備員を「指導」「教育」「監督」する必要はない」とか書いたら、「おまえ、バカか?ンなわけありえんだろ」と当の警備会社自体から言われますよ(w

2018-10-24 21:46:09
松江あきら@個人の偏見です @MYSTIKNIGHTS

@OHMAGATSUHI 長文で説明ありがとうございました 「リアリティ」の側面で冒険者ギルドに全く制限がない場合に危険性があることが理解できました

2018-10-24 22:07:16
おおまがつひ @OHMAGATSUHI

@MYSTIKNIGHTS 実際問題として、いまのままでも破綻は起きないとは思うんです。善意を担保できないGM/PLは、ほぼ滅びてしまったので。まとめで指摘があったように「そういう人たち」は、いまオンラインゲームとかに移動して大暴れしてますよ、と、某社のオンラインGMだったおいらが保証します。

2018-10-24 22:12:52