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竹の子書房:高田課長作『楽にならざりぢつテルミン』

高田課長が即興小説にクロックアップで挑みます!
竹の子書房 Twitter小説
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竹の子書房ラジオ @takenoko_radio
プロットなし思いつきツイッター小説 『楽にならざりぢつテルミン』 高田公太
竹の子書房ラジオ @takenoko_radio
私はとにかく腹が減っていた。飯さえ食えば、冷えた身体も温まってくるはずだ。電気代を滞納しているため、室内にある暖房器具の類はクソの役にも立たない。布団の中で暖をとるのも、いい加減に限界が近付いているように感じる。
竹の子書房ラジオ @takenoko_radio
過剰に分泌された胃酸が、内蔵の粘膜を焼いているらしく、キリキリと腹が痛んだ。苦悶の表情を一人浮かべていると急に涙が滲んできた。「またこんなになっちゃた……いつまでこんな人生なんだ……」私の独り言が部屋の中で響いた。
竹の子書房ラジオ @takenoko_radio
慟哭の衝動にかられた私は、もしや嗚咽を漏らしながら自分の人生を振り返ることに集中したら空腹と寒さをいくらか忘れることができるのではないかと、一瞬は期待したものの、押し寄せる胃の痛みにこらえ切れず、これはなんとかせねばと気持ちを切り替える他なかった。
竹の子書房ラジオ @takenoko_radio
しかし、兎にも角にも金がない。今日の朝に購入した煙草代で、私の残金は六十円しかないのだ。地元秋田県の就職難に我慢しかねて実家を飛びだすも、上京するのが怖くて最寄り県の青森へ越したのが二二歳。日雇いで舗装屋にパート勤務し、今に至って三五歳。
竹の子書房ラジオ @takenoko_radio
スナック通いとパチンコに狂い、残金六十円。若気の至り、よくあること、と笑えなくなったのは何歳からだろう。真冬、青森の安アパートで、私は腹をさすりながら泣くしかなかった。
竹の子書房ラジオ @takenoko_radio
(続きはまた今度……気が向いたら……)
@MaDrine_
@takenoko_radio 工エエェェ(´д`)ェェエエ工工
氷原公魚@竹の子書房北海道支社勤務 @Wakasagi_H
@takenoko_radio リアルタイムでこれだけの文章量を制御しようって気概だけでも凄い。私なら諦めて完成させてから分割UPするでせうな。脳内だけで整合性をつけられるほど、私の脳内容量は多くないのだ。
竹の子書房ラジオ @takenoko_radio
@MaDrine_ ラストだけ教えてあげよっか……。もう頭の中では完結してるんだよ……。
竹の子書房ラジオ @takenoko_radio
@Wakasagi_H リアルタイムで書いたらとんでもないことになるかな、と予測したらわりと脳内でちゃんとストーリーができてしまい、なんだか普通になりそうな予感とともに飽きました……。
@MaDrine_
@takenoko_radio いいえっ!課長の気が向くのをお待ち致します!ここでお伺いすると終わってしまう気がするのでwww 待ってます( ・`д・´)
竹の子書房ラジオ @takenoko_radio
(もういいや、最後だけ書こう)
竹の子書房ラジオ @takenoko_radio
大雪の中、うろうろと街を彷徨っていると、ふと一軒の楽器屋が目に止まった。普段なら気にもとめない類の店舗だが、私はなぜだか、つい店頭で足を止めた。
竹の子書房ラジオ @takenoko_radio
〈話題のマトリョーシカテルミン入荷!〉ショーウィンドウに貼られたポップにそう書いてあった。私はガラス越しに店内を覗いたが、マトリョーシカらしきものは見当らず、かといってテルミンというものがなんなのかがさっぱりわからないため、まったく現物の形状を想像することができなかった。
竹の子書房ラジオ @takenoko_radio
私は空腹で足元も覚束無いまま店内にのろりと入ると、中にいた長髪の中年店員に尋ねた。「あの……マトリョーシカ……って」「あー、ごめん。それ売り切れたんだよ。ポップはずさなきゃね」
竹の子書房ラジオ @takenoko_radio
「売り切れ……ですか」もっとも売っていたとしても買う金などないのだが、なんだか悔しかった。なんのことやらわからない楽器が売り切れ。私は何かやりきれないものを感じた。私は今日、餓死するかもしれない。それなのに、こんな一日なんて。
竹の子書房ラジオ @takenoko_radio
「店員さん……」「はい?」「それ、どんな音色なんですか?マトリョーシカテルミン、どんな音色なんですか……」
竹の子書房ラジオ @takenoko_radio
どうせ人生をやり直す努力をすることなど私にはできない。今日をしのいでも、今日と同じような明日をがまた来るだけだ。そう、ずっとそうだったんだ。
氷原公魚@竹の子書房北海道支社勤務 @Wakasagi_H
@takenoko_radio 見える。残金六十円の空腹な男が、愛らしいマトリョーシュカを揺すりながら、ぼへーとしたあの音色に癒されていく馬鹿のような光景がww。さすが高田公太、恐るべし。
竹の子書房ラジオ @takenoko_radio
「うーん、そうだねえ」店員が顎を撫でながら俯き加減で答えた。
竹の子書房ラジオ @takenoko_radio
「ピーーーーーーー、かな?」
竹の子書房ラジオ @takenoko_radio
「……ピーーーーーーー、ですか?」
竹の子書房ラジオ @takenoko_radio
「そうだね。ピーーーーーーー、キューーーーーーーン」
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