天文学ツイートまとめ

2
てんにょ @barinoriron

天文学では、宇宙の物質分布を調べようとするけど、物質のほとんどは暗黒物質なのに対して、望遠鏡では光っている銀河だけしか見えない。このことを、「夜景の地図(左)を見て、世界地図(右)を再現しようとしている」と表現している人がいて、確かに、と思った。(fig visibleearth.nasa.govpic.twitter.com/03Jcv2nzqb

2018-10-25 04:49:27
拡大
拡大
てんにょ @barinoriron

久々に宇宙物理の話。フェルミラボでの、ニュートリノが核子と衝突して出る電子を測定する実験で、予想以上に多くの電子が検出されたらしい。(arxiv.org/abs/1805.12028)未知の種類のニュートリノの痕跡か?と解釈する人もいるもよう。来週はこのラボに行き話を聞く予定。 pic.twitter.com/guMlPJClfd

2018-12-01 13:31:35
拡大
てんにょ @barinoriron

この研究は5月ごろだけど、つい最近も dark neutrino と通常物質の相互作用を考えれば実験結果が説明できる、という論文が出ていた。arxiv.org/abs/1807.09877

2018-12-01 13:34:08
てんにょ @barinoriron

"planetary spectroscopy" という、惑星からのガンマ線や中性子を計測して、どんな物質でその惑星ができているかを探る手法がある。

2018-10-06 00:27:45
てんにょ @barinoriron

ガンマ線や中性子が出てくる理由は、銀河の中を漂っているエネルギーの高い宇宙線が、たまに惑星に突っ込んで、内部(と言っても表面付近)にある物質と反応するため。出てくるガンマ線のエネルギーを調べると、そのガンマ線を放出した元素が分かり、つまり惑星内部の元素組成を調べられる。

2018-10-06 00:29:26
てんにょ @barinoriron

この手法を使うと、例えば月のどの辺に鉄が分布してるとかトリウムが分布しているとか分かって、過去の活動とかを知るヒントになるらしい。おもしろい。

2018-10-06 00:33:50
てんにょ @barinoriron

この方法で今度は別の惑星を探査しようというミッションがたくさんあって、中でも日本も加わって MEGANE という装置で火星の月を探査するのがある。nasa.gov/press-release/…

2018-10-06 00:37:12
てんにょ @barinoriron

もっとすごいのが Dragonfry という、土星の衛星(タイタン)にガンマ線と中性子の検出器を積んだドローンを飛ばして、表面を探査するミッション。想像図のインパクトがすごい。solarsystem.nasa.gov/missions/drago… pic.twitter.com/ewGsjazQuE

2018-10-06 00:40:34
拡大
てんにょ @barinoriron

repeating fast radio burst の観測データから、機械学習を使って、新たに72個のバーストを検出した、とする論文。arxiv.org/abs/1809.03043 図だけ見てみると、左側は目で見てシグナルがすぐ分かる一方、右のは全然見えなくて、「まじか?」と思ってしまう。 pic.twitter.com/U68rKkPm4x

2018-09-15 06:47:08
拡大
てんにょ @barinoriron

論文紹介。宇宙実験で反ヘリウムが見つかった可能性があり、その起源は天体でも暗黒物質でも説明できない、と著者らは言っている。そして「銀河系内に反物質でできた場所があって、観測された反ヘリウムはそこから来たのでは?」と考え、その可能性を真面目に検証している。arxiv.org/abs/1808.08961

2018-09-02 08:05:23
てんにょ @barinoriron

最近は日本に加速器を作って素粒子物理学を、という話をよく見るけれど、身近な天体でも素粒子の研究ができる。 最近の論文(arxiv.org/abs/1808.05624)では、HAWCガンマ線望遠鏡を用いて、太陽からのTeVガンマ線に上限値がつけられた。 pic.twitter.com/JFrCEIy4fR

2018-09-01 09:47:06
拡大
てんにょ @barinoriron

この観測を使って、ダークマターのモデルに強い制限をしている。断面積がスピンに依存する、ある種の暗黒物質のモデルについて、地上実験よりも6桁も厳しい制限がつけられている。 pic.twitter.com/iRfbXJ2Gly

2018-09-01 09:49:36
拡大
てんにょ @barinoriron

こちらは将来実験で、太陽からのニュートリノを観測することで、性質に制限を与えようという論文。arxiv.org/abs/1808.08232 現在は地上実験と太陽観測で少し矛盾する結果が出ているが、誤差が大きく、はっきりしたことは言えない。 pic.twitter.com/J1e0k7M2k8

2018-09-01 09:51:57
拡大
てんにょ @barinoriron

将来実験で、矛盾が解消するかもしれないし、逆に矛盾がハッキリするかも。後者の場合はそれを説明する新しい物理が必要になる。 なお、図の"KamLAND"という表記からも分かる通り、現在のニュートリノ実験は日本の寄与がとても大きい。Solar (All) と書いてあるのも super-Kamiokande などの結果。

2018-09-01 09:54:10
てんにょ @barinoriron

月を利用し、宇宙からの高エネルギー反陽子を検出しようとする論文。arxiv.org/abs/1802.08913 このHAWC望遠鏡では太陽を使って暗黒物質の性質を調べる研究もされており、月や太陽など身近な天体で物理学の基礎に挑戦できるのはとても面白い。

2018-09-19 10:13:08
てんにょ @barinoriron

arxiv.org/abs/1807.03193 月の表面に小さな天体が衝突して生じた閃光を解析した論文。衝突した物の重さが 3.4 kg だと導出されている。そんな細かいことまで分かるのか…。

2018-07-11 09:44:29
てんにょ @barinoriron

ヘスによる宇宙線の発見の論文(1912)の英訳版が出ていた。 arxiv.org/abs/1808.02927 写真のように気球に乗って、高度が上がるほど放射線強度が増えていく(=地上からだけでなく、宇宙からも来ている)ことを示した実験。 pic.twitter.com/xb6z1Z8PAi

2018-08-10 23:45:34
拡大
拡大
てんにょ @barinoriron

arxiv.org/abs/1808.02490 こちらも予算が厳しそうなWFIRST計画の論文で、マイクロレンズ効果を使って惑星を見つけよう話。木星の衛星であるガニメデくらいの質量の小さな惑星も捉えられるようで、論文に出てくる質量の単位が Moon mass というのがすごい。 pic.twitter.com/TfKvMIVoQH

2018-08-10 23:10:08
拡大
てんにょ @barinoriron

arxiv.org/abs/1807.09409 最近話題の論文。詳細は置いといて、まず3万光年ほども離れた銀河系中心の星の運動を、ミリ秒角単位で測れるのがすごい(左図)。そしてその結果が一般相対論の予言とめちゃよく合ってるのもすごい(右図)。 pic.twitter.com/xkDsnuklmQ

2018-07-28 02:04:48
拡大
拡大
てんにょ @barinoriron

「暗黒物質の無い銀河」について、「距離が 20 Mpcという推定が間違いで、13 Mpc だと思えば普通の銀河だ」とする論文が出ていたけれど、元論文の著者がウェブで反論している(pietervandokkum.com/ngc1052-df2)。距離がそんなに近いならRGB星が見えるはずだが、データにはそれが無い、ということらしい。 pic.twitter.com/RcYjVouuPL

2018-07-12 06:19:30
拡大
てんにょ @barinoriron

ダークマターを探査する方法の一つに、地球の公転を利用する方法がある。地球が太陽の周りを一年でひとまわりする間に、銀河系を満たすダークマターとの相対速度が変化するため(左図)に年周期での信号の変化が見える(右図)らしい。ref: cosine.yale.edu/about-us/annua… pic.twitter.com/tfdAiGw6w3

2018-07-21 13:07:11
拡大
拡大
てんにょ @barinoriron

DAMAという実験ではこの信号を検出したと言っていたけれど、別の実験では検出できず、二つの実験結果が9σで異なる、という最近の論文 arxiv.org/abs/1807.07113

2018-07-21 13:08:52
てんにょ @barinoriron

しかし二つの実験結果がこんなにも違うのウケるな(実験してる本人たちはウケないだろうけど) pic.twitter.com/nzJJzj123H

2018-07-21 13:16:21
拡大
てんにょ @barinoriron

アメリカ国立科学財団が、科学実験設備にお金がかかり過ぎており、なんとかしたいと思っているようだ。記事には面白い図が載っていて、特に天文学は設備費が支出の62%と大きいことが分かる。数学が0%なのも面白い。 aip.org/fyi/2018/nsf-s… pic.twitter.com/B9eURMRgN3

2018-09-03 00:02:04
拡大
てんにょ @barinoriron

【今日の論文】暗黒物質と通常の物質の間の相互作用の起こりやすさを、地球上での様々な観測事実から制限した論文 arxiv.org/abs/1805.08794

2018-05-24 21:56:02