まとめの限定公開に「リンク限定」が追加されました。URLを伝えてまとめを共有しよう!

近代日本に於ける"イマドキの若者や学生”を批難する人々 1905~1938

1905(明治38)年から1938(昭和13)年にかけて発行された新聞や書籍などの一部から"イマドキの若者や学生”を非難する意見をまとめてみた。今回は明治大正期の文献からも多数引用している。
俗流若者論 最近の若者 社会学 歴史 新聞
8437view 33コメント
48
谷山義彦 @jemappellety
2017年12月18日付の大分合同新聞に掲載された文章(朝刊2面)。友成真一氏(早稲田大学社会連携研究所所長)は、学外の人から「最近の学生は元気がない!」とよく言われるそうだ。 pic.twitter.com/iwFOEJEiM3
 拡大
 拡大

↑肩書は掲載当時のもの。件の学外の人達は「昔と比べると最近の学生は元気がない」と感じているのであろう。

ツイートまとめ 昭和戦前期に於ける「今時の若者は…」「近頃の学生は…」などと嘆く人たち(増補改訂版) 「今時の若者は…」だの「近頃の学生は…」だのと嘆く人をしばしば見かけるが、そのような連中は戦前にもいたようだ。 17051 pv 232 22 users 33
ツイートまとめ 昭和戦前期の娘は快活明朗なれど…… 昨年作成したまとめの姉妹編(内容の重複あり)。戦前の若い女性は「快活明朗」だが「女性の欠点を全部代表したような不愉快な存在」だった? 9615 pv 92 14 users 18
ツイートまとめ 昭和戦前期に於ける「イマドキの若者や学生」を批難する人たち おととしに作成したまとめの新版。 97734 pv 668 341 users 684

便宜上、引用の際には旧字旧仮名を新字新仮名に改め、送り仮名を現在の習慣に基づいた付け方にした。画像の一部を赤線で囲った箇所がある。

"イマドキの若者や学生”を批難する人々 昭和戦前期編
谷山義彦 @jemappellety
「近頃のお若い方には総てに誠意が欠けていはしませんかしら」(『東京日日新聞』1938年6月3日付夕刊4面)。神奈川に住む女性からの投書。 pic.twitter.com/d48oslp7X4
 拡大

↑1938年は昭和13年。

谷山義彦 @jemappellety
「男子が貞操観念の薄い事、不作法な事は今にはじまったのではないが近頃青年が大いにこの方面に欠けた観あるのは将来性のあるだけ特になげかわしいことと思う」(『東京日日新聞』1938年6月2日付夕刊4面)。 pic.twitter.com/zJNjKiALrI
 拡大
谷山義彦 @jemappellety
「この頃の若い男達から受ける(中略)生活力にも、恋愛にも、体当たりでぶつかってゆけない頼りなさはどうしたことであろう」(『東京日日新聞』1938年5月31日付夕刊4面)。「体当たりでぶつかる胆力」と題した文章を参照。1938年当時の若者も(?)胆力がなかったのだろうか。 pic.twitter.com/8a1MwSyzeE
 拡大
谷山義彦 @jemappellety
「近ごろの女学生はお行儀が悪い」(『大阪朝日新聞』1937年6月23日付朝刊7面)。それ故、礼儀作法を女学校でしっかり教えることになった旨を伝える記事。 pic.twitter.com/08JxFacobC
 拡大
 拡大
谷山義彦 @jemappellety
「此の頃の青年には気概がなくなった(と嘆く老人がいる)」(『読売新聞』1936年1月23日付朝刊9面)。 pic.twitter.com/XtMRUY9CH8
 拡大
 拡大

↑「現代娘かたぎ」は1936年1月13日付~1月28日付の読売新聞に掲載された連載企画(全14回)。当時の10代後半から20代半ばの若い独身女性(おそらく中流~上流階級に属すると思われる)14名がそれぞれの「大胆率直な社会観なり男性観」(注1)を語っている。上に引用した記事の女性は打算的な結婚観を持っていたが、家族制度や男尊女卑的な風潮への不満をほのめかす人が少なくなかった。女優の水の江滝子(1915~2009)と「一生同棲できたら男なんかと誰が結婚するものですか!」(注2)と言った人がいたのも興味深かった。当時は同性婚という概念すらなかったはず。

※注1&注2はいずれも1月13日付

谷山義彦 @jemappellety
「現代の娘さんはもう一歩考えの足りないところがある」(『読売新聞』1936年1月29日付朝刊9面)。勝本清一郎は近代日本文学の研究者(1899~1967)。 pic.twitter.com/5T7o3yGXba
 拡大
 拡大
谷山義彦 @jemappellety
「現代の娘ちゅうもんは、皆あんなに意気地のない考えをもっとるんじゃろうかネ?」(『読売新聞』1936年1月31日付、朝刊9面)。高島米峰は仏教運動家(1875~1949)。東洋大学の第12代学長でもある。 pic.twitter.com/8ZfZMDKO1U
 拡大
 拡大

↑「現代娘かたぎを批判す」は1936年1月29日付~2月1日付の読売新聞に掲載(全4回)。男女2名ずつ、計4名の識者が先の連載企画「現代娘かたぎ」で開陳された意見への批評をしている。男性の識者は若い女性らの言い分にそれなりに理解を示しながらも、いずれも批判的である。女性識者は2人とも彼女らの意見を擁護していたが、割愛させていただく。

谷山義彦 @jemappellety
「(サラリーマンを志望する青年が多いのは)二つの大きな理由があるのだ。現代青年の怯懦な精神と虚栄心とが是れである」(『読売新聞』1936年1月14日付朝刊2面)。大谷光瑞(浄土真宗本願寺派第22代宗主。1876~1948)が、サラリーマンになりたがる当時の若者を批難している。 pic.twitter.com/SRLLSH8KlV
 拡大
 拡大
谷山義彦 @jemappellety
「近頃の若いものは、大学出だなんていったって、ろくな手紙一本も書けない、おれの時代なんぞは……と、よく先輩から聞かされる」(『東京日日新聞』1934年10月3日付朝刊3面)。「ひろし」という学生からの投書。 pic.twitter.com/LAlQ1h85HD
 拡大
谷山義彦 @jemappellety
「(近頃の女の子は)貞操感(原文ママ)なんてなくしちゃってるし、図々しくて、鼻柱が強くて、悪趣味」(『読売新聞』1934年9月6日付朝刊9面)。当時の不良の意見。 pic.twitter.com/kGYPFC73ty
 拡大
 拡大

↑「不良から観た現代娘気質 札付の不良と語る」は1934年9月3日付~9月6日付の読売新聞に掲載(全4回)。ある「札付の軟派専門の不良」(9月3日付)、つまり女性のナンパばかりしていた不良青年が若い女性の気性についてあれこれと述べている。この彼も批難の対象としての"イマドキの若者”の一人なのに。「(彼の)話を総括すると現代の若い女性はまるで女性の欠点を全部代表したような不愉快な存在のように思えます(9月6日付)という記者の感想も面白い。

谷山義彦 @jemappellety
「近ごろ若い社員なんか生意気すぎるくらい威張りすぎます」(『大阪朝日新聞』1934年5月19日付朝刊5面)。寄稿した人物は現役の職業婦人だろうか。 pic.twitter.com/HqHsReJQfw
 拡大
谷山義彦 @jemappellety
「現代の若者は何か極端へ極端へ走る我々の時代にはまだ楽しみが少し残っていたが、今はそれが全然ない」(『東京朝日新聞』1934年3月16日付朝刊11面)。サトウハチロー(詩人。1903~73)のコメント。 pic.twitter.com/LoSNpH2FNj
 拡大
谷山義彦 @jemappellety
「近頃ノ若イ者ハ気力ガナイ」(『東京朝日新聞』1933年10月11日付夕刊1面)。麻生豊(1898~1961)の4コマ漫画「人生勉強」。主人公の只野凡児が「同県ノ先輩」のもとを訪ねたところ……。 pic.twitter.com/bJ2wcNqxp7
 拡大
 拡大

↑フィクションからでも当時の世相が読み取れると思い引用した。下川凹天(1892~1973)の4コマ漫画「男やもめの巌さん」にも、白虎隊の生存者を自称する老人が「近頃の若者」の軟弱さや忍耐力の無さを嘆く場面がある(『読売新聞』1933年9月4日付朝刊9面)。

残りを読む(82)

コメント

谷山義彦 @jemappellety 10月29日
まとめを更新。引用した部分をデコレーションで装飾し、テキストのフォントの一部を変更した。
崖っぷちの中津 @nakatutooru0626 10月29日
古代エジプトのパピルスだか石版だかでも「最近の若いもんは……」つってるからねぇ
ろんどん @lawtomol 10月29日
「新人類」が、新語・流行語大賞に選出されたのが1986年だそうで…その頃に大卒で企業に就職した方々もそろそろ定年を迎えるお年ですな
フユドラン @6yOYPQY6M6YEKfs 10月29日
草食系男子は戦前から多かったのですね
mikumiku_aloha @mikumiku_aloha 10月29日
自分は戦時中や戦後の人達並みに根性や元気がある気しないので、時代が経つにつれて段々と根性や元気が無くなってきているという可能性もあるかなと思います。
ワス @wsplus 10月29日
大人の悪い部分を見習わなかった結果だと思います
mikumiku_aloha @mikumiku_aloha 10月29日
確かに、今の世の中でもアレだけど自分が若い頃に比べると根性論は減って来て多少合理的にはなっていると思う
おつらら @otsuraraa 10月29日
最近の若い者は〜って言ってる人は、要は若者に相手されてないだけなんですよね
mikumiku_aloha @mikumiku_aloha 10月29日
イタリアのサッカー選手のコメントとかも昔に比べて根性見せるようなの減ってきているように感じるので、文明が発達して便利になると根性や我慢は段々苦手になっていくんじゃないかな。 おっさんでもコンビニ無しで我慢する生活には戻れそうにない
@mouth0717 10月29日
nakatutooru0626 それデマらしいですよ。ここのブログで詳しく検証されてる。 https://55096962.at.webry.info/201410/article_17.html 『古代エジプト人は「近頃の若い者は・・・」と言ったか? 噂の出所を探ってみた』
青列車@leTrainBlue @EF61501 10月29日
若人よ、大人達が[今時の若者は云々]と言い出したらそれは褒め言葉だと受け取るが良い。何、大人達だって昔は散々そう言われつつも当時の大人達に反発していた。それが何時の間にかしたり顔して次の世代を批判する。どの口が抜かすか!と言ってやるが良い。かの本田宗一郎氏曰く…[大人が理解できるようなことじゃまだまだ、大人が理解できない様なことをするのが若者の特権]だとか。しがらみに縛られ錆付いた大人達による閉塞感を打ち破れるものは次代を担う若者の今迄に捉われない発想から生まれるものだ(^^)/
Yoshiteru Kawai @yoshikun2009 10月30日
最低でも113年前の決定的証拠があるのだからヨタの江戸しぐさよりよほど教えるべき事実だな>近頃の若いものは論
くろだ@虚無感 @ponkotsu14 10月30日
子々孫々のマウント合戦ですかなぁ。おそらくもっと遡ればその時代の価値観における「近頃の若者は~」論が出てくるでしょうねぇ。ちょっと興味あります。
やまPP @nigatudou 10月30日
自分が元気でなくなってきた事を、若者が元気がない。と言うことで誤魔化してるだけだよ。
まあちゃん @matyan0 10月30日
「日の下に新しきモノ無し」聖書の言葉だっけ?明治時代の若者は幕末世代の老人を「ちょんまげ頭」と老害ぶりをからかったらしいから、若者も大人もやってる事は昔から変わらない。
ポテコ @poteccco 10月30日
今までのどの世代も、上から言われる「最近の若いモンは論」にうんざりして反発して「俺(私)たちはそんな老害にはならん」と思いながら歳を取り、無事同じような老人に仕上がってきたわけで。まぁ個人レベルでできることは、少なくとも自分はならんと少しでも多くの人が心に決めてそれを実行することだな。
ろんどん @lawtomol 10月30日
どなたかが仰ってた「若僧 笑うな いつか来た道。老いぼれ 笑うな いつか行く道」を思い出します
朝起きたらかわいい女の子になりたい懐疑 @Arcturusies 10月30日
「最近の若いもんは」論にうんざりした若者が若者を嘆く老人になるのではなく、論にうんざりしてなかった若者がそういう老人になるのでは?
RUN @Runagate 10月30日
いつの時代も世代間ギャップは発生するということですなぁ
冷たい熱湯 @Tuny1028 10月30日
むしろ若者は活力に溢れてるものだと言う幻想に大昔からとりつかれていて未だ抜け出せてないと言うことなのでは
sindriさん @sindrisan 10月30日
「活気のある若者」と聞くとハロウィンに軽トラを横転させるイメエヂが
ISSY @issy1080 10月30日
若者は同年代でいるときに活気があるってだけで、若者の活気がないって感じるってことは、自分がそういう年じゃなくなったってことなんだぜ。
谷山義彦 @jemappellety 10月30日
まとめを更新。解説文に加筆し、1912年4月17日付の万朝報の引用した部分をデコレーションした。さらに日比谷平左衛門と前田慧雲の文章を差し替え(前のは画像が斜めに傾き過ぎていた)、難しいと思われる言葉に注を加えた。
odgessun @odgessun 10月30日
こういう使い古された駄文が飽きもせずにロンダリングされるのは、新聞の大衆迎合的な本質を示している。昔、この手の論調に批判的だった人がいないと思う? 自分はまったく思わないのだが、そういう声は無視されてきたんだろう。
しゃけちゃづけ @DdHhhl 10月30日
記事全文を載せてあるのは本当に助かります。一部だけをくりぬいてああだこうだと言い合うまとめが多いのでますます貴重さを感じます。
やる夫 @okssk431 10月30日
「最近の若者は」と言いながら学徒出陣させた戦中日本、「最近の若者は」と言いながら若者に人生ハードモードを強いる現代日本。なにも変わってないな。いずれ滅びるだろうね…なんて、これも漱石先生が言ってたか。
みっくす・じゅーす @mixjuice_100cc 10月31日
幕末に人を斬りまくってた御仁ならそりゃあ「最近の若者は気合が足らぬ」とも言いたくなる
gx9900 @GX9900GUMDAMX 10月31日
若者が変わったんじゃなくて景気が変わっただけじゃなかろうか。経済成長期に若者だった人たちが不景気になった日本の状況を若者に押し付けてる。
私は16TONS@大阪の崇高なるダダイストにして、尋常ならざる性癖を帯びたもの @moonintears16t 11月2日
この現代では情報の蓄積やネットでの集合知があるから、先人たちが踏んできた轍の危ない部分が多少なりとも共有されてきてるのかな、と思ったり。
谷山義彦 @jemappellety 11月3日
まとめを更新。文章の一部を修正。
oshow2001 @oshow2001 11月3日
若いころの記憶から印象の薄い部分が抜け落ちると、活発な所のみから再構成された過去が出来上がるわけで、それと比較したら、そりゃ、近頃の若者は覇気が無いように見えるよね。
ue280 @cd2023 11月5日
okssk431 日本は滅びても滅びても復活するゾンビだから・・・
ログインして広告を非表示にする
ログインして広告を非表示にする