くちびるにジャズやるべリンダリンダの幕は上がるのか
うちの学校にそんな部活あったっけ。地味すぎて存在すら知られていない 水飲み部。部活動もいい加減だ。毎年決まって一回戦負けなのだから努力してもしょうがないのだ。 「ところで、今度新しく来た先生な、あの偏屈でひと嫌いなやつ、伝説の青龍らしいんだ。」 #twnovel
2018-10-29 23:33:34伝説の青龍とは 5年前の全国水飲み大会に突如現れて高得点を叩き出した選手の事だ。何故かその後の大会には現れず伝説となった。 水飲み部は青龍に指導を頼みにいったのだが、あっさり断られてしまった。青龍にはトラウマがあって水飲みはもうやっていないと言うのだ。 #twnovel
2018-10-29 23:40:37顧問の先生が突然辞めて故郷に帰ってしまい、水飲み部は途方にくれていた。そこに青龍がやってきた。「教頭に押し付けられたんだ、他の先生はみんな忙しいそうだ。」 新顧問の青龍はたまに現れて変な指示をしていくだけだった。多くの部員が辞めていき残ったのは、たったの4人。 #twnovel
2018-10-30 00:00:394人は懸命に頑張った。青龍の自動車さえ洗った。これには何か深い意味があるに違いないと信じて。そんな部員たちに青龍もしだいに心を動かされていく。 「お前たちを全国大会に連れて行ってやる。」 青龍の真剣な指導で、メキメキ上達する4人。 #twnovel
2018-10-30 00:10:27今年の夏の暑さは厳しく体育会系の練習は、しばしば中止にさえなったのだが、水飲み部の4人は猛練習をしていた。惚れ惚れする様な水飲みに部を去っていった者達が次々と戻ってきた。不思議な事に彼等も何故か上達しているのだが、それは本筋ではないのでまあいい。 #twnovel
2018-10-30 22:43:51県大会の会場に向かうバスは一向に進まない。高速道路が何処かで通行止めになったらしいのだ。車内は異様な空気。間に合わない。焦燥や諦め、泣き出す者さえ出はじめた。 ヘリの爆音が近くに聞こえる。高速道路の横の公園に降りた様だ。中から降りてきて手を降っている元顧問先生。 #twnovel
2018-10-30 22:54:46ようやく辿り着いた県大会会場。だが、扉からは観客が既に帰ろうとしているところだ。 その時、ステージの進行役が泥だらけの水飲み部員達に気づいて彼等をステージに呼んでくれた。観客ももう一度席に戻ってきた。 水飲み部部員達は今までで最高の水飲みを披露した。 #twnovel
2018-10-30 23:02:26