.@utamarushisho presents 「こんな医療でいいの? 〜ホームドクター制度と医療分業」

震災で混乱する医療現場と医療の質の問題。 今後、さらなる高齢化社会になる日本の医療の質は向上できるのか? ホームドクター制度で医師のさらなるスキルアップを促そうというThe Shishoの提案!
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The Shisho @utamarushisho

【こんな医療でいいの? 〜ホームドクター制度と医療分業】

2011-04-26 19:28:20
The Shisho @utamarushisho

1. 震災後の医療現場が混乱しているようだ。被災地の病院・診療所の能力不足の問題、医薬品工場の操業停止など、医療を受けたいという需要に供給能力が追いつかないという。東京あたりでも、3〜4月は大学病院や総合病院は混雑する時期で、加えて医療現場は震災の影響も受けた。

2011-04-26 19:28:35
The Shisho @utamarushisho

2. 被災地の人々が高度な医療を受けに首都圏にやってくる、電力の確保のため自家発電をフル稼働、物流や工場停止で一部の医薬品の確保が難しくなった、それに加えて年度末・年度初めで患者が増える時期である、等によって首都圏の大学病院や総合病院は混乱したのだ。

2011-04-26 19:29:04
The Shisho @utamarushisho

3. 大学病院や総合病院は、通常時でも混雑している。勿論、先進医療を受けに全国から患者が集まってくるからである。それにセカンドオピニオン・サードオピニオンが当たり前の時代になったため、益々人が集まる傾向にあるようだ。それに名医の情報など、書物も溢れている。

2011-04-26 19:29:34
The Shisho @utamarushisho

4. それだけなら良いのだが、近年では町の開業医が診断・治療できうる疾病でも、総合病院や大学病院に通う患者が増えてきている。町の開業医のスキルが低いためか、過疎地での病院・診療所が閉鎖されてきているためか、とにかく医療制度が崩壊してきているのだ。

2011-04-26 19:30:04
The Shisho @utamarushisho

5. しかし、総合病院や大学病院とは先進医療もしくは高度医療を提供する場である。例えば教授・准教授クラスになると、医療の発展のための研究活動を行い、学会に出席し、学生を指導し、患者を診断・治療し、さらには患者に対して診断書を書くなどのサービスを行わねばならない。

2011-04-26 19:30:34
The Shisho @utamarushisho

6. そんな多忙な毎日であるのに、軽度な患者を受入れる余裕などないのだ。大病院の勤務医だってそうだ。総合病院の勤務医は、さまざまな勉強をしなければならないのに、患者の対応に忙殺されており、その時間を捻出するのが難しい。しかも勤務医の収入は、概ね高くはない。

2011-04-26 19:31:04
The Shisho @utamarushisho

7. もちろん開業医でも地域に密着した活動を行い、地域医療に貢献している医師は多い。しかし逆に、このようなスキルで、医者がよくできるなと思えような医師が多いことも、見逃してはならない。このようなアマチュア級の医師の存在が、医療の質と信頼を落としてしまっている。

2011-04-26 19:31:34
The Shisho @utamarushisho

8. 開業医は地盤さえしっかりしていれば、自然と患者が集まる。そこで適切な医療が提供されていれば、結構なのであるが、必ずしもそうとは言えない。誤診も相変わらず多いし、リスクを怖れすぐに大病院に患者を回してしまう医師も多い。これが大病院の混乱の原因にもなっている。

2011-04-26 19:32:04
The Shisho @utamarushisho

9. そもそも医師免許とは原則的に一回取得してしまえば、一生有効である。勉強しなくても医師は続けられる。勉強しない医師が果たしてプロフェッショナルと言えるのであろうか? そのような低レベルの医師に、プロフェッショナルを名乗って欲しくはない。

2011-04-26 19:32:35
The Shisho @utamarushisho

10. プロフェッショナルには必ず結果責任が問われる。これは医者の世界だけではない。弁護士でも政治家でも経営者でもコンサルタントでも同じだ。高い報酬を得るためには、血のにじむような努力と勉強が必要だ。当たり前のことが分からぬ医師、政治家が多すぎる。

2011-04-26 19:33:04
The Shisho @utamarushisho

11. しかし、開業医にも言い分はある。町医者の待合室は、老人の集会所さながらの様相となっている。開業医は老人たちの話し相手をさせられることも、しばしばある。確かに開業医もまた勉強時間に割ける時間が少ないのかもしれない。

2011-04-26 19:33:34
The Shisho @utamarushisho

12. 余談であるが、笑い話がある。町医者でいつも出会う老人が、しばらく姿をみせなかった。で数ヶ月後に久々に会った時に、どうしたのかと聞いてみると、老人いわく。「病気していて病院に来れなかった」と(笑)この言葉が、地域医療の現状を端的に表している。

2011-04-26 19:34:05
The Shisho @utamarushisho

13. もう抜本的に医療制度を見直さねばならない時期にきている。高齢化社会の進行するなかで、今の制度ではもたない。そこで紹介したいのが、ドイツや米国の「ホームドクター制度」である。ホームドクターとは、まず最初に相談する医師のことを言う。

2011-04-26 19:34:35
The Shisho @utamarushisho

14. 米国では社会保険制度がなく医療費が高い。このため、出きる限り何人もの医師の所に行く必要のないよう、内科医の教育を総合的に行っている。したがって、先ず大人が病気になった場合、一般内科を受診することになる。そこで専門医への依頼が必要かを判断するのである。

2011-04-26 19:35:04
The Shisho @utamarushisho

15. 米国のホームドクターは、プライマリードクターとも言われており、全ての病気・怪我の窓口になってくれる。米国の大学病院・総合病院は、入院や検査、高度な医療を受けるための専門施設であって、風邪などの軽度な病気の治療を行う施設ではないとされている。

2011-04-26 19:35:35
The Shisho @utamarushisho

16. 社会保障が充実しているドイツでも、ホームドクター制度がある。ドイツでも先ず、患者はホームドクターに相談することになっている。ホームドクターは各患者の病歴や体調に関するデータを持っており、患者はホームドクター登録すれば保健費用が一部免除される。

2011-04-26 19:36:04
The Shisho @utamarushisho

17. ただ欧州で導入されているようなホームドクターの登録制度では、高度な治療を受けるまで時間がかかりがちであり、自分で専門医が選べないなどの欠点もある。したがって日本で本格的にこの制度を導入するためには、制度的な改良の余地はあろう。

2011-04-26 19:36:34
The Shisho @utamarushisho

18. 確かに日本の医療制度では、診療報酬体系の問題、医療機関への支払方法、高齢化と国民医療費の増加、などの改革課題は山積されている。また医師数の不足や偏在、医学部進学への費用負担の大きさ、開業医と勤務医の給与格差、などの問題もある。

2011-04-26 19:37:05
The Shisho @utamarushisho

19. それと同じように、医師のスキルアップは重要な課題である。少なくとも開業医は、米独のホームドクターのような医療スキルとナレッジを持たねばならない。軽度の医療と高度の医療を分業化せねば、本当に高度な医療が必要な人達に、充分な医療サービスが行き渡らない。

2011-04-26 19:37:34
The Shisho @utamarushisho

20. 医療分業に関しては、医師会の猛烈な反発が起こるであろう。しかし圧力団体の既得権益を剥がすのは、政治の役割であろう。医療とは何のために存在するかという原点を考えれば、答えは自ずと出てくると思うのだが… (以上)

2011-04-26 19:44:13