三国志に出てくる二世武将について

立派な父親の元に生まれ、父に劣らない功績を立てた男達を立伝してみました。
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陳泰伝 名政治家の息子だった名将の一生

ヤン・ヒューリック @1xuVLqH3kQ

#三国志雑談 名政治家の息子だけど、名将として功績を残した男 「陳泰伝」 三国志には父や子の関係にある人物がいっぱいいます。そんな中で名政治家として称えられた陳羣にも息子がいました。しかもかなり優秀であり、政治家としてではなく名将として評価されたのが彼の息子である陳泰です。

2018-11-02 23:33:13
ヤン・ヒューリック @1xuVLqH3kQ

陳羣は世界史の教科書にもなり、随の時代に科挙が始まるまで三百年近くも採用されていた九品官人法という人事登用制度を作ったことで有名な人物ですが、彼の息子である陳泰は魏の名将として大活躍していました。

2018-11-02 23:34:56
ヤン・ヒューリック @1xuVLqH3kQ

彼がまず最初にあげた功績は并州刺史・振威将軍・使持節・護匈奴中郎将として并州へと赴任し、匈奴ら異民族達の統治にも成功していました。 元々彼が并州に赴任する際に、都の貴族達は彼に賄賂を渡して異民族達を奴隷として売ってくれるように頼みました。そこで陳泰はあることを行います。

2018-11-02 23:37:50
ヤン・ヒューリック @1xuVLqH3kQ

陳泰は并州へと赴任すると、役所の壁に送られた賄賂が入った袋をそのまま吊るし、誰がどう見ても賄賂を受け取っていない証を見せ、異民族達を奴隷にしない姿勢を明らかにしました。また彼の統治は威厳と恩愛があったとされ、その功績を持って彼は尚書として中央に戻ります。

2018-11-02 23:40:01
ヤン・ヒューリック @1xuVLqH3kQ

中央に戻った後、彼は賄賂を送った者達に返し、また高平陵の変でも司馬懿派につき、ある意味曹爽に引導を渡していますが、その後は雍州へと赴任し、征西将軍として昇格した郭淮の後任として雍州刺史へと赴任します。

2018-11-02 23:41:38
ヤン・ヒューリック @1xuVLqH3kQ

ちょうどこの頃、高平陵の変で曹爽一派が司馬懿を筆頭とした名士達により粛清されましたが、それを危惧した夏侯淵の息子、夏侯覇が蜀へと亡命します。 その後、夏侯覇は蜀の将軍として姜維達と共に北伐へと参加。姜維は句安らに麹山へと砦を築かせ、羌族と連携を取り北伐を開始します。

2018-11-02 23:43:42
ヤン・ヒューリック @1xuVLqH3kQ

蜀軍が動いたことから郭淮は陳泰と協議しますが、その際に陳泰は郭淮に対して「蜀軍は山道が険しいので兵糧輸送もままならず、肝心の羌族も将軍(郭淮)のおかげで実際は姜維に迷惑しているので、ここは麹山を攻めましょう」と進言します。

2018-11-02 23:46:18
ヤン・ヒューリック @1xuVLqH3kQ

そこで郭淮は陳泰に鄧艾ら将兵を率いさせ、麹山を包囲させます。陳泰は句安らを完全に包囲し、水源を絶つほどの完璧は包囲網を敷きますが、彼は蜀軍とは戦わないようにしていました。蜀軍の精強さは折り紙付きですが、兵糧と水源に欠陥をあることを陳泰は冷静に見抜いた上でこれを絶っています。

2018-11-02 23:48:28
ヤン・ヒューリック @1xuVLqH3kQ

句安らは雪を溶かして水を確保するほど追い込まれており、姜維も救援へと駆けつけますが、すでに陳泰は対策を練っており、郭淮に進言していました。 「自分は南方に進んで白水を渡り、水路に沿って東に向かい、将軍(郭淮)は牛頭山へと進軍し、姜維の退路を断ってください」と。

2018-11-02 23:51:28
ヤン・ヒューリック @1xuVLqH3kQ

慌てた姜維は実質的に句安らを見捨てる形になり、漢中へと撤退しました。そして句安達は仕方なく降伏し、陳泰も彼らの降伏勧告を受け入れました。 姜維は当時、費禕から一万程度の兵力しか動かさないようにと制限がかけられており、かなり苦しい戦いをする羽目になっております。

2018-11-02 23:55:15
ヤン・ヒューリック @1xuVLqH3kQ

それでも郭淮や陳泰相手には殆ど一方的、それも実質陳泰の計略通りに事が進んでいた為、まるで良いところが無く、せっかく夏侯覇が味方になったにも関わらず、負け戦となっているのを見ると、陳泰の器量は間違いなく彼らよりも上だったのが分かります。

2018-11-02 23:57:03
ヤン・ヒューリック @1xuVLqH3kQ

その後、郭淮が亡くなると陳泰は彼の後任として征西将軍・仮節・都督雍涼諸軍事となりますが、ここで一つ問題が起きました。それは、郭淮にとって優れた副将である自分のような優れた人物がおらず、姜維は無論のこと、夏侯覇にすら及ばない人材不足に悩まされます。

2018-11-02 23:59:19
ヤン・ヒューリック @1xuVLqH3kQ

陳泰の後任として雍州刺史になった王経ですが、良くて凡庸、悪くて無能な人物でした。姜維と夏侯覇が三つの街道から攻めてきた時に、三つの街道に軍を置きましょうと進言しましたが、陳泰は「兵力分散になるし、蜀はそこまでの兵力はない。兵力分散になるからダメ」と却下します。

2018-11-03 00:04:52
ヤン・ヒューリック @1xuVLqH3kQ

そしてもう一人徐質という人物が隴西郡の狄道を守っていましたが、彼は蜀の老将張嶷との戦いで戦死するなどこの当時魏の西方はかなり荒れていました。 基本的に魏は西方よりも蜀よりも大国である呉がいる東方を重要視していたので、対応に差があったのですが、その弊害が出ています。

2018-11-03 00:06:31
ヤン・ヒューリック @1xuVLqH3kQ

その後、姜維は再び進軍を開始し北伐を再開。すでに彼の上司であった費禕も魏の降将によって刺殺され、姜維の北伐は誰にも止められなくなっていきます。 そして、姜維は尊敬する上司であった諸葛亮の北伐に習い、祁山から進軍し、涼州を制圧するために出撃しました。

2018-11-03 00:08:10
ヤン・ヒューリック @1xuVLqH3kQ

涼州は異民族が多く、耕地も少ないので兵力を養うには不向きな土地です。しかし良質な馬と交易の拠点であり、蜀側から見れば涼州と雍州を分断すれば攻めやすくなる第二の補給基地という要衝でした。

2018-11-03 00:10:32
ヤン・ヒューリック @1xuVLqH3kQ

魏から見れば、涼州を取られると交易拠点を失い、羌族を初めとする異民族が蜀側に付き、ヘタをすると長安より西を失いかねないほどの重要拠点でした。 故に陳泰は姜維に備える為、王経に主力を預けて雍州と涼州を繋ぐ最重要拠点である狄道を守らせます。しかし、ここで姜維は王径を散々に打ち破ります

2018-11-03 00:12:22
ヤン・ヒューリック @1xuVLqH3kQ

一説にはこの時の魏は、万単位もの兵士が失われたとあり、かなりの大損害を出していました。姜維に敗北した王径はなんとか少ない兵力で狄道へと籠城することに成功しますが、姜維は狄道を包囲し、涼州方面を制圧する好機として狄道を攻略することを決意します。

2018-11-03 00:14:19
ヤン・ヒューリック @1xuVLqH3kQ

姜維は何一つ間違っておらず、狄道を制圧すればそのまま北上して涼州を魏からぶんどれるほどの大チャンスが目の前に転がっています。仮に攻めていたのが諸葛亮であっても同じく狄道を攻略したでしょう。 諸葛亮自身も、天水、南安、安定の三郡を寝返らせ、隴西郡を攻めています。

2018-11-03 00:15:41
ヤン・ヒューリック @1xuVLqH3kQ

ここで陳泰は王径が敗北したことを知ります。そして鄧艾は陳泰に「姜維の勢いを止めるため、隙をうかがい衰えるのを待って、今は隴西を鎮撫するべきです」と進言します。何しろ主力の王径率いる魏軍が敗北したことから、兵力面で魏軍はこの時、蜀軍よりも劣勢であったようです。

2018-11-03 00:17:54
ヤン・ヒューリック @1xuVLqH3kQ

しかし陳泰は「姜維が勝ち戦の勢いに乗り、羌族や降伏した兵士達ともに櫟陽の穀物を奪ったら厄介なことになる」と鄧艾の実質的に王径を見捨てる進言を却下し、狄道救出の為に出陣します。

2018-11-03 00:20:03
ヤン・ヒューリック @1xuVLqH3kQ

後に助け出された王径は陳泰に「援軍が遅かったら一州が陥落していました」と報告していますので、もし狄道が蜀軍の手に落ち、隴西が制圧された場合は涼州まで失い、ヘタをすると長安以西を失いかねない危険性を陳泰は誰よりも理解していました。

2018-11-03 00:21:54
ヤン・ヒューリック @1xuVLqH3kQ

しかし、主力は壊滅している為に真正面から戦うには不利な状況にありましたので、陳泰はここでも機転と知恵を使い、道の東南にある高い山の上に到着すると、そこで大量ののろしを上げ、太鼓と角笛をならし、狄道に籠もる味方に援軍が来たことと、蜀軍に向けて大兵力で反撃してきたと錯覚させます。

2018-11-03 00:23:55
ヤン・ヒューリック @1xuVLqH3kQ

しかし姜維も魏軍が援軍に駆けつけることは理解していたので伏兵を置いていましたが、陳泰はこれを看破しており、兵力で勝っていない状況ではありますが姜維と戦い姜維を涼州へと撤退させています。 そして、その後は王径と図って蜀軍の退路を塞ごうとし、姜維はそれを知ると慌てて撤退しています。

2018-11-03 00:27:30
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