人文系研究の国際水準と流行のセオリー

人文系や歴史学の研究の国際水準とは何ぞや、あるいは認められる際に流行のセオリーをふまえることが必要かどうかについてのやり取りをまとめました。
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KANAYAMA Koji @kanayVc

そういう場合もありますねえ。で、そのことに気づくだけなら必ずしも留学は不可欠ではない。 QT @n_akiya  国外も国内もそう研究水準は変わらんよ

2011-04-24 13:21:09
KANAYAMA Koji @kanayVc

国際的な研究水準、か・・・人文社会系では個々の(あるいは国による)研究の相違は、水準の違いよりは質の違い、とみなしてよい場合が多分にあるような気もいたしますが。

2011-04-24 13:23:13
KANAYAMA Koji @kanayVc

留学してやたらに傲慢になったり卑屈になったりと、壊れてしまった人もいるから(私のTLにも・・・)、安易に留学を勧める気にはならないかなあ。明治以来、日本人が欧米に長期留学するというのは、大変な知的・精神的試練でありました。(続く)

2011-04-24 15:52:35
KANAYAMA Koji @kanayVc

(承前)「国際的水準に立ちたい」「世界的な先生のもとにつきたい」、だから留学する、というのは結構だけど、その程度の覚悟だけで行くとやけどするかもしれない。まして、欧米への留学を他人に押しつけるというのは、賛同しかねるなあ。

2011-04-24 15:55:10
KANAYAMA Koji @kanayVc

あ、欧米以外の国々にはガンガン留学すればいいと思いますよ。ロシアとか笑

2011-04-24 15:57:18
Tetsuya Nagamoto @saisenreiha

他の学問領域は知らないが、歴史学は比較優位が成り立ちやすい学問なので、余り真っ向勝負という感じのことはない気がする。若いミュンスター再洗礼派研究者も私しかいないので、少なくとも再洗礼派統治が始まる前の時期に関しては、実質私が世界一の専門家ですし。

2011-04-24 19:50:42
Tetsuya Nagamoto @saisenreiha

下ライン地方の再洗礼派について今後研究をするにしても、現在私しかやろうとしている人がいないので(フランスに一人いるけど、ケルン中心で時期も後なので余り被らない)、競争する相手もいません。水準がどうこうと言っても、やっている人が他にいないので、無人の荒野を行くという感じです。

2011-04-24 19:54:31
Tetsuya Nagamoto @saisenreiha

ドイツ史も、基本的にローカルな感じなので、何が国際的な研究になるのか今一つ良く分かりません

2011-04-24 20:01:11
KANAYAMA Koji @kanayVc

そうそう。だから、鼻息荒い人々には今一つ共感できない。 QT @saisenreiha 〔・・・〕歴史学は比較優位が成り立ちやすい学問なので、余り真っ向勝負という感じのことはない気がする。若いミュンスター再洗礼派研究者も私しかいないので、〔・・・〕実質私が世界一の専門家ですし。

2011-04-24 21:06:20
KANAYAMA Koji @kanayVc

数時間前の話を蒸し返すと・・・あれだな、学問は別に競争によって進歩する、ってものでもないんだよな(しれっ)

2011-04-24 22:33:36
@hase0907

個人的な印象ですが、少なくとも私の周りの研究者の中では、研究対象よりもその研究対象がどれぐらい流行のセオリーの中で議論されうるかが問われている気がします。流行っていうのがまぁ、またみもふたもありませんが。@saisenreiha

2011-04-25 03:06:36
Tetsuya Nagamoto @saisenreiha

@hase0907 そんな感じはしますね。流行に乗らないと、何をやっても他の研究者に響かず、注目も評価もされないというか。

2011-04-25 13:46:45
spielraum_m @spielraum_m

@saisenreiha @hase0907 わたしは日本人「が」流行(?)のセオリーに対して構えすぎているような気がしています。文系の学界で語られていることを広く知っていることは大事なことだし、それについて言及しないと特に欧米では「知らない」とみなされてしまう恐れが。

2011-04-25 16:28:43
spielraum_m @spielraum_m

@saisenreiha @hase0907 ちなみにミュンヘンの歴史学科では学部の低学年からずっとセオリーの授業があり(選択制)、社会学や哲学のをいろいろ読ませています。でも敷居が高い感じじゃなくて「ちょっと考える練習」という感じで、近寄り難い感じはなかったですね。

2011-04-25 16:36:35
spielraum_m @spielraum_m

@saisenreiha @hase0907 それに大半の研究者はセオリーを研究のヒントにしているだけで、歴史学科の場合、最終的には史実が中心になっていると思います。私の研究室は相当なセオリー派(?)だったのですが、同僚が出した研究のうち、重要なものはセオリー中心じゃないです。

2011-04-25 16:42:54
KANAYAMA Koji @kanayVc

私自身は若い時分にロシアに長期留学できて本当に良かったと思っています。本当に。でも―昨日の繰り返しになるが―欧米諸国への生半可な覚悟での長期留学は、勧めない。「世界的レベルに立ちたい」、なんて心意気だけなら、やめたほうがいい。日本と欧米との関係の文化史をまずは理解してもらわないと

2011-04-25 23:19:57
Tetsuya Nagamoto @saisenreiha

@spielraum_m 歴史学の場合、実証研究が中心でセオリー中心でないのは当然ですが、実証研究を行う際に流行のセオリーというか、話題になっているテーマや分析の視角や方法を取り入れることは重要かと思います。日本でもドイツでも、それがないと、無視されて、評価もされない気が。

2011-04-26 01:42:02
spielraum_m @spielraum_m

@saisenreiha ですよね。最初から無視されるわけではないと思いますが、特に欧米で何か発表する場合はセオリーにもある程度言及しないと学術的な教養が足りてないと判断される可能性はありますね。「書いてない=知らない」という感じですし。

2011-04-26 02:38:08
@hase0907

セオリーがあくまで研究のヒントであるというのは全くおっしゃるとおりです。特にミュンスターは中世史より近世史研究者にセオリーを中心に据えようとする研究者が少なくなく、私自身、セオリー偏重主義に疑問を唱える場合が少なくありません。1/2

2011-04-26 04:19:07
@hase0907

「欧米で何か発表する場合はセオリーにもある程度言及しないと学術的な教養が足りてないと判断される可能性」もありますが、そもそも学会のCFPにせよStelleのCFPにせよセオリー中心に書かれる場合が多く、応募の際戦略的に自分の研究を様々なセオリーの文脈で語ることは必須だと感じます。

2011-04-26 04:24:34
@hase0907

もちろん、そうした戦略的な面から見た「自分の研究」と、自身にとっての研究、というかその核となる部分は意識して切り離しておくべきだと思います。@spielraum_m @saisenreiha

2011-04-26 04:31:15
Tetsuya Nagamoto @saisenreiha

@spielraum_m そういうのがあるのですね。とは言え、研究史でよく使われるセオリーには言及しないとまずいでしょうが、そういった流行から離れている分野だと、どのように流行やセオリーと接点を見つけるのか、かなり工夫が必要だという気はします。

2011-04-26 12:34:36
Tetsuya Nagamoto @saisenreiha

@hase0907 自分の研究を、流行のセオリーに引きつけて行うかは、研究者として生き残るためには必須のスキルであることは痛感します。他人のお金で研究しようとする限り、そういった制約がつくのは当然なので、やりたいことと求められることの間で、何とか落としどころを見つけたいです。

2011-04-26 12:41:10
noby @nob_de

.@saisenreiha さんの「人文系研究の国際水準と流行のセオリー」をお気に入りにしました。 http://togetter.com/li/128455

2011-04-30 15:12:54
noby @nob_de

実はここ数日、このまとめに「違和感」を覚えていた。「流行り」はやはり一時的なイメージがあって。それよりも大切なのは大袈裟にいえば「時代の求めるもの」を長期的視野で捉えていることだと思うからだ(続)。 http://togetter.com/li/128455

2011-04-30 15:15:22