ジョージ・M・フレドリクソン『人種主義の歴史』読書メモ集

ジョージ・M・フレドリクソン『人種主義の歴史』(李孝徳訳、みすず書房、2009)の読書メモをまとめました。George March Fredrickson, Racism : A Short History, Prinston : Princeton University Press, 2002.
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荒木優太 @arishima_takeo

西欧の言語でraceにあたる用語は、それまで、畜産とアリストテレス流の系統概念に結びついた意味を持つものであった。馬や犬のすぐれた血統を認識するのに使われていた用語が、明らかに人間を身体的な性質から生物学的にランクづける伏線となったのである。byフレドリクソン『人種主義の歴史』

2018-11-03 11:01:46
荒木優太 @arishima_takeo

ノックス、ゴビノー、そしてヒトラーは人種主義者であったが故に、帝国主義の植民地支配に懐疑的・批判的たりえた。反対に帝国主義への志向には、異質な種さえも最終的には自分達と同化しうるという前提があるのでは。メモ。

2018-11-04 12:48:19
荒木優太 @arishima_takeo

「黒人男性が巨大なペニスを持つという神話は、二〇世紀の変わり目に現われた反セム主義において信じられたこととは対照的である。そこでは大きな鼻のユダヤ人男性のペニスは小さく、さらに割礼によってペニスが切り縮められていると信じられていたのだ」(フレドリクソン『人種主義の歴史』)。ふむ。

2018-11-04 14:17:48
荒木優太 @arishima_takeo

「ナチによるユダヤ人の定義は、合州国南部の人種的純血法において黒人を範疇化するために普及していた「ワン・ドロップ・ルール」ほど厳格なものでは決してなかった」(フレドリクソン『人種主義の歴史』)。すごい名前だ。

2018-11-04 14:21:51
荒木優太 @arishima_takeo

「合州国、英国、フランスで「新人種主義」と呼ばれるものは、遺伝的な資質よりも文化を実体化して本質化するような、換言すれば文化に人種の役目を負わせるような差異の思考方法である」(フレドリクソン『人種主義の歴史』)。日本文化論にとっても人ごとじゃない。

2018-11-04 14:38:26
荒木優太 @arishima_takeo

私は説得力を感じないが、いわゆる文化的盗用についても。

2018-11-04 14:39:22
荒木優太 @arishima_takeo

短く定式化するならば、ひとつのエスニック集団や歴史的な集団が別な集団を、差異が遺伝的で変えられないと信じられていることを根拠にして排除し、殲滅しようとするときに、人種主義は存在するのだと言えるのかもしれない。byフレドリクソン『人種主義の歴史』

2018-11-04 14:57:08
荒木優太 @arishima_takeo

フレドリクソン『人種主義の歴史』読了。訳者あとがきによれば、反セム主義系列と白人至上主義系列の研究を結び合わせた点に本書の大きな画期があるそうだが、詳しくは知らない。が、なるほど確かにホロコーストやアパルトヘイトなどかなり包括的に取り上げつつも200頁と短くもあるので便宜な予感。

2018-11-04 15:14:48
荒木優太 @arishima_takeo

人種差別を歴史的に知りたいビギナーにオススメできる一冊。

2018-11-04 15:15:26