先ほど英国に本を送ろうと郵便局を訪れて手続きをしていたら、「恐怖系とかの本ではないですよね」と質問され耳を疑ったが確かに禁制品になっている。ゴシックホラーの本家本元がこの仕打とはひどすぎるのではないか。 post.japanpost.jp/cgi-kokusai/no…
2018-10-31 14:54:04@aquirax01 イギリス Royal Mail の該当ページ personal.help.royalmail.com/app/answers/de… を見ると、Obscene publications and unlawful indecent images のところに該当すると思いますが、ポルノ、特に子どもをイメージさせるもので、恐怖物語はまちがいのような。
2018-11-01 02:33:52@aquirax01 何だかいつまでも「日本からイギリスに『恐怖物語』の本を郵送していいのかダメなのか」に関するツイートのRTが止まらない。ちょっと事実関係をチェック。
2018-11-04 06:22:34@aquirax01 まず、現在のイギリスの郵便事業は民営化 (2000-2015) 後、簡単に言うとRoyal Mailの名のもとでいくつかの部門に分かれて事業を行なっている。書類の類いを扱う部門はRoyal Mailの名称、小包などを扱うのはPercel Force。そして各店舗はPost Officeの名称(原則)。
2018-11-04 06:23:15@aquirax01 で、私がツイートした書類を扱う方のRoyal Mailの規則で日本から送付できないもののリストを再掲するとこれ:personal.help.royalmail.com/app/answers/de… で、『恐怖物語』なるものを国際・国内郵便とも送ってはならないという規則は見当たらない。
2018-11-04 06:24:05@aquirax01 つまり日本からイギリスに送られてきてもイギリスでは違法にはならないはず。問題になるのは過激なポルノや子ども保護関連。
2018-11-04 06:24:16@aquirax01 同時に日本郵便(郵便局)もこう明言している。post.japanpost.jp/int/informatio… 『国別の送達条件につきましては、各国の最新の条件を更新するよう万全を期しておりますが、名あて国からの通報の遅延等の事情により、最新の条件が反映されていない場合があります』
2018-11-04 06:24:46@aquirax01 ところが、小包を扱うイギリスのPercel Forceの規則は多少異なる:parcelforce.com/help-and-advic… 該当するのは”Indecent, obscene or offensive articles”の項。これらのもの(本も含む)が見つかった場合には税関か警察に送られ、送付者または受け取り者、あるいは双方に対して法的処置が取られるとある。
2018-11-04 06:26:28@aquirax01 Indecent, obsceneは性的なものなのでここでは除外。問題となりうるのは”offensive”という言葉の意味。『恐怖物語』(Horror Story) はこの範疇の対象となるものなのかどうか。常識的にはなる訳はなさそうだが、イギリスでの近年の判例を見ていくと興味深いケースもあった。
2018-11-04 06:27:09@aquirax01 例えば、これ: 5rb.com/wp-content/upl… これは、
2018-11-04 06:28:00@aquirax01 妊娠中絶合法賛成の活動家が反対派(と思われる)の3個人(薬剤師)に対して堕胎された胎児の『生々しい』写真を送り、中絶の法制化の整備や人々の意識の変化を求めたものらしいが、その写真のイメージがOffensiveであるとされ『地裁』ではこの活動家の写真送付行為が違法とされた。2005年のこと。
2018-11-04 06:28:27@aquirax01 それに対して上告した『高裁』では逆転の判決が下った(2007年)。判決理由が上掲の判例文に書かれているが、略して関係ありそうな部分の大意を抜き出すと 『Offensive, (正確にはGlossly offensive)という言葉が英国の法には定義されていない。
2018-11-04 06:29:06@aquirax01 『(Indecentも含め)offensiveという単語は英語においては日常的な単語であり、その写真がoffensiveとの理由で当該する法 (Malicious Communications Act 1988 legislation.gov.uk/ukpga/1988/27/… ) を適用して、その行為の意図に悪意があったとすることはできない』
2018-11-04 06:30:01@aquirax01 『その写真が仮に強い感情(distress, anxietyなど)を引き起こすものだとしても、それは主観的な感情であり、それを理由に表現の自由を制限することはできない』 とも事実上付記されている。(意訳につき本文参照してください)
2018-11-04 06:30:30@aquirax01 もう1つ他の例を見るとこのテーマにはより相応しいかもしれない。『恐怖物語』なるジャンルのファンならば周知のことかどうかは知らないが、SAVOY BOOKSが出版した”Lord Horror”という小説。savoy.abel.co.uk/HTML/lhorror.h…
2018-11-04 06:31:22@aquirax01 まあ、ありとあらゆる『おぞましい』(ナチ、ポルノ、スカトロ等々)と受け取られるであろう要素を詰め込んだらしいこの小説は、版元の解説にもあるように1989年に出版前の原稿の段階で流布されたがどの出版社も出版拒否。さらに警察に通報されるにいたり発禁処分を裁判所より受けた。
2018-11-04 06:33:48@aquirax01 この小説が最近年のイギリスでの発禁書(だと思う)。小説はここで部分的に読める:supervert.com/essays/horror-…
2018-11-04 06:34:26@aquirax01 しかし、この小説は言論や著作の自由を守る活動を行なう著名な人権団体である Article 19 の助力によって、1992年には発禁処分は取り下げになった。が、これでまだ話は終わっていない。
2018-11-04 06:35:09@aquirax01 この小説のprequel comic seriesなどは依然として発禁状態のままのようである。(1995年に決定。その後については未確認)
2018-11-04 06:35:48@aquirax01 日本から『恐怖物語』を郵送するのは現実的に問題があるとはとても思えないが、強烈なグラフィックイメージと内容、それに子どもに対する虐待の印象を与えるイメージのものは見つかれば何らかのアクションがイギリスからなされることがないとは言えない。 とりあえずこの件はそんなところ。
2018-11-04 06:36:34@SteFoyLesLyonFr なるほど、ほぼ全貌が見えてきましたね。わざわざありがとうございます。
2018-11-04 09:09:31