つるぎの屋さん個人的まとめ

つるぎの屋(@suruginoya)さん
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つるぎの屋@日本刀買取専門店 @tsuruginoya

刀 本作長義天正十八年庚寅五月三日二九州日向住国広銘 打/天正十四年七月廿一日小田原参府之時従屋形様被下置也 長尾新五郎平朝臣顕長所持  重要文化財 「本作長義」 (作品番号120)

2018-10-24 21:42:07
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「本作長義」は所蔵先である徳川美術館では何回かみさせていただいていました。 ただ、他の博物館ではみるのは初めてのこともあり違う印象を受けました。 丁子乱れが焼き高く華やかとなり、腰の開いた刃を等間隔に交えています。 腰の開いた刃が谷状となり心電図のような規則的な印象を受けます。

2018-10-24 21:52:36
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堀川国広が焼刃土を塗らない「ズブ焼き」を行っていたのかは定かではありませんが、弟子の阿波守在吉には「ズブ焼き」と思われる作品が残されています。 「山姥切国広」の作風が堀川国広のなかでも類例が無いところをみると、もしかしたら特殊な焼き入れ方法を用いた可能性があるのかもしれません。

2017-10-05 00:38:19
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江戸時代後期のある刀鍛冶の作品 丁字乱れに規則的な谷が入り、心電図のような特徴的な刃文の印象を受けます。 これは焼刃土を塗らない「ズブ焼き(裸焼き)」による焼入れ方法によくみられます。 pic.twitter.com/FVnVLxecCN

2018-10-24 22:07:44
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「桑名打」といい、腰の開いた刃を交えた丁子乱れとなる応永備前によく似ています。

2018-10-24 22:07:44
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焼刃土を塗らない「ズブ焼き(裸焼き)」という焼入れの方法は、鎌倉時代くらいの古い作品にもそうと思われるものがあります。 備前国の一文字派や長船派の正系、傍系(←長義)にもあり、備中国の青江派などにも。

2018-10-24 22:14:26
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もちろん、一人の刀工が一方の焼入れ方法のみを採用するのではなく、 「土置き」と「裸焼き」の両方を行っていたと思われます。

2018-10-24 22:14:26
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「山姥切国広」は長義写しであり、焼入れ方法が堀川国広には他にみられない「ズブ焼き(裸焼き)」なので異風な印象を感じていました。 しかし、そうでなく本歌「本作長義」の焼入れ方法が「ズブ焼き(裸焼き)」であったので写しを製作する上で焼入れ方法まで同一にしていたのかもしれません。

2018-10-24 22:27:59
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本歌「本作長義」と写し「山姥切国広」の焼入れ方法がどちらも「裸焼き」である可能性は、あくまで私の個人的な仮説や推測の域をでない内容でありますことをご留意ください。

2018-10-24 22:32:34
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堀川国広が本歌「本作長義」の写し「山姥切国広」を製作するにあたり、 本歌の焼入れ方法が土置きをしない「裸焼き」であったと判断し、国広が普段は行わない、得意ではない焼入れ方法であるにもかかわらず、あえてそこまで拘って写しを製作していたら(語彙力)

2018-10-24 22:44:51
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本歌「本作長義」と写し「山姥切国広」の焼入れ方法がどちらも「裸焼き」で同一であったとしたら双方を関連づける要素の1つと言えるかもしれません。

2018-10-24 22:51:27
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「本作長義」 焼き入れ方法の視点から見直すポイント ・丁子乱れに複式互の目が交じっているか ・刃縁に小さな飛び焼きがあるか ・基本的に匂い出来か ・帽子の乱れる具合

2018-10-26 09:18:00
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「山姥切国広」天正18年2月 「本作長義」天正18年5月3日 阿波守在吉 慶長2年9月(堀川国広の弟子) この3振がみな同じ焼き入れ方法であったとするならば、それは偶然とは考えづらいことです。

2018-10-26 09:24:32
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「本作長義」の茎の表裏 指表(左)は僅かに掻き流し 指裏(右)は掻き通し (赤線)鎬筋の線 (緑線)茎尻 (紫線)指表:棒樋の掻き流し部分の推測末端 ※指裏:棒樋は掻き通しの為に末端は推測不能 (青)棒樋部分 (黄)棒樋の掻き流し部分の余白 pic.twitter.com/fIObDnrqM3

2018-07-16 23:08:11
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「本作長義」の大磨上となる以前の、生ぶの大太刀であった頃の姿の全長を推測してみたいと思いますが。 棒樋の末端部分の具合からのみの情報で推測するのは非常に難しくもあります。 反りの具合についても刀身の下部にある踏張りが完全に抜けてしまっています。

2018-07-16 23:39:45
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「本作長義」 指表 棒樋はごくわずかに掻き流し 指裏は掻き通し 以前に画像から予測していましたが、実物を確認したところそのようになっていました。 オリジナルの棒樋の末端が茎尻の少し下までであったようです。 棒樋の末端の位置から、製作当時の大太刀の長さを推測する目安になります。

2018-10-28 08:10:24
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「京のかたな」展 前期最終日にお伺いさせていただきました。 通常の開館時間から、閉館後に開催された貸切の特別鑑賞会にも参加して堪能させていただきました。 後期もまた来たいですね。 (4日目/貸切1回目) pic.twitter.com/oiTn0ihx2J

2018-10-28 21:11:03
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「本作長義」 長義らしく相伝備前でかなり刃沸も強いようでした。 刃紋も規則的ながら複雑に乱れ、互の目も1つ、2つと繰り返しています。 処々に複式互の目に足や葉がよく入り、腰の開いた谷は角がかっています。 焼入れの方法は土置きだと思われます。

2018-10-28 21:49:01