丹生谷貴志ツイートまとめ(2018年11月)

丹生谷貴志さんの2018年11月のツイートをまとめました。
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nibuya @cbfn

嘘の多い記憶。「1968年」に何をしていたのか、東京の西端の閑散とした団地で、ザッパの『イタチ野郎』を繰り返し聴いていただろう。或る夜見降ろす広い畑の古く大きな農家が炎上した。深夜の野原で帆船が燃えているような光景だと思えて、騒ぎは聞こえず、周囲の者も美しさに見惚れるように見ていた。

2018-11-01 00:25:43
nibuya @cbfn

退屈な余談。「世界の自明性を疑う」ことを起点としたデカルトは典型的な17世紀人に過ぎないし人間性の臨界とその外の渦状分離においてカントは典型的的に18世紀末人に過ぎなかった。哲学は同時代に先行しないし、無論、先導もしない。「だから」哲学書は読まれねばならない理由を持たない。

2018-11-01 09:33:25
nibuya @cbfn

もっとも、大衆!は同時代より「遅れる」傾向を持つ。公教育は同時代より遅れるのが’常だし、交付される「知」やら文芸!やら音楽、アニメやらゲームやらetc.、その統括者は常に「同時代」より「遅れた」者たちによってなされるのが常で、「だから」同時代としての哲学を読む「先進性」が偽装される。

2018-11-01 10:01:06
nibuya @cbfn

・・・自身の「先進性」を口にする者は「同時代性」に内包される社会教育的タイムラグの錯覚に陥って、実際は「真の同時代性」から大方「遅れている」。その露呈を恐れて「偽の先進性」が固執され、結果「真の同時代」はいつも遅れてやって来ることになる。

2018-11-01 10:14:46
nibuya @cbfn

余談。「恋ヶ窪」の傍に来て由来やらを確認しながら柳田國男は車から降りようとしなかったという話に大岡昇平は軽蔑に近い失望を感じたと書き、ここには大岡さんの偏執や謬見が感じられ自身その癖を認めているのだが、私はこのことの全体がひどく気になり、どちらがどうというのではなく、考え込む・・

2018-11-02 08:02:35
nibuya @cbfn

余談.『野火』が最後に精神科での「私」の語りだったと明かされることへの論評は膨大だが、大岡さんは自身の「狂気」の兆候に妙に「即物的な」恐れを表明していた。例えば「地球が回転している」と「実感した」瞬間、「記憶が現前知覚を覆ってしまっている」と実感した瞬間等への「恐怖」として・・・

2018-11-02 08:53:13
nibuya @cbfn

平凡な確認。「骨相観」は骨と化した自らを観ずる禅の修法だがそれは自らの「生の虚しさを観ずる」通俗性はともかく、滅んだものは愛し易いという感傷を除去し得れば、世界が骨という「空虚な形式-機械」を基底にするという観想における「形式主義的美学」、それによる世界肯定の意思でもあり得る訳だ

2018-11-03 09:08:55
nibuya @cbfn

閑話etc.。わけあってジジェク嫌いなのでさして読まないが、例えば「9・11」を巡ってあの光景を「現実界の露呈=スペクタクル」のように語っている文章があるそうで、しかしあれは「想像界の基底の炸裂」ではあっても「現実界の露呈」ではないと思われ、このあたりの雑さがジジェク嫌いの要因なのだ。

2018-11-04 11:21:31
nibuya @cbfn

閑話etc.。ブランショはその『本質的孤独』で「孤独であるとき周囲から世界は消え去る、のではなく、”世界は消え去った”が現れるのだ。隠蔽が消えるとき現れるのは隠蔽の彼岸ではなく、”隠蔽は消え去ったというかたちでの隠蔽”、”隠蔽の隠蔽”が現れるのだ」と言っている。超薄化した想像界である筈だ。

2018-11-04 14:23:31
nibuya @cbfn

私的な空話。東京生まれ東京育ち、米軍基地横のガス水道下水無しのバラック状長屋生まれ急造地団地育ち、親兄姉血累的情緒連結ほぼ皆無・・・ところでこの一切を私は一度も「何かの欠落」と感じた瞬間がないので、喪失論的(?)前提で語られる論や批評が全て戯言にしか見えない。これは「欠陥」か?

2018-11-06 14:46:09
nibuya @cbfn

余談。数冊の「小説」だけを残して完全に消え去った集団がいたとしてその集団はその「小説」の「結果」として実在する。彼らは「フィクション」という形式においてのみ(こそ)実在する。例えば「明治の人々」という実在についても結局のところ我々は「明治文学」の結果としてのみその実在を認証する。

2018-11-06 22:28:37
nibuya @cbfn

雑。「風立ちぬいざ生きめやも」がヴァレリーの詩句の堀辰雄の誤訳だと丸谷才一が嬉しそうに指摘して有名だが、堀辰雄の文中では「ふと口を衝いて出た」詩句として反復され、ヴァレリーの訳とは一度も言われない。むしろ、ヴァレリーの詩の記憶への主人公の「対句的返歌」だったとする方が適切だろう。

2018-11-07 17:55:32
nibuya @cbfn

エピグラムにヴァレリーの詩句が原語で。小説が開始するや二頁目くらいに「いざ生きめやも」の詩句が主人公の口を衝いて出る。ヴァレリーの「生きねばならぬ」となる原詩に「生きめやも」と、留保の意味の詩句が返歌される。気障な仕掛け。まあ原詩はヴァレリーの墓碑に刻まれた詩句の別の一節なのだ。

2018-11-07 18:29:13
nibuya @cbfn

初歩確認。この家は神の創造になるという信奉をもつ者はその証を見い出すために家の細部に到るまで全ての探索を意志し、それを否定する者は信奉者が証を見い出す同じ場所に於いてその偽を証明しようとする。結果、両者は共に「同じ」熱気でその家を探索する。有神論者と無神論者は同じ情熱で実存する。

2018-11-07 21:20:23
nibuya @cbfn

余談。ジジェクはショスタコヴィチの第5がスターリンの許しを乞う仮面を被った反スターリンの表現だったという解釈を批判する。彼の批判の論法以前に音楽的情動の本質的な「普遍性」の問題。同じ音楽が聴く人間や状況の高貴/愚劣に関係なく全ての情動的興奮に奉仕してしまうという「単純な」問題・・

2018-11-08 09:14:54
nibuya @cbfn

余談。マッカートニーが『ヘルタースケルター』が殺人集団の「聖歌」として使われたことに、「ヘルタースケルターは遊園地のジェットコースターの名前、それについての歌なんだ」と反論しても意味がない。まあ「地獄落ち」という歌詞とマッカートニー曲の特徴的なパラノイアの感染を問うことは可能か?

2018-11-08 09:41:55
nibuya @cbfn

前も書いたが、横尾さんは或る時期『Monkberry Moon Delight』をエンドレスにして聴き続ながら仕事をしていたそうだ。歌詞は単にマッカートニーの飼犬の様子を歌ったものと記憶するが、それとは無関係に曲の「空虚なパラノイア」の変な興奮感染が・・・。それはそうと横尾さんの問題は解決したのかな?

2018-11-08 09:50:29
nibuya @cbfn

余談。橋川文三「日本浪曼派批判」。明治後期から「太陽と大地」との間の「同じ振幅の堂々巡り」を日本は繰り返してきた気配。九十年代以降その振幅は「穏やかに平板化」しているとも言えるが、それは危険と悍ましさの別の形での遍満でもあるはずだ。青空と雲とによる地上の否定!と誰だかが不意に・・

2018-11-08 10:34:06
nibuya @cbfn

初歩。ミクロコスモスとして設定された人体への探査が総体把握から内部様相の探査を経てついには細胞、分子etc.の細部の探査に到るように「文学」は「人間-世界」を総体から微細部の探査に向かい「小説」を発動させる。遂には「終わりのない死体解剖」に逢着し言葉は「死/生」の接面を這い始める。

2018-11-09 09:23:26
nibuya @cbfn

余談。大杉重男『アンチ漱石』は長与又郎による漱石の脳その他の解剖所見文書から始まるが、大杉さんは死体解剖に到るまでの「漱石の神話化」としてそれを提示するが、長与博士の視線が「自然主義小説」の視線の奇妙な模倣であることはもっと注視してもよかった。「秋声・善蔵」等による奇妙な復讐?

2018-11-09 09:37:51
nibuya @cbfn

メモ。ゲーテ『ウェルテル』が死体解剖の所見で終わることを思い出すこと。(三島由紀夫の『獣の戯れ』が唐突に?「民俗学」的な記述で終わることは?)。ビュヒナーは魚類等の解剖学的生態学者だった・・・等々。

2018-11-09 10:24:10
nibuya @cbfn

退屈。「絶対矛盾的自己同一」とか「絶対的に偶然性であることは絶対的必然である」といった言明はその当たり前さで思考を果てしなく弛緩させる。むしろこの「弛緩性能」だけがこの種の言明の「取り柄」であるだろう。

2018-11-10 06:27:45
nibuya @cbfn

早朝、小さい方のバイクで神戸仕事、素晴らしい天気、頭にMInaのUn Buco Nella Sabbiaが鳴り、もはやおバカな60年代だが、今日はこの曲だけで救い。夜YouTubeで探す。矢沢さんまでこれをカヴァーしてて、ついでに『時間よ止まれ』を聴いてしまう。罪なやつさ、青く燃える海、俺の負けだぜ・・・おお!

2018-11-10 22:47:02
nibuya @cbfn

・・・間違いなく疲れてるんだろうが、『時間よ止まれ』をエンドレスで流しながら徳田秋声の『あらくれ』とかを読んだらどうなるか、と考える。これはこれでアジャンスマン! 「戦争機械」の組み込み実践! 結構本気で計画する・・・

2018-11-10 22:59:00
nibuya @cbfn

余談。所謂研究者になる気もその能力もないのは、「頭の中」ででたらめに連結している「”人生”の全て」を分離・整理する能力を完全に欠いているせいだが、逆にその癒着・相互浸潤・連結・紛糾・累乗etc.を加速したり引っ張ったりすることについては少し自信がある・・・とか言えたら格好いいが・・・

2018-11-11 00:13:48