続・ハエ28ストーリー　パート５

205系ハエ28編成bot @SaikyoHae28

●続・ハエ28ストーリー 長野は、関東で見たことがない列車ばかりだった。 211系はブルーの帯に衣替えしていたし、115系さんも、訓練車以外は別会社の所属になっているそうだ。 昼間、クモユニさんに牽かれて、廃車置き場へと入った。 そこには、新前橋からやってきた115系さんたちがいた。

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●続・ハエ28ストーリー 気のせいだとは思うけど、最近どこかで会ったような気が・・・ 「おや、埼京線の205じゃないか。懐かしいな。」 「もしかして、最後まで走ってたのはお前さんか？」 そうですと言うと「もしかして小山に疎開していたかね？」と、続けて聞かれる。 ・・・やっと思い出した。

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●続・ハエ28ストーリー 115さんと会ったのは、小山にいた時か。 3年も前の話だったことに、後で気が付いたが。 「宇都宮に、元同僚がいるだろ？あいつらいつも、1編成だけ残ったお前さんのことを気にかけてたぞ。」 「でも、まさか長野で会うとはな・・・」 115さんたちは、寂しげな微笑みを見せた。

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●続・ハエ28ストーリー そうだ、ここは廃車置き場・・・一旦来たら、再び走ることはほぼあり得ないんだ。 「まあまあ、さびしくなるのは仕方ないけどさ、ゆっくり過ごしておくれよ」 奥の方から声がした。 声の主は古びた機関車、EF62とEF63って書いてあるけど・・・見たことねぇな。

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●続・ハエ28ストーリー 「おおロクサンか、以前は世話になったな」 「そうだな、碓氷峠がなくなってからもうすぐ20年だ。あっという間だったな」 115さんたちはロクニとロクサン？と、思い出話に花を咲かせている。 話にも入れず、暇を持て余していると。 「よう205！久しぶりだな」

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●続・ハエ28ストーリー イケてる声で俺に話しかけてきたのは、元成田エクスプレスの253系だった。 ずいぶんとボロボロになっていたが・・・懐かしい姿を見てびっくりしたと同時に、うれしかった。 お互い再会を喜んだのち、ふと疑問がわいた。 ・・・253は何でここにいるんだ？

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●続・ハエ28ストーリー 253自身も何で残されているのかわからないようだった。 あえて言うなら、トップナンバーだとか、長電に兄弟がいるぐらいしか思い当たる節がないらしい。 「仲間を見送るのもつらいんだけどな。一時期、埼京や横浜、南武線のやつらがたくさん来てたから。」

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●続・ハエ28ストーリー そうだったな、俺の兄貴（ハエ27）も弟（ナハ17）もここに来ていたはずだ。 「まあ、短い間だけど、思い出話でもしてすごそうぜ！久しぶりに同年代の車両が来たから、俺も楽しみなんだ。」 そう言って253は笑った。 と同時に、115さんたちからも笑い声が聞こえた。

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●続・ハエ28ストーリー ・・・長野の廃車置き場に着いて最初の晩、早速夢を見た・・・ 目の前にはハエ27兄貴。 隣にはＫＣＪ塗装になった、弟のハエ26が。 兄貴の廃車回送の時と状況が似てるけど、何かが違う。 「お前たちはまだ走れるからな」 そう言って兄貴は目の前から去っていく。

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●続・ハエ28ストーリー そしていつの間にか俺1人だけ取り残されて、緑帯が無くなって全身銀色になっていた・・・ うわあぁぁぁぁぁあ！！ 「どうした205、大丈夫か？」 隣の115系さんたちが起きちまった・・・ 「だいぶショックな夢を見てたようだな。僕らもそうだったよ」

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●続・ハエ28ストーリー いろいろ115系さんとしゃべっていると、奥の方から声が聞こえた。 「んも～、声でかすぎだよ！誰？」 「ああ、あの声は訓練センターの205系だな」 115系さんが教えてくれた。 え、ここにも205系がいたんだ。初めて知ったぜ。

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●続・ハエ28ストーリー ごめん、夢見て叫んじまった、と謝りつつ、君も205系なのか？と聞いてみたら 「君も、ってことは、あんたも？ よければ朝になったら訓練センターに来てよ。私、ここから動けなくて。」 は？動けない？？？ 謎が謎を呼んだおかげで、ほとんど寝付けないまま朝を迎えた。

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●続・ハエ28ストーリー 翌日、205系のいる場所へ、クモユニさんに案内してもらった。 どうやら建物の中らしい。 建物の入口には113系さんの生首があって、ビックリして「うわぁ！」と叫んだら怒られたｗ さらに115系と勘違いしたらさらに怒られた。 この塗装だったら、普通は勘違いするだろ←

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●続・ハエ28ストーリー そして、建屋の中へ入ると・・・台車の奥に、鎮座した京葉線205系のメルヘン顔。 ということは、Ｍ１・Ｍ２の同僚だったやつだな。 「あら、埼京線の205系・・・まだ残ってたのね」 今までウン百回と言われた言葉だったが、廃車になってからも言われるとはなあ・・・ｗ

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●続・ハエ28ストーリー 「でもこの顔懐かしいわね。京葉線走ってた頃思い出すわ。」 だよな。でも、京葉線にはまだ205がある意味走ってるけどさｗ 「ところで、あなたは何で今頃長野に？」 ・・・一番説明しにくくて嫌な質問だ。 あー、説明すると長くなるんだけど・・・とごまかしてみたものの。

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●続・ハエ28ストーリー 「どーせ時間はたっぷりあるんだから話しなさいよ」とバッサリ斬られたｗ 半分仕方なしに、俺は引退詐欺からのこの間までの話をしはじめた。 一通り話し終わると、メルヘン（ケヨ11）は一言 「大人の事情に巻き込まれたんだね～・・・」と。

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●続・ハエ28ストーリー ただ口ぶりはクールだが、表情は若干ニヤニヤしてるのが垣間見えるｗ 笑いたいなら遠慮なくどうぞ！と言ったら、ブフッｗと吹き出された。 何だかムカつくやつだなこん畜生ｗｗｗ 「ごめんね、気の毒だとは思ったんだけど、何か笑えちゃったｗでも・・・」 でも？

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●続・ハエ28ストーリー 「そのぶん、仲間の思いも背負って走ってたんでしょ？きっと。幸せなことじゃない。」 仲間の思い、か。 俺自身は意識してなかったけど・・・でも事あるごとに、一緒に走ってた仲間を思い出していたのは確かかもしれない。

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●続・ハエ28ストーリー ケヨ11は、走れなくなっても、ほぼ当時の姿でいられるのが誇りだと言った。 「だってセンター公開で私を見た人が、昔の京葉線はこうだったって思ってくれるじゃない？それもある意味、仲間の思いを背負ってるのと一緒よ」 なるほどな。 でも、俺はもうお役御免だからな・・・

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●続・ハエ28ストーリー するとケヨ11は表情を変えて。 「諦めたらそこで試合終了ですよ・・・？」（安西先生風） はい？ 諦めるも何も、俺廃車なんじゃねぇの？？？ 戸惑う俺に、さらに一言。 「迷わず行けよ、行けばわかるさ！」

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●続・ハエ28ストーリー 今度は猪木かよ！← あーマジでわけわかんねぇ！！ そう言って建屋を出て行こうとすると、後ろから「あんたの伝説はまだまだ終わらないよ！」と声をかけられた。 驚いて振り向くと、今までになくまじめな表情で佇むケヨ11。

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●続・ハエ28ストーリー 何か言いたげだったが、ぐっとこらえた後で 「また何かあったら、ここに遊びに来なよ」 と告げてきた。 きっと今の段階では言えないことがあるんだろう。 気にはなったが・・・心中を察して「ありがとな」とだけ返して、廃車置き場へと戻った。

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そういえば今日はバレンタインか ケヨ11「マリーンズの元監督？」 それはボビーバレンタイン（） クモユニ143「スワローズにいた」 それはバレンティン（） 113「近鉄バファローズにいたエディ・マーフィーに似てる奴」 ブライアント・・・それ結構遠ざかってるから！ｗ pic.twitter.com/katGDRxKcc

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