続・ハエ28ストーリー　その６

205系ハエ28編成bot @SaikyoHae28

●続・ハエ28ストーリー 一緒についてきてくれたクモユニさんが、廃車置き場へ戻る途中にこう言った。 「ケヨ11も、仲間が減っちまって寂しいんだよ。だから来る奴らみんなに『走り続けてくれ』って頼んでるんだ。でも、お前さんも知ってる通り、ここに来るのは解体されるのがほとんどなんだよな」

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●続・ハエ28ストーリー 「ただ、今はE231や233が、何かの改造のためにこっちに来てるんだよ」 へえ、そんなこともあるのか・・・珍しいな。 と思った瞬間「あれー、207系先輩かと思ったけど見間違いかな・・・」なんて声が、工場のどこかから聞こえてきた。 「ああ、あいつだよ。常磐線のE231な」

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●続・ハエ28ストーリー 似たような色の緑帯を付けたE231が、声をかけてきた。 「あれ・・・もしかして、埼京線に最後まで残ってた205系さんですか？」 ま　た　か 接点もねぇはずなのに知られてるのに慣れて、こんな感想しか出てこなくなった。 だが。 その後の反応が・・・

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●続・ハエ28ストーリー 「きゃ～～～～～！！うれしい！！全っっ然埼京線と接点なくて、ぜひぜひ会いたかったんですぅ～～～！！」 ・・・予想外のハイテンション。 クモユニさんとポカーン( ﾟдﾟ)としちまった。 そんな周囲を気にかけることもなく、キャーキャー言うE231常磐線・マト114・・・

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●続・ハエ28ストーリー とりあえずその場をなだめて、何でそんなに会いたかったのかを聞いてみると。 緑帯仲間だったから そんな理由かい！！ｗｗｗ ・・・まあ、普通に自路線走ってるだけだったら、確かに同じ会社でも会うことねぇよな。 しかし、たまにはミーハーな奴もいるもんだ。

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●続・ハエ28ストーリー 「埼京線の205系さんと会えるの、もう最初で最後だと思うので自慢してきます！！ あ、まだ私たちの仲間もこっち来るみたいなので、そのときはよろしくお願いしますね☆」 お、おう・・・ ただただ圧倒されるベテラン勢であった・・・ ※E231も車齢的には中堅クラスだけどさ！

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●続・ハエ28ストーリー 長野に来て間もないうちに、いろいろな車両とのかかわりができた。 ただ、引退してからよりも、現役のうちに関わっておけた方がよかったのにな・・・と、後で思った。 でも同じ路線走ってるばかりじゃ、そういう機会もねぇ。 何だか皮肉だな・・・

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●続・ハエ28ストーリー そのうち、一緒に並んでいた115系さんたちとの別れの日が来た。 一方で機器更新？のために入場してくる現役の電車たち。 毎日傍らを通る列車。 朝晩にやってくる貨物列車。 解体も何もされずに放置されていた俺は、ただただその姿を見送るしかなかった。

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●続・ハエ28ストーリー やがて長野に本格的な冬がやってきて、時々平地でも雪が降り積もった。 クッッソさみいいいいいいい！！！！！ 「おいおい205、今日はまだ暖かい方だぞ？」 出庫していく211に諭されるが、それでも寒いもんは寒いんだよ・・・

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●続・ハエ28ストーリー 「ま、例年より雪は多いけどな。」 そうなのか？もっと降るもんだと思ってたけど。 「いつもは、平地はそんなに降らないよ。山沿いは結構降る。」 日本も広いなと思いつつ、211系をいつものように見送った。 なおこの時は、その後に起きる騒ぎを知る由もなかった・・・

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長野の雪ハンパねぇ・・・ #冬が胸にきた pic.twitter.com/1gca6P5kDV

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●続・ハエ28ストーリー その騒ぎとは・・・ お昼時、北しなの線へと向かう115系さんが、俺にこう言ったんだ。 「よう、再就職おめでとう！」 は？再就職だって？ 全く思い当たる節のないことを言われて固まっていると、 「何だ205、お前富士急行行くんじゃないのか？」

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●続・ハエ28ストーリー ( ﾟдﾟ) ど　う　い　う　こ　と？ 当の115系さんは、高速で北長野へと走り去ってしまった・・・ これじゃ理由もわかんねぇよ！ 一緒に廃車置場にいた車両もこのことを知らず、大騒ぎに。 一方で、クモユニさんは「あーあ・・・」という表情。

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●続・ハエ28ストーリー 「うわー、どこでばれたんだよ・・・せっかくの目論みが！」 クモユニさん、めちゃくちゃ悔しがっている様子だ。 そういえばこっち来た頃、メルヘンが言ってたことは伏線だったのか。 聞いてて、俺またどこかで走れるのかな？とは思ってたけどさ。

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●続・ハエ28ストーリー 事の真相は、妙高から帰ってきた115系さんが教えてくれた。 鉄道雑誌の除籍車のページに「富士急行へ転籍」と載ってたんだとさ。 メルヘンは「あー！転籍のこと言わないように我慢したのに！」とプンスカしている。 いや、どこかで走り続けることはバレバレだったぞ？ｗ

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●続・ハエ28ストーリー そしてクモユニさんは、秘密にしていた理由を語ってくれた。 「実はな、以前ここで改造して富士急に行った371系から連絡があってな。 『サプライズ発表したいから黙っててくれ』って、口止めされてたのさ」 俺に黙っていたのは、そういうことだったのか。

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●続・ハエ28ストーリー 「ま、ばれちゃったなら仕方ないわ。京葉の先輩もいるから、よろしく頼んだわよ！」 メルヘンが真面目な口調でそう言ってきた。 俺は無言でうなずく。 せっかくもらった命だ。ボロボロになるまで走ってやるぜ！

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ある日の長総 115系「富士急に行くなら、みとーかさんデザインになるのかな？いいな～」 ハエ28「みとーかさんの名前はよく聞くけど、どんなデザインか見たことねぇや」 211系「あんな感じじゃね？」 通りすがりのろくもん「よう♪」 ハエ28「ファッ！？」 pic.twitter.com/dFh7P4GZE6

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