コンパクトシティのまとめと、日本と欧州の社会認識の違い
togetter.com/li/1286652 医療不安、年金不安、老後不安……少子高齢化の社会問題を解決するための「コンパクトシティ」
2018-11-13 21:53:28togetter.com/li/1287776 介護、観光、コンパクトシティ ――日本再生のため、産業構造の変化を見すえた政策は何か?
2018-11-13 21:54:20今日は、まず上記「コンパクトシティ」四回の総まとめと、そこに収められなかった細かい論点を拾います。今回の連載五回でいったんの区切り、とさせて頂きたいと思います。
2018-11-13 21:57:01「コンパクトシティ」とは、住人が集まって住むことで、人口密度を高め、公共インフラの維持費を削減する手法。徒歩圏と公共交通を再建するための交通政策などを含めた、総合的で長期的な都市計画。
2018-11-13 22:01:02コンパクトシティに対する代表的な誤解が、一極集中だというもの。そうではなく、地方都市に多極集積する。国土交通省によると、30万人くらいの粒度で集住することを想定している。
2018-11-13 22:02:31富山市は約40万人で、さらに「団子と串」のネットワーク型コンパクトシティを目指している。コンパクト化といっても、中心市街地だけに、ギュウギュウ詰めにする、というわけではない。
2018-11-13 22:04:06だから、ハザードマップでリスクの高い土地を避けることで、コンパクトシティは、災害対策も想定している。東京への一極集中の人口過密を解消する点で、伝染病対策も可能だと考える。
2018-11-13 22:07:06日本の少子高齢化によって、社会保障が破綻する可能性が高まっている。そこで、コンパクトシティ化して集まって住むことで、公共インフラやサービスの維持費を削減し、持続可能な都市と福祉の実現を目指すべきだ。
2018-11-13 22:11:40二回目では、エネルギー、交通、環境などを取り上げた。コンパクトシティ計画では、徒歩圏と公共交通の再建を目指す。車社会から脱却することで、エネルギーや環境対策にもなる。
2018-11-13 22:15:20後からの補足になるが、ひとりあたりの二酸化炭素排出量は、自家用自動車よりバスが少なく、鉄道はさらに少ない。だから、徒歩圏と公共交通を再建することで、低炭素社会を目指せる。
2018-11-13 22:17:58三回目は、格差社会と郊外化、それを直すコンパクトシティ。郊外化することで、小売の売り場面積あたりの売上効率は、90年代から落ち続けてきた。大規模SCができても落ちている。
2018-11-13 22:19:55また、格差是正に何をするにしても、結局は財源の問題になる。「(税金で)支援しろ」と「税金上げるな」は対立する。集住してインフラ効率を上げて、両方解決できるのが、コンパクトシティ。
2018-11-13 22:22:22四回目では、介護と観光、それとコンパクトシティの関係を説明した。日本の産業構造は変わり、製造業は海外移転して、高齢化社会になったので、介護は三大産業のひとつになった。だから、介護施設と被介護者の近接によるコンパクト化の効果も大きい。
2018-11-13 22:24:27観光も大きな市場に成長している。自家用車を持たない観光客の視点から見て、移動しやすい街にするために、やはり徒歩圏と公共交通の再建が必要になる。大規模SCだけで不足するのはこういう視点だ。
2018-11-13 22:25:51国家百年の計の長期計画である「コンパクトシティ」から見ると、中心市街地の活性化は手段のひとつでしかない。コンパクトシティは、交通政策や住宅政策も含んだ都市計画なので、イコールではない。
2018-11-13 22:29:15青森の商業施設「アウガ」の一例をもって、コンパクトシティが失敗したかのようにアンチは言うが、それは「木を見て森を見ず」だ。コンパクトシティ計画は、日本全国の空間、今後何十年という時間、その大きいスケールで巨視的に判断する必要がある。
2018-11-13 22:31:14コンパクトシティの流れは、80年代からすでにヨーロッパで起こった。日本でも、90年代末期から2000年代にかけて、その流れに追随しようとしたが、「中心市街地の活性化」だけが目的にすり替わってしまった。
2018-11-13 22:33:21「中心市街地の活性化」は、コンパクトシティ抜きにしても、本一冊になるくらい多くの論点を含んでいる。ただ、コンパクトシティと並べて語られることが多いので、簡潔に説明しておく。
2018-11-13 22:34:23政府や行政側も「まちづくり三法」をつくるなどの動きがあったが、結論から言ってしまえば、20年間多くの街で失敗し続けている。現に多くの街がシャッター街のままなのだから、論より証拠だ。
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